沖縄・那覇市内に立つこの家は、6人家族のために建築家の小林進一さんが建てたもの。設計にあたり、南北にのびた縦長の敷地と住宅が密集する周囲の環境を見て、小林さんは真っ先にあることを思いついたという。開放感あふれる南国の自然を間近に感じる暮らしをかなえた、その「あること」とは?
この建築家に2階 LDK/吹抜けの広々したLDKは天井高が最大6.7mもあり、抜群の開放感。窓は3階部分まで大きく取ってあり、明るい光と気持ちのよい風がたっぷり入る
2階 北のテラス~LDK/リビングは2つのテラスに挟まれたような造り。1階の玄関から2階へ上がると1つ目のテラス。その先のリビングの奥にもテラスがあり、隣家との間にあるヤシの木を日常の景色として楽しめる。これらのテラスで隣家と距離を取っているため、大きく開口しても外部の視線が気になりにくいという効果も
2階 ダイニング~畳の小上がり/施主さまの希望でつくった畳の小上がり。リビング・ダイニングの一部としてくつろげるほか、来客時の寝室としても使える
2階 LDK/キッチンカウンターの腰壁に床材と同じものを張り、ナチュラルな木目調のインテリアに馴染ませている
3階 廊下/開放的な吹抜けでつながる2階と3階。個室の壁の上部の欄間はガラスがはめ込まれており、室内からの視線が行き止まりにならず空間を広く感じられる。夜は明かりが漏れて気配がわかり、家族の一体感がより高まる。このガラスの欄間は2階の畳の小上がりにも用いられている
道路側からの外観/コンクリートの箱を白い壁でくるんだ個性的な外観は、思わず足を止めて眺めていたくなるカッコよさ。コンクリート部分は、一度焼いて木目を際立たせたスギ板の型枠で固めている。コンクリートに写し出される天然の木目と、なめらかな白い壁との対比が美しい