広島県廿日市市に、独創的な手法で改修された邸宅が誕生した。瀬戸内海や宮島を眺めることができる丘の上に建つ、築34年の民家。最大の特徴は、“リフォームとリノベーションの融合”とも言える手法を採用した点だ。既存家屋の長所を活かす改修を実現した、この作品をご紹介しよう。
この建築家にリビングから見たダイニング・キッチン方向。既存の天井の一部を開口部とし、立派な小屋裏を見せる。障子は既存の桟を活用。床は肌触りが良いサイザル麻カーペットを採用した
ダイニング・パントリーの壁は焼杉を使用。瀬戸内の島で、外壁材として使われてきた素材だ。色のアクセントとなるだけでなく、柔らかく外光を反射し、外の気配を感じることもできる
とても横幅が長い、造作キッチン。白いタイルは清掃のしやすさだけでなく、マットな
他の素材との対比を狙った。換気扇は天井に組み込まれ、すっきりとした空間に
リビング。窓の外に見えるのは庭と玄関。ソファも造作でサイズを合わせ、配置されている。天井の開口部がほぼLDKいっぱいに広がっていることがわかる
リビングの障子は完全に引き込むことができ、全開にすると庭の緑を楽しむ事が可能だ
撮影:足袋井竜也