敷地は神戸市郊外の住宅地の一角にあります。広い敷地にゆったりと住宅が建ち並ぶ、空が広いのどかな場所です。そんな敷地に木造2階建て、建築面積19.9坪、延べ床面積36.7坪の家を計画しました。
プランニングの過程でもっとも意識したのは3点。敷地内にご両親が住む住宅があり、とくに南側の庭はお互いに気を使いながら交流する空間となること、一方、敷地の西側には川が流れ、対岸隣地建物までの距離がそれなりに確保でき、またそれらの建物も川に対して背面で接しているため、プライバシーの確保がしやすいこと、旗竿地であるため、街路から見える建物の範囲が非常に限られていること、です。これらをはじめ、多くの敷地環境や課題を丁寧に読み解き、その特性を最大限活かしていくことで、この〈かたち〉が浮かび上がってきました。
テーマは〈川沿いの二世帯住宅〉。空の広い川沿いの環境を生かし、世帯間で分断することなく/適度なプライバシーを保ちながら、ともに暮らしていける二世帯住宅。二世帯住宅の難しい部分を極力排除し、良い部分だけを抽出したような計画をめざしました。
撮影:Akiyoshi Fukuzawa