家づくりの成功は収納プランから!マイホームの利便性を大きく左右する収納のコツとは?

2025.10.24

注文住宅を建てるうえで、収納は非常に重要な要素のひとつです。

今回は注文住宅での収納設置のコツや、よくある失敗例を解説します。

家族のライフスタイルに合わせた収納計画を!
「隠す収納」と「見せる収納」の使い分けも

収納スペースが不足していたり、使い勝手が悪かったりすると、日常生活が不便になり、せっかくのマイホームがストレスの原因にもなりかねません。

しかし、収納は単に「スペースを増やせばいい」というものではなく、生活動線や家族のライフスタイルに合った設計が必要です。

収納を考えるうえで、大切なのが家族のライフスタイルをしっかりと考慮することです。


例えば、こだわりの趣味を持つ人や多趣味の人が家族にいる場合、その道具やアイテムをどこにどのように収納するかが課題となります。

特に昨今のアウトドアブームもあり、キャンプにハマっているという人は多いのではないでしょうか。そうなるとテントなどのキャンプ道具やロードバイクの収納スペースが必要になってきます。

また小さな子どもがいる家庭では、おもちゃやベビー用品を片付けるためのスペースを確保する必要も。

まずは、家族のライフスタイルや持ち物をリストアップし、それに応じた収納スペースを設計することから始めましょう。
誰が、どこで、どんなものを使うのかを整理しておくと、収納の位置や大きさを無駄なく決めることができます。

さらには、将来的に家族構成やライフスタイルが変わったときにも対応できるよう、フレキシブルに活用できる収納スペースを作ることが理想です。

可動棚や仕切りを調整できる収納、空間を仕切らずにマルチに使えるスペースなど、“変化に強い収納”を意識してプランニングしましょう。

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収納には大きく分けて、「隠す収納」と「見せる収納」の2種類があります。

隠す収納は、クローゼットや押し入れのように、物を完全に見えなくするタイプの収納です。

一方、見せる収納は、オープンシェルフやディスプレイ棚のように、インテリアの一部として“魅せること”を意識した収納を指します。

隠す収納

生活感を抑えてスッキリと

隠す収納は、リビングや寝室など、できるだけ生活感を出したくない空間で特に効果的です。
衣類や掃除用具、日用品、食器などを整理してしまい込むことで、部屋全体をすっきりと見せ、落ち着いた印象を保てます。

ただし、隠す収納ばかりに頼りすぎると、「どこに何をしまったか分からない」「出し入れが面倒で使わなくなる」といった不便さを感じることもあります。

見せる収納

魅せるインテリアとして楽しむ

見せる収納は、おしゃれなインテリアや趣味のコレクションをディスプレイ感覚で楽しめるのが魅力です。お気に入りの雑貨や器、本、植物などを見せることで、空間に個性と温かみをプラスできます。

ただし、見せる収納は“見せ方”が大切。
収納ボックスやカゴを上手に使い、色や高さをそろえることで、整然とした印象を保ちながら、美しく見せる工夫をしましょう。

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大切なのは、「隠す収納」と「見せる収納」のバランスを取ることです。

隠す収納だけに頼ると圧迫感を感じたり、どこに何をしまったか分からなくなったりすることもあります。

たとえば、キッチンでは毎日使う食器や調理器具を「見せる収納」にし、リビングでは使用頻度の低いアイテムを「隠す収納」にまとめるなど、部屋の用途や動線に合わせた収納計画が理想的です。

収納を「見せる・隠す」という視点で考えることで、使いやすく、美しく整った住まいを実現できます。

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収納は量や数だけではなく配置場所も重要。
見落としがちな奥行きにも注意を

注文住宅でよくある失敗のひとつが、「収納の配置ミス」です。

たとえ十分な収納スペースを確保していても、使い勝手の悪い場所に収納があると、結局は不便な生活を強いられてしまいます。

例えば、外出前や帰宅時に「バッグや帽子、上着などを取りに行く・片づけるのが面倒…」と感じたことはありませんか?

玄関近くに収納スペースを設けておけば、そうした小さなストレスを減らし、スムーズに出かけられる動線をつくることができます。

また、キッチンに収納が少なくて調理道具が取り出しにくい、洗面所にタオルや洗剤を収納するスペースがなくて不便——そんな声も少なくありません。

このような問題を防ぐためには、「生活動線」をしっかりとシミュレーションし、実際の暮らしをイメージしながら収納の配置を検討することが大切です。

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もうひとつ、見落としがちな落とし穴なのが「収納の奥行き」です。

奥行きが深い収納は、多くの物をしまえるというメリットがある一方で、奥にしまった物が取り出しにくく、結果的に“使いにくい収納”になってしまうことがあります。

特にクローゼットやキッチン収納で、この問題が起こりやすい傾向があります。

対策としては、奥行きのある収納には引き出し式の棚やスライドレールを取り入れるのがおすすめです。
奥にしまった物も簡単に取り出せるようになり、使い勝手が格段に向上します。

また、収納の奥行きは「何を収納するか」によって最適なサイズを選ぶことが重要です。

衣類やタオルなどは浅めの引き出しで十分ですが、大きな家電や掃除道具を収納する場所には、ある程度の奥行きが必要になります。

収納の目的に応じた“奥行き設計”を意識しましょう。

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注文住宅の収納設計は、家の快適さに直結する重要な要素です。

家族のライフスタイルに合わせた計画的な収納設置が、住まいの秩序と快適さを保つカギとなります。

収納スペースが多すぎたり少なすぎたりする失敗や、配置ミスを防ぐためには、生活動線をイメージしながら間取りをシミュレーションすることが大切です。

日々の使いやすさを意識した収納設計で、「片づけやすく、暮らしやすい家」を実現しましょう。