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東京都狛江市の認可保育所の計画。計画地は駅から徒歩20分弱。周辺は戸建住宅やアパート等の低層建築と、小学校や市民農園等の大きな空地で構成されている。
敷地は南北に細長い形状で西・南側は道路、北側は戸建住宅、東側は市民農園に接している。私たちは敷地形状や周辺環境を踏まえて細長い平屋の園舎を配置した。また園舎を道路側に寄せて、市民農園と視覚的に連続するよう東側に園庭を設けた。
前面道路が狭く、ブロック塀が建ち並ぶ無機質な街並みに潤いを与えられるよう、玄関前には街に開いたポケットパークを設け、沿道にもたくさんの緑を配した。またポケットパークを設けて平面を雁行させることで、38mにも及ぶ長い壁面を分割することができ、ギザギザ屋根とあわせて特徴的な輪郭が完成した。
外壁には堅牢で美しいエイジングが楽しめるレンガを用いた。粗い面状のレンガを凹凸のある積み方としたことで、豊かな表情をつくりあげた。穿たれたランダムな開口からは、昼は子どもたちが外の景色を眺め、夕方は子どもたちが保護者を迎え、夜はほのかな灯りを街に提供する等、１日を通じて様々に変化するファサードとなった。
平面は中央に遊戯室を据え、片側は乳児エリア、もう一方は幼児エリアに分散して配置した。屋根勾配にあわせてギザギザにした天井には各部屋のスパンにあわせて架けた屋根の架構が露出する。調弦梁、樹木、集成材、ルーバー、丸太と変化し、各保育室の個性を強調した。また保育室の腰上をガラスばりとすることで、すべての保育室が一望できるつくりになっている。
一方、廊下の壁・天井は漆喰で仕上げた。出隅入隅を丸めることで、保育室内とは雰囲気を変え柔らかな表情とした。
撮影：黒住建築写真事務所 黒住直臣（KUROZUMI NAOOMI）
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