今回の施主であるKさんが要望したのは、大好きなアートを飾るギャラリーと、四季の自然を楽しめる中庭、そして音楽を聴きながら籠れるバーのある家である。設計を担当したのは、女性建築家の及川敦子さん。Kさんの希望を叶える形で完成したのは、中庭を中心に2階建ての建物と平屋を切妻屋根の平屋で繋ぐ、コの字型のプランの住宅だった。中庭の自然とアートが暮らしに溶け込むK邸の魅力を、詳しくご紹介しよう。
この建築家にダイニングとリビングをつなぐギャラリースペース。正面と左手に飾られている絵画もKさんお気に入りの岡野博氏の絵画作品。右手に見えるのは除湿型放射冷暖房(ピーエス)。ちなみにこの家では次世代省エネ基準をクリアする性能を確保した上で、ここと寝室の2箇所に放射冷暖房を設置し、主な生活スペースの環境を穏やかにコントロールしている
中庭を望むリビングスペース。リビングの後ろには水回りを配置、さらに右に進むとダイニング、左に進むとフリースペースへとつながるコの字構造となっている
1階と2階が一体感を持ってつながるよう、吹き抜けの高さを抑えるとともに、ギャリースペースや階段前のホールも天井を低く抑えているのが特徴