オシャレでカッコいい「スキップフロア特集」の第4弾!
2階建てなのに、4~5層の床面がある間取りを実現できる「スキップフロア」。
ファミリースペース、書斎、お子さんの遊び場としてなど、ムダのない巧みな空間設計で、狭小地でもゆとりある生活空間づくりを可能にします。
そんな「スキップフロア」を、最大限に活かした建築実例をご紹介します。
ぜひ、みなさまの自分らしい家づくりの参考にどうぞ。
防火地域の10坪の土地に豊かな空間を 不可能を可能にした「天空の光庭」という発想
東京都新宿区 / 新宿の家 -隙間の光明-
Oさんと対面した小林さん、この土地の第一印象として「10坪しかない土地で床面積を確保し、窮屈さを感じない家とするか、さらには光をどうやって取り入れるかが、カギになる」と感じたという。
この難問を解決する方法として小林さんが思いついたのが「スキップフロア」だ。スキップフロアとは、1.5階や2.5階といった段差のあるスペースをつくることで、上下階をシームレスに繋げる手法。
スキップフロアとすることで、上下階方向に視線の抜けができる。それにより実面積以上の開放感を得られる。また、上部からの光を下へ降ろすことができ、少ない窓を有効活用できる。さらには、天井や床下に収納を確保できるというメリットがある。
将来は店舗、文化教室、事務所にも変更可能
ライフスタイルの変化を想定した2世帯住宅
神奈川県藤沢市 / 鵠沼の家
子世帯は道路側に配置することとなったが、その位置には敷地の高低差が約1.2mあった。そこで採用したプランは、スキップフロア。無理に整地せず、法的な制約もクリアできる合理的なものとした。
変形敷地への対応も、その現況に抗うことなく、柔軟にその特徴を活かした。親世帯の建物と子世帯の建物を敷地の形状に合わせ、角度をつけて配置。結果として、親世帯と子世帯の建物は採光やプライバシーの面で問題がなくなった。
ネガティブ要素を逆手に取り唯一無二の家に この条件だからこそ実現した開放感
神奈川県 鎌倉市 / 鎌倉山の住宅
「高台からの眺望を生かし、開放感がある室内空間」「自然を感じられる住宅」との要望を受け、1階に寝室や子ども室、水回りを配置。2階は確実に眺望を確保するため、プランニング前に現地に赴き、美しく山並みが見える床の高さを確認。そのうえでスキップフロアを採用し、リビング、和室、キッチン、ダイニングがらせん状に繋がる計画とした。
玄関を入りダイニングまで進む間、伸びる視線の先々に窓を設け開放感を演出。木々が生い茂る様子や一面に広がる空など、魅力の異なる景観が楽しめる。とりわけ、リビングとダイニングに面した南側の大開口には、外部の光や空気を丸ごと家の中に取り込むような魅力がある。
家の中心から外へ伸びるスキップフロア。
空間を仕切ることで実現した広がりのある家
北海道江別市 / □house
「平屋を希望されていたのは、階段の上り下りが将来きつくなるのでは、との不安からでした」と神谷さん。「段差が少ない家」というイメージを汲み取り、提案したのがスキップフロアだ。
まず、1.5階といえる位置にリビングを配置。1階には個室やストレージを、リビングの周辺には水回りや和室を、細かく高さを変えながら設けた。生活の中心を家の真ん中に置き、1階・2階ともに動線に回遊性を持たせているおかげで、家の中の移動が容易い。なお且つ1階とリビングを繋げる階段もそれぞれ複数の方向からアクセスできるため、屋内は8の字を書くように結ばれている。本当に「リビングから家中に」動きやすいのだ。
薪ストーブの周りを部屋が囲む 家族がほどよくつながるスキップフロアの家
奈良県奈良市 / 登美ヶ丘の住宅
そんな荒谷さんが、思いついたのが、家の中心に薪ストーブを据え、その周りを階段で取り囲み、部屋を配置するスキップフロアの家。これであれば、建物のボリュームが減った分予算内に収まるし、その分庭も広く取れる。また「地面に近い書斎」も半階分下ることで作ることができるのだ。
さらには、家全体が1つの空間となることで、家族が適度につながるほどよい距離感となる。視線が変化することで高さを感じたり、明るさや開放感も感じられる空間となる。また、冬場は薪ストーブの熱が家全体に行き渡り、夏は重力換気により、窓を開けることで家の中を風が抜けていくのだ。