駅から離れた住宅街に建つ、集合住宅の計画。
1面接道の南北に長い敷地に、要求された住戸をそのまま並べた場合、全面道路までの敷地内通路や、奥の住宅にアプローチする廊下が長くなり、かなり非効率なプランとなる。避難経路の規制を読み解き、中央に中庭を設けることで、廊下をコンパクトにし、さらに敷地奥の住宅に日当たりと風通しが良くなるように計画した。車どおりの少なくない全面道路に対し、遮音とプライバシーを考慮し最小限の開口部を設け、一方で中庭に向かっては最大限の開口を設けた、内向きの建築となっている。
容積率を満たすために1住戸のみルーフバルコニー付きとするなど、時には法律と向き合い、時には法律をコントロールすることで、住環境の向上に努めた。
撮影:Masato Chiba