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”ゆとり”と”優しさ”を兼ね備えた「平屋」特集

2階建てや3階建てが、世の中の一戸建て住宅の多数を占める中、1階のみで構成する平屋は、相応のゆとりある敷地が必要となるため、土地価格の高い都市部などでは憧れの的となりがちです。また上下の移動が不要になるため、幼児や高齢者にとって大変優しい構造といえます。そんな住まう人にとって ”ゆとり”と”優しさ”を兼ね備えた 「平屋」住宅をこの特集で紹介します。ぜひみなさまの自分らしい住まいづくりの参考にしてください。

ここまで開放的な平屋だから、自然満喫と落ち着く空間を両立!

 奥さまとふたりの娘さん、家族4人で暮らす望月さん。家を建てるきっかけは、下のお子さんの誕生だった。「子どもが小学校にあがるまでには、家族で暮らす家を建てたいと思っていました。自然が豊かなところで、平屋の建物を設計したかったので、条件にあう土地を探すところから始めました」と望月さん。

 自然に恵まれた環境での平屋暮らし、望月さんにはあるイメージがあった。「実家も畑や芝生が広がっているようなところだったんです。すぐそこが緑で、家から庭にでる感じがすごく好きで。虫をとったり、川で遊んだり。そういう接地性のある暮らしに憧れていました。」

平屋が浮いた!地面につけないメリットが、こんなにあるの?!

「住み慣れたところを離れたくない」と、住まいの近くに家を建てる場所を探していた建築家の小林さんのご両親。小林さんは「もっと都心の方がいいよ」と薦めたが、親しくしている人も多い昭島に終の住処を定めることにした。

 近くに見つかった土地は建物が混み合った商業地域にあり、すぐ横まで隣家がせまっていた。「明るい平屋に住みたい」というご両親の希望を叶えるには、隣の家と距離をとり中庭をつくって光をとりこむのがいいだろうと小林さんは考えた。ところが、それでも周囲の建物の影になって、明るいというには至らない。そこで、小林さんが考えたのは平屋を浮かせてしまおうということだった。

里山の環境にとけ込む、平屋のような2階建て。

土地が広いため、平屋で伸び伸びとした暮らしをと提案すると、T様から「階段のある暮らしがしたい」と要望があった。T様は小さい頃から平屋暮らしだったため、家の中に階段のある暮らしが、ある種、憧れでもあった。加えて、代々住まわれている家柄ということと、周辺環境に馴染みのある建物にしたいと考え、大屋根の格式ある形と平屋をリンクさせて、外見からは平屋に見える2階建ての家を構想。2階は広い小屋裏のような空間とすることで、平屋のような高さ関係を取った。

2階の屋根勾配は45°という急角度で、屋根がそのまま壁にもなっている。2階に窓はほぼなく、外が悪天候で荒れていても、ほとんど気にならず、閉じこもれる空間にした。それはまるで屋根に守られているかのよう。窓がない2階の採光性を確保するために、吹き抜けを通して1階から光を取り入れ、天井に反射させることで明かりをとることに。そのため、天井は光が反射しやすい真っ白にした。

細長空間で実現した終の棲家「クジラの家」

リタイアしたYさんご夫婦が終の棲家を建てるべく購入した、埼玉県の細長い土地。ここに建築家の矢嶋一裕さんと共につくり上げたのは、土地の形状を生かして家中に光が溢れる横長の家だった。独特の外観だけでなく、建物の中も斬新なアイディアで溢れるY邸。その全貌をご紹介します。

中庭の景色とアートが住まいに溶け込む「コの字型」プラン

家づくりがスタートした際にKさんが出した要望は、趣味で集めている絵画を展示できるようにすることと、音楽を聴きながらこもれるバーコーナーを設けること、そして、京都近代美術館の「何必館」のような中庭をつくること、という3点だった。この要望に応える形で及川さんが考えたのが、中庭を中心に向き合う2階建てと平屋を、切妻屋根の平屋で繋ぐというコの字型のプランである。「中庭と庭に向かって解放された吹き抜けを介して、全体がひと繋がりとなる、家族が互いに気配を感じられるような構成を考えました」と話す及川さん。