2025.09.05
今回は、家を建てる前に行う4ステップの3番目の行程である「間取り〜設備決め・契約」の設備の選び方編です。その中でも家族の元気の源となるキッチンについて解説します。
自分たちの思い描いた家を建てられる注文住宅ですが、見落としがちなのが、この住宅設備決めについて。
キッチンやトイレ、浴室はもちろんのこと、窓、ドア、ドアノブ、床材、屋根材、壁紙、手すりなど決めることが多々あるのがこの行程。
迷いやすかったり、後悔したり、揉め事になったり……
実は家づくりにおけるストレスを感じる行程でもあります。
そこで、ここでは利用頻度の高いキッチンに絞って解説します。
キッチンは、今やただ調理をするという役割だけではなく、家族とのコミュニケーションの場や子育てなど、その役割が多様化している場所です。 それに呼応するよう様々なレイアウトが誕生していますが、今回は大きく対面式と壁付け式の2種類に分けて紹介します。
キッチンの正面にダイニング・
リビングを配置するキッチンのことです。
開放感がある、家族とのコミュニケーション
が取りやすい、小さな子どもに目が届き
やすいといったメリットがあります。
デメリットは煙や臭いがリビングに広がり
やすい、調理中の手元が丸見えになる、 スペースが必要といったものが挙げられます。
対面式キッチンの代表的なレイアウトは、
2列型、L字型、コンロ・シンク・調理スペースが壁から半島のように突き出ているペニンシュラ型、コンロ・シンク・調理スペースが壁から離れて配置されるアイランド型などがあります。
対面式キッチンは、自由度が高くなる分、費用が高くなる傾向にあります。
文字通り壁を正面にして配置するキッチン
のことです。
日本で昔から採用されてきたキッチンの
スタイルで、馴染みが深い人は多いのでは
ないでしょうか。
空間の面積を有効活用できることから、
近年再び注目が集まっています。
集中して料理ができる、収納が作りやすい、
煙や臭いが広がりづらいというメリット があります。
デメリットは圧迫感を覚えることや家族とのコミュニケーションが取りづらいという点が挙げられます。
壁付けキッチンの代表的なレイアウトは、I型、2列型、L字型、U型の4種類。I型はコストが抑えやすい、2列型やL字型は対面式のメリットを踏襲できるといった特徴があります。
キッチンのレイアウトを決めたら、各パーツを決めていきます。
まずは料理の中心となるコンロです。
最近は手入れのしやすさや、安全性などからIHクッキングヒーターを導入される人も増えています。
中には電子レンジの機能が合わさった高機能のものも登場しています。
夏場も暑くなりにくいというメリットがある一方で、初期費用が高くなる傾向にあることや、使用できる鍋やフライバンの素材が限られるというデメリットも。
ガスコンロは、停電時でも利用できるというメリットや使える調理器具が多いというメリットがあります。ボタン一つで本格的な料理が出来上がるオートメニューなどを備えているものも。
料理を楽しみたいという人だけでなく、料理を時短したい人もどんな機能があるのか調べてみましょう。
それと忘れがちなのが棚など収納スペースに使われる扉材です。
占める面積が広いため、空間全体の印象を大きく左右します。
豊富な色や柄の中から選ぶことができ、加工によって様々な質感を楽しめる「化粧シート」、自然素材の味わいを楽しめる、落ち着いた安定感のある雰囲気の「無垢材」、スタイリッシュな印象を与える「ステンレス」などがあります。
色だけでなく素材や質感も多様化しており、中には100種類以上の扉材から選べるシステムキッチンもあるほどです。 カタログだけでなくショールームでサンプルを目で見て確かめるといいでしょう。
ここからはおすすめの設備を紹介します。
食器を入れ、スイッチひとつで洗浄から
乾燥まで終えてくれる食器洗い乾燥機。
家事の時短、節水、高温で洗うため除菌
ができて衛生的といったメリットがあります。
他にも「手荒れの心配がなくなった」
という声も。
ビルトインにすることで後から設置するより も場所を取らないというメリットもあります。
一方で、「食事の時間がバラバラで食器を洗うタイミングが合わない」など、ライフスタイルや家事をする頻度によっては、手洗いの方が便利だと感じるケースもあります。
設置を考える際は、自分たちの生活に合うのかもチェックしましょう。
タッチレス水栓はセンサー水栓とも呼ばれ、
水栓に付いているセンサーに手をかざすだけで
水を出したり止めたりできる便利なもの。
従来の水栓のように蛇口をひねる必要がない
ので、生肉や生魚を触ったりする調理中でも
衛生的に使用ができます。
さらに、蛇口の操作で水浸しになりやすい
水栓やその周辺を清潔に保つことができるため、 掃除が楽になるというメリットがあります。
また、無駄な流水を防いでくれるので節水に。小さな子どもからお年寄りまでどの世代の方
も使いやすく、様々なデザインの中から選ぶことができます。
ディスポーザーとは、キッチンの排水口に取り付ける生ゴミ処理装置のこと。
生ゴミを砕いて水に流してくれるので、生ゴミを溜めることがなく、可燃ごみの量を減らすことができます。調理中の生ゴミはそのまま排水口に流せるので、三角コーナーが不要となり、気になる生ゴミの臭いに悩まされることもありません。特に臭いが発生しやすい夏場には重宝します。 シンク下に設置することになるため、サイズによっては収納スペースが少なくなってしまうというデメリットも。
浄水器付水栓とは、浄水機能を水栓に取り付けたもの。この機能を付けることで、ペットボトルの購入やウォーターサーバーの設置が必要なくなるというメリットがあります。後付けできるものもありますが、設置スペースが必要になる可能性も。新築の段階での導入検討をおすすめします。
作り付け収納を多く設置すれば、大きな食器棚を別途購入する必要はなくなります。
シンクやコンロの下にある収納スペースは、開き戸式のものが一般的でしたが、最近は引き出し式の収納が増えつつあります。
引き出し式のメリットとしては、開き戸式に比べて収納力が高いこと。
また、開き戸タイプと違い、奥に入れたものが見やすい、取り出しやすいというメリットもあります。収納効率も高いため、シンクやコンロ下のスペースを最大限活用できます。
今回紹介したものは、数あるキッチン設備の一部です。
忙しい現代人にとって家事効率を高めることは、家族の幸せにつながります。 みんなが笑顔に過ごせるよう、使う人のイメージを膨らませて取捨選択をしましょう。