2025.08.29
今回は、家を建てる前に行う4ステップの3番目の行程である
「間取り〜設備決め・契約」の中でも、間取りについて解説します。
家づくりにおいて間取りを考える行程は、夢が広がり気持ちも高まり、楽しいと思う人は多いと思います。
特に注文住宅は、自由に間取りを決められるのが魅力です。
しかし、その分、どうやって決めたらいいのかわからないという声をよく聞きます。
思い描いた間取りの家を建てたはいいものの、実際に暮らしてみたら後悔することが続出したというケースも。
そこで今回は、間取りの決め方や失敗しないための注意点を紹介します。
最初に行って欲しいのは、家族の希望はもちろんのこと、ライフスタイルを整理することです。
せっかく自分たちの夢をカタチにするわけですから、
「お洒落な広々としたキッチンにしたい」
「ウォークインクローゼットが欲しい」
など、希望はどんどん出していきましょう。 しかしそれだけで間取りを決めてしまうと、暮らしづらい家になってしまうことも。
そこで重要となってくるのが
ライフスタイルです。
家族や住む人の人数は?
仕事は在宅が中心か?
残業で帰りが遅くなることは多いのか?
キッチンは誰が使うのか?
朝の忙しい時間に洗面所を使うのは何人か?
など、ライフスタイルから実際に
その家で暮らす行動パターンを踏まえて 希望条件を整理しておきましょう。
その際に、注文住宅の施工事例を参考にしながら実際に生活するイメージを膨らませてみるのもおすすめです。
また見落としがちなのが、将来のライフスタイルについてです。
子どもの成長や子どもの数の増加、親の介護や老後の暮らしなど、将来の暮らし方についてもイメージしておきましょう。
それらが整理できたら優先順位をつけていきます。
どうすれば家族全員の希望をかなえることができるのか、しっかりと話し合うことが大切です。
希望条件の整理ができたら、次は実際に間取りを決めていきます。
まずは間取りのゾーニングからスタートするのがおすすめです。
ゾーニングとは、用途や機能ごとに分類しながら間取りを配置していくこと。
ゾーニングは、下記の4つに分けて考えてみましょう。
1. リビングとダイニング、キッチンなど家族が集まる「パブリックゾーン」
2. 寝室や子ども部屋、書斎などの「プライベートゾーン」
3. 浴室とトイレ、洗面所などの「水回りのゾーン」
4. 廊下、階段などの「通路ゾーン」
その中でも家族が長い時間を過ごし、時には来客を招き入れるスペースでもあるパブリックゾーンから考え始めるとスムーズにゾーニングが進められます。
たとえばリビングは、家族がくつろぐ場所です。そのため、採光や通風は気になりますが、いくら日当たりが良くても外からの視線が感じられるとくつろげません。そうなると自ずとリビングの配置は決まってきます。
このように利用頻度の高い場所からゾーニングしていくことで、他のゾーンの位置が決めやすくなります。
ゾーニングを終えたら、それをもとに細かい間取りを決定していきます。
注文住宅の間取りで失敗しがちなのが、
生活動線と家事動線の悪さです。
たとえば、浴室と洗濯機が配置されている
場所から干す場所が遠いと、
家事効率が下がってしまいます。
ファミリークローゼットやシューズ
クローゼット、パントリーなど広めの
収納スペースを家事動線の近くに 設けると家事効率はUPします。
家族の生活時間が異なる場合は、浴室も使用する音が気になることがあるため、寝室の隣には配置しないほうが望ましいでしょう。
トイレの配置は音とにおいに配慮する必要があるため、リビングから少し離れた場所、かつ玄関から遠すぎない場所にするのがおすすめです。
来客時の動線や家族のプライバシーについても考慮が必要となるでしょう。
先述したように、間取りを決める際には今だけではなく将来も見据えなければなりません。
キーワードは「フレキシブル」に使えるかどうかです。
例えば子ども部屋は、最初から個室にして用意するのではなく、広いワンフロアの子ども部屋にして、子どもが増えたとしても間仕切りを入れて2部屋にできるようにするなど、可変性のある間取りにしておくと、将来的にも使い勝手の良い空間になります。
また老後のことを考えて、段差のないバリアフリーや車いすでも移動できる幅の広い廊下を設けるなどの配慮も忘れないようにしましょう。
家族みんなの理想を追求できる注文住宅。 快適性や利便性、将来性と幅広い視点を持って家族で話し合い、理想の暮らしを実現できる間取りを考えましょう。