緑豊かな八ヶ岳の自然の中に佇む
家族が集うファミリーハウス

高知県に暮らす施主のIさんご夫妻。ずっと憧れていた山の暮らしを実現すべく、設計を依頼したのは、施主とじっくり対話し、自然環境とマッチした家をつくることに定評のある建築設計SOOの服部さん。土地探しから関わり、つくりあげた八ヶ岳のファミリーハウスに迫る。

この建築家に
相談する・
わせる
(無料です)

土地探しから寄り添い
第二の実家を実現

山梨県北杜市、八ヶ岳南麓の別荘地にその家は佇む。樹々の彩りと調和した建物は、住まう人、訪れた人に安らぎと落ち着きを与えてくれるに違いない。そう思わせる建物をつくったのは、対話を通じ施主とじっくりと向き合い、要望を的確に捉え、自然環境とマッチした建物をつくることに定評のある建築設計SOOの服部さん。

施主であるIさんご夫妻は、高知県在住。長年、海のある町で暮らし「山の暮らし」に憧れを持ち続けていたのだとか。また、子どもたちも独立して東京で家庭をもち、孫もできた。いつしか、家族が集うのは高知だけでなく、東京ということも多くなってきたのだいう。

東京では、なかなか家族全員が集まり、気兼ねなくのんびりと過ごせる場所を見つけるのは難しい。であるならば、東京からもそれほど遠くなく、山の暮らしが実現できる場所に別荘を建て、将来的には夫婦で移住することもできる、そんな家を建てようと考えたのだという。

この家は、家族が集う第二の実家としての役割。将来の移住先としての役割。そして仕事をしている現在は、夫婦2人での宿泊や友人を招いたりして利用したり、東京に住む子や孫も自由に使うという別荘的な利用といういくつもの役割がある。いわば、Iさんご家族にとってのファミリーハウスなのだ。

こうしたIさんの思いを受けて服部さんは、候補地探しから関わった。Iさんと共にいくつかの候補地を見ていく中、出会ったのが東京から車で約2時間。八ヶ岳南麓に位置し、避暑地や移住先として人気の高い北杜市の別荘地だったという。

服部さんが土地探しから関わることは、Iさんに限ったことではなく「一緒に探してほしい」という依頼を受けることも多いのだという。「中古物件を購入される予定のお客様から、『素敵な家にリノベーションできそうか、一緒に見てほしい』と言われることもありました」と服部さん。手間や時間を惜しまず、じっくりと施主に寄り添うのが服部流なのだ。

その1つとして服部さんが行っているのが無料の「お試しプランニング」。建築家に注文住宅を頼むことで「どんなプランが提案されるのか興味がある」という人がいる一方、「敷居が高い」「断れなくなるのでは」と感じてしまう人もいる。そんな心配を払拭するため、無料でプランをつくってくれるのだという。「お試しでプランを作成したあとは、お断りいただいてOKですし、その後の営業も行いません」と服部さん。

手間暇のかかるプランニングを無料で行うことは、非効率のようにも感じてしまうが、服部さんは意に介さない。「まずは、自分の仕事を知っていただくことが一番だと思っています。また、お互いにフィーリングを確認し合える機会にもなります」と服部さん。プランを見てもらえさえすれば「気に入ってもらえる」「受注につながる」といった自信の現れなのかもしれない。実際、無料プランニングで話が盛り上がり、引き続き設計を依頼されることも多いのだという。
  • 樹々に囲まれたI邸。複雑な形状、素材や色が異なる壁を用いているにもかかわらず、ずっと前からそこにあったかのように佇んでいる。

    樹々に囲まれたI邸。複雑な形状、素材や色が異なる壁を用いているにもかかわらず、ずっと前からそこにあったかのように佇んでいる。

  • エントランス脇には、リビングとつながる大きなテラススペース。清涼な空気の中で食事をしたり、遊んだりできる

    エントランス脇には、リビングとつながる大きなテラススペース。清涼な空気の中で食事をしたり、遊んだりできる

  • 傾斜地に立つため、エントランスには数段の階段を上る。タイルで彩られた階段が楽しさを演出してくれる

    傾斜地に立つため、エントランスには数段の階段を上る。タイルで彩られた階段が楽しさを演出してくれる

  • 南面は大きな窓で大自然の景色を楽しめる。近隣の建物からの視界も計算した窓設計でプライバシーにも配慮

    南面は大きな窓で大自然の景色を楽しめる。近隣の建物からの視界も計算した窓設計でプライバシーにも配慮

1つの空間にいくつもの居場所を
緑を取り込み居心地の良さを演出

それでは、I邸を見ていこう。I邸は、鬱蒼とした緑に囲まれながらも、そこだけぽっかり空いたように、明るい光が差し込む場所に佇む。

外観は、木、ガルバリウム鋼板、リシンと素材も色もさまざま。さらに異なる大きさの立体を組み合わせたかのように、高さも奥行きにも凹凸がある。「大きな箱をただ置いたような、のっぺりとしたものだと、人工物の感じが出過ぎるので、それを避けました」と服部さん。

確かに、新しい建物なはずなのに、ずっと前からそこに存在していたかのように周囲の景色に溶け込んでいる。あえて素材、色、形が違うものを組み合わせ、落ち着きのある外観に仕上げてしまう服部さんの技量には驚かされる。

室内に入ると、驚かされるのがその開放感だ。LDKは「森に包まれている」と思うほどに目の前に森が迫っているように感じさせる。大きな窓と天井の梁を現しにすることで、高さからくる抜け感をもたらしているからなのだろう。

開放感があるからといって、このLDKはがらんどうの空間といった感じはしない。それは、リビングという1つの空間の中に、段差や凹凸を設けたり、テーブルやソファーといった家具の配置でいくつもの居場所をつくっているから。家族がたくさん集まっても、ソファーやダイニングチェア、窓際のベンチ、さらには和室の小上がりなど、様々な居場所があり、寛げるようになっているのだ。

服部さんは「景色を上手に取り込む」「家族が集まって寛げる居心地のよい空間」というIさんの要望に、見事に応えてみせた。

この仕上がりにIさんも「要望を細かくヒアリングしてくれた」「自分たちでは思いつかないアイデアを提案してくれて、驚くとともに満足している」「光や風など周囲の環境と調和した建物になっていて気持ちいい」と喜んでいる様子。

Iさんもいうように、細かくヒアリングすることは、服部さんが大切にしていることの1つ。「以前はヒアリングシートのようなものに記入してもらうこともしていましたが、空欄となることも多く、現在では対話が中心です」と服部さん。

何気ない会話の中から、施主が本当に叶えたいことの糸口をつかみ、言葉を深掘りする。そしてそれを設計に活かすからこそ、満足度の高い家に仕上がるのだ。

「打ち合わせ時だけのやりとりではなく、LINEやメールで適宜やりとりすることも多いんです」と服部さん。

服部さんの「手間暇を惜しまない」「対話から要望を捉える」という顧客に寄り添う姿勢と、卓越したスキルによって、これからも居心地のよい家が生み出されるに違いない。

自分達に合った素敵な家を建てたいと思っているあなた。その第一歩は、服部さんの「お試しプランニング」を依頼することなのかもしれない。
  • 開放感いっぱいで、森の中にいるかのように感じられるLDK。天井の梁を現しにし、高さからくる抜け感ももたらしている。

    開放感いっぱいで、森の中にいるかのように感じられるLDK。天井の梁を現しにし、高さからくる抜け感ももたらしている。

  • LDKの端は、大きな窓とすることで、眼前に森が迫るこの家の特等席。窓枠の下の部分は広く取ることで、ベンチとしても活用できる。

    LDKの端は、大きな窓とすることで、眼前に森が迫るこの家の特等席。窓枠の下の部分は広く取ることで、ベンチとしても活用できる。

  • さまざまな居場所があるLDKは、家族の寛ぎの場。沢山の笑顔や笑い声が聞こえるに違いない

    さまざまな居場所があるLDKは、家族の寛ぎの場。沢山の笑顔や笑い声が聞こえるに違いない

  • 冬場の暖房は、薪ストーブで。暖かさだけでなく、炎のゆらめき、木の爆ぜる音、煙の匂いも楽しめる

    冬場の暖房は、薪ストーブで。暖かさだけでなく、炎のゆらめき、木の爆ぜる音、煙の匂いも楽しめる

  • 和室は、あえて小上がり・垂れ壁でくぐって入るような形に。こもる部分をつくることで、開放的なリビングとの視覚差を演出

    和室は、あえて小上がり・垂れ壁でくぐって入るような形に。こもる部分をつくることで、開放的なリビングとの視覚差を演出

撮影:DOZONO STUDIO

基本データ

作品名
Villa八ヶ岳
施主
I様
所在地
山梨県北杜市
家族構成
夫婦
敷地面積
365.46㎡
延床面積
68.98㎡
予 算
2000万円台