03_家を建てる前にすることは?施工会社選び編

2025.08.16

今回は、家を建てる前に行う4ステップの2番目の行程である「土地探し〜施工会社選び」の中でも、施工会社選びについて解説します。

ハウスメーカー・工務店・建築家(設計事務所)の
それぞれの特徴は?

建てたい家の希望が固まったら、その計画を形にしてくれる依頼先を決めなければなりません。

注文住宅を建てる場合、施工会社等の依頼先と契約をする必要があります。依頼先には大きく分けて、ハウスメーカー・工務店・建築家(設計事務所)の3種類があり、それぞれ特徴や性質が異なります。

ハウスメーカー

全国規模または広範囲のエリアで、住宅の設計や施工を行う会社です。住宅展示場でモデルハウスを公開していることが多く、中には年間で数万棟の施工実績を誇る規模の会社も。

営業から設計、工事、アフターサービスまで一貫して行い、研究にも力を入れている会社が多いのが特徴です。

施工件数が多いため、同時に大量の設備や建材を仕入れられる点に強みがあり、コストを安く抑えられるのは大きなメリットといえます。

工法や管理がきちんとシステム化されており、定期点検や保証にも手厚く、品質も保ちやすい傾向にあります。

また、後ほど紹介する工務店よりも建築工期が短いことが多いのも特徴のひとつ。

知名度や安心感、安定した品質を重視する方におすすめです。 デメリットは、製品や工法がある程度規格化されている点にあります。特殊な設備を導入したり、規格外の間取りを実現したりしようとすると、コストや時間が追加でかかってしまうケースや、実現できない場合も。



工務店

一般的に地域密着型の事業を展開する建築会社です。

最大の魅力は「自由度の高さ」で、間取りや構造、外観など、法規上等に問題がない限り、施主のいろいろな要望に応えることが可能です。

例えば、木造で大きな吹き抜けをつくりたいといった要望から、手づくりのオリジナルキッチン、さらには床を無垢材にしたいといった設備やパーツに至るまで、施主の希望に寄り添ってくれるのが特徴です。

ハウスメーカーでは複数のパターンの中から選ぶということが多いですが、工務店では建材や設備の数だけ選ぶことができるのです。

また、全国展開しているハウスメーカーに比べ、広告宣伝費などの諸経費が少ない分、建築費を抑えられる傾向に。

省く所とこだわる所の取捨選択を自由にできるなど、コストパフォーマンスの良さも魅力のひとつです。

ただし、工務店のアフターメンテナンス体制は会社によって異なるので、見極めが重要となります。

ハウスメーカーのように定期点検や保証の制度も設けている会社や、不具合があればすぐに駆けつけて修理してくれる「家のかかりつけ医」のような会社もあります。



建築家(設計事務所)

工事を行わない設計のプロです。

より独創的なアイデアの家を求めるなら、最もオリジナリティーが高いといえます。

たとえば狭小や変形地でも、その土地を活かした思いもかけない提案で独自性の高い、唯一無二の設計プランの実現が可能に。

ただし、施工は別の工務店に依頼をする形が多いので、コストが割高になってしまうということも。

その分、施主と工務店の間に入り、施主に代わって工事監理をしてくれ、追加変更工事が発生してもスムーズに増減金額をチェックしてくれるので、スムーズに家づくりを進めることができます。

また、理想を追求すれば費用が当初の想定を超える可能性も考えられます。

そのため、事前に上限予算を伝えておくことが非常に重要となります。限られた予算の中で可能な限り要望を叶えるためのアイデアや代替案を提案してもらえることも。

間取りはもちろんのこと、暮らし方の工夫やアイデアをたくさん持っており、デザイン力が高いことから個性豊かなオーダーメイド住宅を実現します。

概算見積もりとラフプランは
3社から取ると相場観も身につき
比較検討がしやすい

依頼先の候補が絞り込まれたら、検討のたたき台となる概算見積もりとラフプラン(大まかな設計図や計画案のこと)の作成を依頼するのが一般的です。

注文住宅の場合、詳細な見積もりが出てこないケースがほとんどです。 特にフルオーダーの注文住宅を建築家(設計事務所)に依頼する場合は、ハウスメーカーのような規格がないため、最初は大まかな予算感から概算見積もりをもらって比較検討することになります。

概算見積もりでまず確認することは、予算内に収まっているかどうかです。

もし予算を超えているようなら、必ずその理由を聞いてください。その理由によっては、優先順位が低い内容であれば譲渡し、予算内に収めることが可能になります。

ラフプランの確認については、伝えた要望がしっかりと反映されているかどうかをチェックしましょう。

自分たちで確認できるように、依頼する前にデザインや間取り、設備等に関する要望を整理し、可視化しておくことがスムーズな家づくりにつながります。

また、入居後のメンテナンスや保証体制が整っているかどうかも重要なポイントです。

入居後、何カ月目、何年目にどのような定期点検が行われ、費用がどの段階からいくら必要になるのか確認しておきましょう。

依頼先を選ぶときは、初めから1社に絞り込んでしまわずに、複数の会社に相見積もりを行うことが重要です。

数社の見積書を比較すれば、相場観をつかむことにもつながります。

それらのやり取りを通じて、担当者についても見極めておきましょう。 コミュニケーションがうまく取れない担当者の場合、要望を正確に理解してもらえず、希望しているものと違う提案が出てきてしまうという話はよく耳にします。

また、いくらラフプランや概算見積もりが素晴らしくても、担当者と円滑にコミュニケーションが取れず不信感を抱いてしまうと、後々トラブルに発展する可能性もあります。

注文住宅で失敗をしないためにも、基本的なポイントをしっかりと学んだうえで、依頼先とのやりとりを行ってみましょう。