HOUSE-KT

HOUSE-KT(加藤小屋)は〝低予算〟で〝居住期間限定〟の〝仮住まいの自邸〟を設計するプロジェクトです。

将来、妻の実家の敷地に住まうことは、確定しているものの、まだ新居を建てる状況ではない。それならば、敷地の一角に必要最低限の予算で、子供が大きくなる迄の一定期間を過ごす為に仮住まいを建築し、居住期間終了後は、他用途(設計事務所・ピアノ教室・ヨガ教室・店舗等)として転用してみてはどうか。と考えはじめたことがプロジェクト発足のきっかけでした。

当初は、予算を500万円と大きく振り切った設定としていましたが、ある程度の住環境を整えようすると厳しい金額だった為、若干ですが予算を上げました。諸事情により金額は伏せますが〝低予算〟の範囲に入ることは間違いありません。(金額のみをお伝えしてしまうと誤解が生じる可能性がある為、直接お問合せ頂ければ、説明と併せて金額をお伝えさせて頂きます)

多くの調整事項や検討事項ある中で3つのコンセプトを念頭に置いて設計を行いました。

1.必要最低限を再試行する
振り切った予算の中で、1家族が生活をする必要最低限の面積、ヴォリューム、機能は、一体何なのか。当たり前を疑いながら再試行していく必要があると考えました。寝室でも廊下でも玄関でも1から考え直してみることによって最少最適寸法が見つかるかもしれません。
我が家は、夫婦+男児2人という4人家族ですが、結果として約9坪の平屋というかたちになりました。必要最低限の玄関・LDK・寝室・水回り・ワークスペースというシンプルな構成です。多くの可動棚を設け、ある程度の収納量は、確保しましたが、それでもやはり足りないと考え、隣接している妻の実家や祖母の家に季節ものや使用頻度が低いもの、私の仕事の資料等を間借りして収納しています。〝仮住まい〟しながら〝借住まい〟している感じです。

2.〝ダサかっこいい〟魅せ方
予算からみて、高級材料や設備を使用すること等、到底できません。安価な材料や設備等をどのように魅せるかが重要になります。そこでテーマとしていることは〝ダサかっこいい〟です。チープだけど良いデザイン・チープだからこそかっこいいもの。世の中には多く存在しています。造り方や素材選び、設備選びを工夫し〝ダサかっこいい〟の集合体を〝かっこいい〟と魅せれるよう思案しました。
結果として内装は、床、壁、天井、棚、キッチンカウンター等、全て構造用合板としました。他の設計した住宅でも使用してきましたが、木目の強さや色味等の要素が多い為か、何を置いても何となく絵になり、生活感が出ることや部屋が乱雑になっても、あまり気になりません。外装は、ガルバリウム鋼板のGL生地としました。GL生地とは無塗装板なのですが、多少安価になることと〝経年変化で酸化し色がくすんでいく鉄板〟という特徴が面白いと思い、採用しました。

3.可変性のある構成
限られたスペースの中で何かを固定すれば固定する程、窮屈になってしまいます。絶対的に固定しなければならないものは何なのか、また、移動可能なものは何なのか。既成概念を疑いながら、それらの振り分けをしていく必要があると考えました。テレビも、クローゼットも、寝室も、場所を予め決定しなくても大丈夫かもしれません。
可変性については、建物自体のテーマでもあります。居住期間限定の住宅なので、期間終了後、他用途(設計事務所・ピアノ教室・ヨガ教室・店舗等)に転用できるよう、可変性に富んだ構成にする必要があります。少し手を加えれば建物の用途が変わる。そんな建築を目指しました。
固定されているものと言えば、水回りくらいでしょうか。寝室として小部屋を設けましたが、ガランドウの部屋なので他の用途に転用可能です。LDKには可動棚を多く設け、収納等に利用しています。それら可動させることによりレイアウトの変更が可能です。現在は、クローゼットや子供の机も可動棚を転用しています。

〝絶対決めなければいけないこと以外は決定しない〟という簡易な実験も試みました。全て構造用合板ですから、後付けで色々設置が可能な為、住んでから「ここに何かほしいな」とフックや棚等を取り付けていき、カスタマイズしながら生活をしています。
基本的に仮住まい終了後は、N.A.Oの事務所として転用することを考えているのですが、それ以外の用途にも転用が可能なよう、構造を全て外壁側で成り立たせ、内部には柱を一本も建てない構成としました。内壁は全て取り壊しても構造上支障がないため、大幅なレイアウトの変更が可能です。

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