雨と陽射しを受け止め、心地よさを生み出す 「軒の深い家」特集

技術の進化や住環境の高性能化が進み、住宅のかたちはますます自由になった現代においても、
変わらず大切にされ続けている建築要素があります。それが「深い軒」です。
強い日差しをやわらかく受け止め、雨をしのぎ、内と外をゆるやかにつなぐ軒。
室内でも庭でもない、その中間にある空間が、暮らしにゆとりと広がりをもたらします。
外観に落ちる美しい影、軒下に生まれる居場所、そして快適な室内環境。  
ここでは、そんな「軒の深い家」をご紹介いたします。

深い軒が生み出すコミュニケーションと 庭の景色を楽しむ唯一無二の家

島根県江津市 / WAKI H

施主は70代の夫婦。100歳を超えるお母様も快適に暮らせ、ときには家族や友人なども集まれる、人生の最終章に彩りを与える家づくりを任せたのは、自然や周囲の街並みと調和し、カタチとしての美しさだけでなく、心さえも動かす建築家、高橋翔太朗さんでした。

通り土間で居場所を増やし、家をひとつに。 風が気持ちよく抜ける、深い軒がある家

佐賀県佐賀市 / 佐賀の家

和モダンな雰囲気を持つ家を新築したいと考えていたお施主さま。依頼を決めたのはこれまでも多くの和の家を手掛けた、建築家の湊さんだ。要望を芯から理解し、デザインが洗練されているだけでなく、心地よく風が抜ける光に満ちた家を実現。鍵となったのは通り土間と深い軒、そして吹き抜けだという。

高い「デザイン性」と「機能性」を併せ持つ 大屋根が+αの効果も生む老舗企業の社屋

大阪府大阪市城東区  / gamoyon Art labo|東信洋紙株式会社社屋

シンボリックな大屋根を持つ印象的なこの建物。実はこれはとある企業の倉庫兼社屋。 一級建築士事務所マとバ…の提案した、柱のない大屋根のダイナミックなデザインが、トラックヤードの機能性を高めつつ、コストダウンももたらした。さらに、この大きな軒下空間は、広く親しまれるイベントスペースとしても活用され、地域コミュニティの醸成にも一役買っている。

眺望を味わい尽くす、没入感ある大開口。 構造体を外へ出したシンプルかつ豊かな家

福岡県太宰府市 / 高台の窓と架構

絶景に魅了され、崖の脇の土地を購入されたお施主さま。建築家の中野さんは安全を確保しながら景色を楽しめる家にしようと考えた。また、家具をたくさんお持ちで、魅力的に見せたいというご要望もあり、スキップフロアを採用した開放的な空間をつくり上げた。それを実現したのは「構造体のアウトソーシング」だ。

くの字型で実家の庭や畑を懐に抱く 温かみとモダンさを兼ねた田園の平屋

石川県加賀市 / おまたの家

地方都市では、「注文住宅は住宅メーカーや工務店に依頼するもの」という意識が、都会よりも強い傾向にある。予算やデザインの問題で、思い描いていた家づくりができず、妥協したり諦めたといったケースもあることだろう。施主のYさんもそんな1人。そんな中、Yさんが家づくりを相談したのは、北陸を中心に活動する建築家、ハレ建築デザインの下野さんご夫妻。この相談が、自分達の思いをカタチに変えてくれる結果となった。

豊かな時間を生み出す2つの軒下 暮らしをおおらかに包み込む「大屋根の家」

埼玉県所沢市 / 大屋根の家

絵本から抜け出たような三角屋根、半分ガラス張りの斬新なデザインが目を引くこの家は、建築家の矢島輝さんが設計した店舗併用住宅だ。個性が異なる2つの軒下や開放的な住空間を大屋根で包み込む、おおらかなプランの魅力に迫る。