2025.08.16
前回、家を建てる前に行うステップの中で、最初の「家族の要望整理&情報収集~予算決め」について紹介しました。
今回は、続いてのステップである「土地探し〜施工会社選び」についての中でも、「土地探し」について解説します。
家を建てる際、「どんな家を建てよう」などと、ついつい建物のことばかり考えがちですが、家は土地がなければ建てることはできません。
注文住宅の場合、建売住宅や中古物件を購入する場合とは異なり、土地と家の購入作業が発生します。
しかも、土地の購入と家の購入は一緒に行うわけではないので、事前にしっかりと計画を立てていないと途中で行き詰まってしまい、大きなストレスになってしまうことも。
加えて、土地によって建てられる家が変わってきてしまうので、土地探しは家づくりにおいてとても大切なポイントです。
そんな土地探しについて、まず何をすればいいのか。
最初に行うことは、「家族で住みたい場所を話し合う」ことです。
その際に重要なのが、自分たちの求める暮らし方がどんなものなのかをハッキリさせることです。
「通勤・通学に便利な場所がいい」
「住み慣れたエリアで暮らしたい」
「自然に囲まれて過ごしたい」
「憧れの場所に住みたい」……
家族で話し合うことで、自分たちが望む暮らしが明確になり、どこに住みたいか、エリアが決まってきます。
続いて決めるのが予算について。
注文住宅の場合、建物にかかる建築費と土地の購入費用は別になります。その際、土地の予算と建物の予算の割合をどうすればいいのか悩ましいところです。
一般的には予算の約3割を土地、7割を建物に割ると良いとされていますが、土地値の高い都心部と郊外ではこの割合も変わってきます。
インターネットなどを使い、住みたいエリアの土地価格相場を把握しておきましょう。
もう一つ注意しておきたいのが「古家付き」の土地。
土地は更地で販売しているものだけではなく、古い建物が建っている場合があります。 その建物にそのまま住むことが可能な場合もありますが、耐震性などの理由で住むことができない場合や、その建物に住みたくない場合は、建物の解体費用が土地の購入費にプラスしてかかるので注意が必要です。
家族の希望や予算が決まったら、いよいよ土地探しです。
土地を探す方法としては、主に
①インターネットサイトから探す
②実際に足を運んで探す
③不動産会社や工務店、ハウスメーカーに依頼する
の3つがあります。
①インターネットサイトから探す
注文住宅の情報を発信しているポータルサイトを利用すれば、さまざまな土地の情報を探せます。
エリアごとに情報がまとまっていることが多いので、土地の相場観を確認しながら検討できるのがメリットです。
デメリットとしては、情報量が多いがゆえに迷ってしまうこと。迷っているうちに狙っていた土地が売れてしまうということも。
また、ネット上では近所の情報や雰囲気はつかみづらいのもデメリットです。その場合は、現地の見学をしておくことをおすすめします。
②実際に足を運んで探す
実際に住みたいエリアに出向いて、「売地」看板などが建っている土地を探す方法です。
メリットとしては、臭いや音、周辺住民の雰囲気など、写真だけではわからないような情報が手に入れられること。
また、不動産会社や情報サイトにまだ掲載されていない土地と出合えることも。
ただし、住みたいエリアに必ず売地があるとは限らず、かなりの労力を費やすケースがあります。
③不動産会社や工務店、ハウスメーカーに依頼する
不動産会社には多くの情報が集まってきます。
その中には、まだ公開されていない土地の情報も。
土地以外にも、街の情報から周辺環境まで把握しているため、よりあなたの希望にマッチした土地を探してくれます。
また、不動産会社以外にも、家を建てる工務店やハウスメーカーが土地の相談に乗ってくれることもあります。
土地と建物をトータルで予算設定できるメリットがある一方で、その会社に建築を依頼しなければならないケースがあるので注意しましょう。
もう一つ、土地を探す際に押さえておきたいのが「建ぺい率」と「容積率」です。
「建ぺい率」とは、敷地面積に対する建築面積(建物を真上から見たときの面積)の割合のこと。
2階建てで一般的な形状の戸建て住宅であれば、1階と2階のうちどちらか大きな方の面積と考えても良いでしょう。この建築面積が、敷地に対してどの程度の割合を占めるのかを示すのが建ぺい率ということになります。
例えば、面積が100㎡の土地で建ぺい率が50%の場合、建築面積の上限は50㎡ということになります。
一方、「容積率」とは敷地面積に対する建物の延床面積の割合を示すもの。延床面積とは、複数のフロアの床面積を合計したものです。
例えば、1階が30㎡、2階が20㎡の広さなら、延床面積は50㎡ということになります。
つまり、容積率は「土地に対して何階の建物を建てることができるのか」を定めるための基準になります。
他にも、高さの制限を定めた「斜線制限」や、日照を保護するための「日影規制」などの制限が土地には付くケースがあります。
これらの高さ制限と、建ぺい率や容積率の制限が組み合わされて、最終的に建築可能な建物の大きさなどが決まります。
このように希望の土地があったとしても、素人では見極めができないことが多々あるのが土地探しの難しいところです。
せっかく希望の土地を見つけても、希望の家が建てられないなんてことも。
可能であれば、その道のプロである不動産会社や工務店、ハウスメーカーと一緒に探すのが望ましいでしょう。