2025.09.12
今回は、家を建てる前に行う4ステップの3番目の行程である「間取り〜設備決め・契約」の設備の選び方編です。 前回のキッチン編に続いて、バス、トイレ、洗面所の水回りを中心に解説します。
前回は家族の元気の源であり、コミュニケーションの場として活用されることの多いキッチン周りの設備について解説してきました。
今回はそれ以外の主要の場所であるバスやトイレなどの水回り設備やその他の設備について紹介します。
帰宅後すぐにお風呂に入りたい人や仕事で帰りが遅くなってしまう人、お風呂は朝入りたいという人など、家族で入浴する時間がバラバラという家庭も多いのではないでしょうか。その都度追い焚き機能を使用していると、思った以上に光熱費がかさんでしまうというケースも。
最近のシステムバスは、追い焚きの回数を減らせる高断熱浴槽が登場しています。
このような浴槽にしておけば、数時間たっても温度低下が少なく、追い焚きする回数を減らすことが可能になります。
また雨が続く梅雨時や、花粉が多く舞う春、真冬の曇りの日など、洗濯物を外に干せない時にあると便利なのが、浴室暖房乾燥機。
部屋干しだと発生しやすい生乾きのニオイの発生を防ぐことができます。
バスルームは性質上、湿気が溜まりやすい場所。浴室暖房乾燥機を使うことで、浴室内を乾燥させ、カビを防ぐ効果も。
その他、水はけがよく乾きやすい樹脂素材やタイル素材等の床材や、気温の変化によって血圧が上下し、心臓や血管の疾患が起こるヒートショックを防ぐために、床断熱を標準仕様としているシステムバスなども登場しています。
バスルームは家族がリラックスできる大切な場所です。 予算と照らし合わせながら、家族に合う設備を選びましょう。
続いてはトイレについて。
少ない洗浄水量ながら汚れを洗い流して
くれる節水型が最近の主流になっています。
トイレ内のデザインにもこだわりたい場合
やトイレ内が狭い場合は、洋式便器の後ろ
にあるタンクを外したタンクレストイレが
おすすめ。
流線型のデザインにより、継ぎ目や段差が
少なく、掃除がしやすいというメリットも。
その場合、トイレ内に手洗いカウンターを
設置して、すぐに手を洗えるようにしてお
くのが望ましいでしょう。
トイレ掃除でネックとなるのが、汚れが溜まりやすいフチ裏。
トイレ掃除を少しでも楽にしたいという人は、フチなし便器を選ぶのがおすすめです。
その他、フタが自動開閉するなど高機能タイプも出ています。 メーカーによって機能や性能が異なるため、情報を集め比較検討をしましょう。
日常の身支度や手洗いのほか、洗濯や脱衣のスペースなど、洗面所はさまざまな役割を担っています。
そのため、十分な広さを確保することがストレスなく使えるポイントです。
洗面所は家族のプライベート部分ですが、客人が利用するスペースでもあります。
特にコロナ以降、手洗い・うがいをすることが習慣化してきた影響もあり、洗面所は客人がリビングよりも先に目にするスペースに。
だからこそ、極力スッキリさせておきたいところですよね。
そのためにも、引き出しなどの収納スペースを作っておくことがおすすめです。
洗面台の上に物を置かないことで掃除もしやすくなるというメリットも。
ご家族が多い場合はスペースを広めに
取り、洗面ボウルを2つにすると、
朝の慌ただしい時間もみんなが快適に
使うことができます。
意外と見落としがちなのがコンセントです。
ドライヤーや電動歯ブラシ、洗濯機など、
多くの電気製品を使用するのが洗面所。
コンセントの数が少ない場合や取り付ける
位置が悪いと使い勝手がよくなく、
見た目にもごちゃごちゃしてしまいます。
また洗面所は、湿気や汚れ、水ハネなどにより床が汚れやすい場所でもあります。掃除のしやすさや耐久性のある床材を選んでおくのもいいでしょう。
最近は洗面所と脱衣所を別にするケースも増えています。洗面所を自由に配置できる点や脱衣所に人が入ってくるのを防げるというメリットがあります。
その他の設備についても解説します。
玄関周りで利便性が高いのが、玄関ドアのスマートキー。
リモコンやカードなどを使い、玄関ドアに触れることなく、施錠と解錠ができるため、買い物帰りで手がふさがっている時や小さな子どもを抱いている時、車椅子を押している時などに大変便利です。
また近年、それまで主にマンションなど
集合住宅用に設置されていた宅配ボックス
を戸建て住宅に設置する人が増えています。
再配達の必要がなく配達時間を指定しなく
て済むので、共働き家庭や日中在宅して
いないことが多い家庭などでも安心して
荷物を受け取ることができます。
また快適な居住空間にするために、検討する人が多いのが床暖房。
暖かい空気は上にいってしまうため、エアコンをつけても足元は寒さを感じてしまう人は多いのではないでしょうか。
床暖房であれば足元から温まる理想的な頭寒足熱状態を作り出すことができます。
他にも、エアコン使用時に頭を悩ませる乾燥の防止や、直接火を使わないため小さな子どもやペットがいる家庭では安全といったメリットが。
一方で、ランニングコストがほかの暖房設備と比べると割高な点や、電源を入れてから室温が上がるまでに時間がかかるといったデメリットもあります。
前回のキッチンと合わせて様々な設備を紹介してきましたが、「どれもあれば便利」なことは間違いありません。
しかし、全てを導入していたら資金があっという間に足りなくなってしまいます。
家族のライフスタイルや要望、予算を考慮して、しっかりと優先順位を付けておくことが迷わないコツです。