「眺望は良いが、どこか居心地が良くない」。築23年のマンションを訪れた建築家・矢嶋宏紀さんは、いくつかの違和感を察知した。定年を迎えたMさんご夫妻が求めたのは、断熱・眺望・団らんを叶える終の棲家。矢嶋さんは、居心地の悪さにつながる既存マンションの難点を、一つ一つ丁寧に改善することで、眺望を楽しみながら心地良く暮らせる住まいへと一変させた。施主の想像をはるかに超える出来栄えに、家族の絆も深まる家が誕生した。
幼少期の頃から絵を描いたり、工作が好きだったため、高校生の頃におぼろげに決めた進路が建築学科でした。大学で初めて建築家の存在を知り、とてつもないエネルギーを注いで建築をつくる職業に憧れたことから卒業後は、建築家 関本竜太氏のもとで修行を重ねました。数十件の案件の担当を経て、さらなる当事者意識をもって建築に向き合うため、また自らのデザインを直接届けたいという思いから独立を決意し、現在に至ります。仕事に対しては素直に、誠実に日々努めてまいります。
建築家の詳細
3方の窓に造作内窓を設置、景色を切り取り、視界に余計なものを入れない。西側には広いデスクを造り付けて、夫婦で利用できるワークスペースを生んだ。またハニカムスクリーンも設置され、さらなる断熱効果や西日対策に。
個室を改装し、シームレスにつながるリビングに。ベランダへ続くドアにも造作内窓をつけ、ベランダが目に入らないように窓を絞った。エアコンを格子で目隠しするなど、心地良さを損ねない細かな配慮も。
ダイニングとシームレスにつながるリビングは半個室で、こもり感と落ち着きのある居場所。
リビングには、飾り棚兼ベンチや、息子さんが選んだ椅子も。本棚には美術書が置かれ、読書コーナーにもなるほか、ディスプレイとしても活用されている。
オープンなキッチンとしたことで、作業をしながら遠くの景色を楽しめる。回遊動線で使い勝手も良い。キッチンはIHや食洗器を仕込んだ造作のオリジナル。手元の雑然としたものをダイニングに見せないよう、カウンターを立ち上げている。
閉鎖的だった以前のキッチン。景色はおろか、ダイニングにいる人の顔もあまり見えない構造だった。
手元を隠すカウンターにより、キッチンの雑然とした様子が見えないダイニング。キッチン本体と壁面収納の材質を揃えることで、ダイニングから見える空間を美しく整え、統一感のある落ち着いた居場所に。
洗面室は、脱衣所から独立させることで、浴室の湿気が漂わない。またパブリックな場所にできるため、来客時も利用しやすい。下部を収納とせずオープンにすることで、お掃除ロボットの基地にもなっているという。
トイレの扉の上部は在室がわかるようガラスに。この奥に、キッチンへと回遊できるクローゼットを設置。日常使いの道具の収納やパントリーとして重宝するスペースだ。
撮影:
幼少期の頃から絵を描いたり、工作が好きだったため、高校生の頃におぼろげに決めた進路が建築学科でした。大学で初めて建築家の存在を知り、とてつもないエネルギーを注いで建築をつくる職業に憧れたことから卒業後は、建築家 関本竜太氏のもとで修行を重ねました。数十件の案件の担当を経て、さらなる当事者意識をもって建築に向き合うため、また自らのデザインを直接届けたいという思いから独立を決意し、現在に至ります。仕事に対しては素直に、誠実に日々努めてまいります。
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