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「こだわりキッチン」と「ストレートダイニング」がある家

2017年02月12日 ── 東京都・家づくり ── 45080

自宅を新築するにあたり第一のご希望は「理想のキッチンをつくること」だったという M 様ご夫妻。設計事務所を選ぶ段階から、奥様はすでに置きたいシステムキッチンのメーカー は決めていたのだという。設計・施工を担当した株式会社ホープスの代表、清野廣道さんと、 M 様ご夫妻にどのようにして理想のキッチンだけでなくご家族のライフスタイルにぴたり と沿った家をつくり上げたのかを伺った。

書いた人 KLASIC編集部

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    作った人 清野 廣道

    住んでいる人 夫婦

    このメーカーのキッチンを置ける家、から始まった家づくり
    • ストレートダイニング/話をする M 様ご夫妻と清野さん。キッチンとダイニン グテーブルは幅を合わせ、素材と色を変えることによって段差の違和感をなくした

    「今までは賃貸で暮らしていて、キッチンが奥まっていたんです。家族の声が全然聞こえな いし、私は作る人、家族は食べる人という感じがするのがすごくストレスでした。それを何 とかしたくて」と奥様。新しく家を建てるにあたりアイランドキッチンにすることは必須条 件だった。奥様は導入するシステムキッチンのメーカーも決めており、奥様とキッチンメー カー、そしてこの家の設計・施工を行った株式会社ホープスさんが連絡を密に取りあって計 画をしたそうだ。

    しかし、導入するには一つ問題が。「M 邸の敷地は長方形で、2 階にとった DK の形も奥行 きのある細長い形になっています。そのため、短い辺と平行にキッチンカウンターを置くと、 ダイニングを見渡せるのですがキッチンへ行き来する通路の確保が難しくなってしまいます。ですので、ストレートダイニングというスタイルを提案しました」と話す清野さん。細 長い DK の、真ん中を突っ切るように配置されたキッチン台とそれに続くダイニングテーブ ルという流れは、とてもシンプル。動線にも無駄がなく、とても使いやすいものになったと いう。奥様も「この家に住んで 2 年になりますが、家族と一緒に、同じ時間を過ごしている という実感があり理想通りです」とのこと。

    他にもたくさんの工夫が詰まっている。「キッチン台とダイニングテーブルは用途が違うわ けですから、使いやすい『高さ』も違います」と清野さん。普段はそこで生まれる段差を、 キッチン部分の床を下げることで調節するのだそう。しかし、今回は床をフラットにしたい というご希望だったため、キッチン部分を『白のパネル』ダイニングテーブルを『無垢のウ ォルナット材』と色も素材もまったく違うものにし、生まれた段差も敢えてデザインの一部 として取り入れた。

    シンプルですっきりとしたデザインのキッチンだが、収納力も十分にある。突きあたりにオ ーブンなどをまとめて設置したことで生まれた隙間を利用して、パントリーをつくった。ま た「キッチンの背面を出窓にすることで、棚のように使って物を置けるようにしました」と 清野さんが話す通り、デザインの一つとして『見せる収納』も取り入れた。

    このシンプルかつ機能的なキッチンの使い心地は?と伺うと、奥様は「食べるほうが好きだ ったお料理も、最近は作るほうも好きになってきたんですよ。友達も家にたくさん来てくれ るので幸せです」と嬉しそうに話してくださった。

    • ストレートダイニング/手前からダイニングテーブルとキッチンがまっすぐに配 置されている。突きあたりにはオーブンなどを設置。その裏側にはパントリーを配置した

    • 出窓/キッチンの背面を出窓にし、見せる収納として棚のようにも使える。清野 さんは「これをつくることで収納力が大きく変わります」と言う

    • 出窓/窓は唐紙のパネルを挟んで両側に配置。「窓は効率よく、少なく、明るく 取るのがポイントです。窓ばかりの家だと暑かったり寒かったりしますから」と清野さん

    • ダイニングテーブル・ダイニングソファ―/「ダイニングだけれども、リビング のようにもくつろげる場所にしたい」とのご要望に、ホープスさんは『ダイニングソファ―』 を提案。普通のソファーよりも高さがあり、身体が沈み込みにくいため食事をするのにもち ょうど良いのだとか

    シンプルに、プレーンに。建築家と共につくる自分たちらしい家
    • 和室/正面の窓には木製のサッシを使用している。和室らしく、きりっとした印象

    • 和室/窓の引き戸を閉じると、枠は 5 ミリ程度しか見えなくなる。唐紙の柄もぴ ったりと合い、茶道のしつらえを邪魔することなく見事に調和する

    • エントランス/アプローチには、隣家に対するプライバシー面も考慮し木製の塀 を配置した。向かい合う玄関部分も同じ木材を使用している

    • エントランス/正面には簡単に取り外しができる倹飩(ケンドン)式の扉をつ くった。扉を外せば塀の後ろ側にある水道を使うことができる

    • トイレ/塩ビシートではなく木目調の塩ビタイルを張り合わせることで、木材かと見紛うほどのナチュラルな雰囲気になっている

    もうひとつの必須条件が炉を切り、本格的な茶室として使用できる『和室』だ。「私だけで はなく母も茶道をたしなむため、どうしても欲しい場所でした」と奥様。M 様の『シンプル に、プレーンに』という全体的な家づくりのご要望に沿う和室にするにはどうしたら良いか。 さまざまなアイデアを出し合い、またホープスさんもたくさんのご提案をしながら徐々に つくり上げたのだそうだ。

    「特徴的なのは唐紙です。唐紙を取り入れるという奥様からのアイデアがあり、和室の壁紙 には唐紙を使用しました」と清野さん。柄の色味や雰囲気の選び方で『和であるけれども北 欧モダン風に』というご要望に応えた。「また、板に柄の違う唐紙を貼り、キッチンの出窓 部分にも設置しました」と言う。キッチンと、その続き部分にある和室に唐紙を取り入れる ことにより 2 階の全体的な調和も生まれた。

    また、和室部分の窓だけは木製のサッシを取り入れた。清野さんは「外から見ると道路に面 した『顔』の部分でもありますから」と語る。「和室側には引き戸も付けました。ぴたりと 閉めると枠が 5 ミリ程度しか見えないつくりになっています。そのとき縦縞の柄がぴった りと合うようにしたのもこだわりです」とのこと。
    他のご家族のご要望にもしっかりと応えている。ご主人は「独立した個室が欲しい」という もの。1階、玄関を入ってすぐ左側に自由度の高いプレーンなつくりの部屋をご主人の個室 として配置した。お子様は「お風呂からトイレへそのまま行くことがあるため、動線を確保 してほしい」ということ。洗面・脱衣室を挟んでまっすぐにトイレとお風呂を配置し動線を 確保しただけでなく、濡れた足でも行き来出来るよう、床面に木目調の塩ビタイルを使用し た。

    家づくりにあたり主に清野さんと打ち合わせをしたのは、奥様と、普段お仕事で建築取材を なさることもあるという奥様のお姉さまなのだとか。地震に強い『SE 構法』で家を建てた いというご希望があり、設計・施工をともに行う工務店を探していたところホープスと巡り 合ったのだという。「他にも候補があったのですが、初回面談の際の清野さんと設計担当者 のお人柄が決め手になりました」と奥様。施主様が出した要望をそのまま設計するのではな く、アイデアを出し合ったり、細かく打ち合わせをしながらともにつくり上げていくホープ スさんとの家づくりは「家づくりって、本来こういうものだと思いました。大満足でした」 とのこと。

    実際 2 年暮らしてみてのご感想は?との問いには「こうしたいと思っていたことが実現で きて、ストレスがありません」と語ってくださった M 様ご夫妻。M 様ご夫妻とホープスさ んの家づくりは、まさに注文住宅のよさを最大限に生かしたものだったと言えるだろう。

    作った人 清野 廣道

    理想のキッチンをはじめ、ご家族のご要望を細かく聞きながらこの家の設計をしました。ご要望をあれもこれもと全部取り入れようとすると、実はいい家はできないんです。 施主様にとってここだけは外せないという点を残し、後はそぎ落とす。「そぎ落とす」は語 弊があるかもしれませんが、施主様のスタンダードを見つけ出す作業を行います。そのポイ ントは施主様ごとにまったく違いますので大変ですが、やりがいがありますね。

    スペック
    所在地
    東京都世田谷区
    構造
    木造・SE構法
    規模
    2 階建
    設計期間
    2013年02月~2013年05月
    施工期間
    2013年05月~2013年10月
    竣工年月
    2013年2013月
    敷地面積
    90.09 ㎡
    延床面積
    88.20 ㎡
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