空間を最大限に活かせる「スキップフロア」特集vol.2

オシャレでカッコいい「スキップフロア特集」の第2弾!
2階建てなのに、4~5層の床面がある間取りを実現できる「スキップフロア」。
ファミリースペース、書斎、お子さんの遊び場としてなど、
ムダのない巧みな空間設計で、狭小地でもゆとりある生活空間づくりを可能にします。
そんな「スキップフロア」を、最大限に活かした建築実例をご紹介します。
ぜひ、みなさまの自分らしい家づくりの参考にどうぞ。

家全体がギャラリーとなり 心豊かな暮らしをかなえる

東京都杉並区 / T邸

この家は、平面図で見ると素直な間取りだ。しかしスキップフロアをはじめとする断面の空間構成や、デッキが室内に入り込むといった大胆な設計によって、完成した邸内は平面図から想像もつかないオリジナリティを発揮する。

望んでいた暮らしを実現でき、かつ、空間として個性的で魅力のある住まいに施主さまが満足していることはいうまでもない。施主さまからは「家づくりの打ち合わせは、本当に大切にしたいものを再確認する機会になりました。自分たちの要望が、自分たちでは想像もつかなかったやり方で形になっていくことに喜びを感じ、とても感謝しています」との言葉をいただいているという。

おうちでキャンプ気分。 土間を楽しむスキップフロアの家

埼玉県川口市 / T邸

T邸は思いきり「アウトドア」に寄せた個性的な家なのに、家族の居場所である土間とLDKを見渡せるキッチン配置、LDKの床下にある大容量収納など、生活しやすさへの配慮も行き届いている。

2階には寝室、水まわり、大きなファミリークローゼットのほかフリースペースも用意され、お子さまの成長に合わせて空間の使い方を変えることが可能。最上階には、多目的に使える大きなロフト。2階への階段途中にはスキップフロアの段差を活かした小さなロフトもあり、1階を見下ろす楽しい視界でパソコン作業などができる。こうした、実用性と遊び心が同居する空間は小嶋さんの設計の大きな魅力でもある。

「つなげる」ことで、空間の広がりを演出

岐阜県岐阜市 / K邸

実際に住まうK様ご家族が暮らしやすいよう、採光性や通風性、動線にも配慮。1階の和室からダイニング・キッチン、洗面室、脱衣室までや、スキップフロアから繋がるデッキ、リビング、2階の廊下、寝室、バルコニーまでを一直線に配置。行き止まりをなくして、外へと抜ける広がりや開放感を演出、光も空間全体に行き渡りやすくしている。さらに、2階の廊下には開閉式のトップライトを配することで、外光をより取り込めるように設計。
また、リビング側にある2階洋室には、大きな窓をはめこみ、吹き抜けを通して1階までを見下ろせる。「ここに大きな開口部を設けておけば、将来、お子さんが独立して、リノベーションをしようと思ったときに、ガラス外して空間をつなげるなど、いろいろなアレンジが可能になります」と、将来的な間取りの可変性も意識した。

公園の延長のような住まい。 桜と共に過ごす大空間リビング

東京都町田市 / S邸

2人の頭脳からひねり出されるアイデアは、単純計算として2倍。しかしそれは、2人の議論によって磨かれ、より顧客にとって素敵な提案へとなる。

今回の物件はまさにその真骨頂ともいえる。「こもり」と「開放」という相反する要望の実現を、スキップフロアという手法でひと続きの空間としたことだけに留まらない。中2階、2階の部屋の扉をなくしたことで、室内の空気が1つになる。それにより、冬は1階の床暖房を入れるだけで暖気が昇っていき、2階の寝室を温めるという。寒いと思われがちな大きな吹き抜けの短所をも克服する機能面もしっかりと抑えているのだ。

高低差を活かした楽しい動線。 外とのつながりを感じられる住まい

神奈川県厚木市

周囲の環境のほかにもう1つ、大塚さんが着目したのは敷地の形状だ。「ここは敷地内に高低差があったのですが、平地にする工事はかなりのコストがかかります。そこで、高低差をそのまま活かした家をつくろうと考えました」

こうして、中庭を中心に据えた「ロの字型」のプランが完成。邸内は土地の高低差を活かした造りになっており、1階はLDK。そこから中庭沿いの通路を通って数段の階段をのぼると中2階の子ども室、折り返してさらに数段の階段をのぼると主寝室や水まわりのある2階、というスキップフロア。中庭を周遊する動線上に生活空間が広がり、どこにいても外とのつながりを感じられる心地よい住まいとなった。

吹抜け空間に部屋が浮く? 家族がつながる、無柱の開放的なLDK

栃木県宇都宮市 / K邸

ご夫妻と元気な男の子3人が暮らすK邸は、心地よい開放感のある住宅だ。1階のLDKに広い吹抜けがあり、驚くことに、ダイニングの上には部屋が浮いているのである──。

正確には浮いているのではなく、2階の一部がせり出しているのだが、本来ならLDKにあるべき支えの柱がない。そのためLDKは吹抜け空間に部屋が浮いているように見え、不思議な浮遊感が店舗や美術館のような洗練された雰囲気を醸し出す。