幼稚園から幼保連携型認定こども園へと移行するにあたり、園舎の建て替えを行った千葉県の千成幼稚園。里山教育を取り入れているこども園であり、園舎も木材をふんだんに使用した温もりある仕上がりに。子どもが元気に遊ぶ園舎は、まるで大きな家のようだ。
3Dイメージツールを使って、完成形を共有しながら丁寧に設計します。寄り添った家づくりで「こんなはずじゃなかった」を無くします。建築家の役割は、「敷地の特性」と「クライアントの思い」を知的に誠実に読み解いて、その敷地とクライアントにしかないかたちを提案することだと思います。
建築家の詳細
手前の地域交流施設と奥の園舎は外壁の素材や屋根の形を揃え、裏側にある里山とともに一体となるように計画。地域交流施設の屋根が張り出した「大きな庇下」は地域交流施設利用者と園児との交流の場となっている。「大きな庇下」は園舎にも設けられ、相互に行き来できる
園舎側、「大きな庇下」のウッドデッキ。写真中央、庇の一部分を開けてつくられた吹き抜けから日光も落ちる半屋外空間。1歳児、2歳児の保育室とフラットにつながり、園児たちがここで遊ぶことも多い。地域の人たちとの交流の場として、イベントに使用されることもある
1階玄関。2階の玄関へは写真奥の柵を開け、階段を上がって向かう。多くの園児が一斉にここで靴を履き替えるため、自然な流れで並べるように沓脱をアールで計画した。それに合わせ、受付も曲面で構成されている。温もりを演出する薪ストーブも設置
1階玄関から待合スペースを見る。車いすでも容易く移動できるよう、玄関をはじめあらゆる場所でできる限り段差を抑えている。奥の保護者向けの待合スペースはペンダント照明や本棚を配置し、落ち着ける場に。施設運営者が応接間のように使用することも多い
園舎の外観。地域交流施設とこども園の活動時間は重なっている。施設の利用者と交流するときと子どもたちだけで過ごす時間を明確に分けられるよう、間に広場を設け適切な距離が保たれている。2階、広場側には職員室がある。園庭方向にも視線が抜けるため、敷地全体を見渡せる
1階談話室。畳敷きの談話室の机は掘りこたつとし、家にいるようなリラックスした雰囲気を得られるように配慮されている。奥の扉を閉めれば個室にできるが、手前は常に開放されており、園児が寝転んでのびのび過ごす様子もよく見られるという。左の小窓からは調理室が見える
1階から2階に上がる階段の踊り場を利用して計画された図書コーナー。気軽に絵本が読める場所として、園児の人気スポットのひとつとなっている。このスペースの下も有効活用し、1階からアクセスできる倉庫を設けた
撮影:川辺明伸
3Dイメージツールを使って、完成形を共有しながら丁寧に設計します。寄り添った家づくりで「こんなはずじゃなかった」を無くします。建築家の役割は、「敷地の特性」と「クライアントの思い」を知的に誠実に読み解いて、その敷地とクライアントにしかないかたちを提案することだと思います。
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