1棟4役? 毎週3時間かけて通いたくなる
富士山の見える別荘

あるときは、家族が休日をのんびり過ごす別荘として。あるときは、社員の保養所・研修所として。またあるときは友人や取引先を招く迎賓施設として。さらには一人集中して仕事に没頭できるプライベートオフィスとしての顔をもつ建物。非日常の高級感と使いやすさを兼ね備えたセカンドハウスを作ったのは、建築家の牧野嶋さんでした。

牧野嶋彩子

牧野嶋 彩子 まきのしまあやこ

ヒトコミデザイン(株式会社 人と古民家) 千葉県 千葉市稲毛区

自分や家族に寄り添ってくれるような家が作れたら。そんな思いで、独立してから18年が経ちました。 100軒を超える家づくりをさせて頂き、その家族全てに違う暮らし方がありました。家を暮らしに合わせて作る。そして快適に過ごしてもらいたい。 今でもお引き渡ししたお客様から快適に暮らしているよとお声を頂くととても嬉しく思います。 私自身、家事をこなし、子育てをしながら仕事をしてきました。その生活の中で、掃除や洗濯、料理などの家事のストレスを少しでも軽減できないか?と考えるようになりました。 また、子育てにおいても、プランの工夫で楽しく楽になる事もわかってきました。そして、男性は家に夢を求める事も。 この夢の部分が家の魅力につながり、女性が求める機能性と男性が求める夢がちょうどよく共存する家を作りたいと思うようになりました。家をプランを提案してもらったけど納得できない方やこれから家を考えていく方、ぜひ一度事務所にいらして下さい。 あなたの望む家は必ず実現します。そのお手伝いをさせて頂けたらと思います。

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高低差のある土地を逆手に、横長のフォルムを採用

「八ヶ岳南麓で、富士山が見える場所に別荘がほしい」と土地を探されていたYさん。ようやく理想の土地を見つけたYさんが、建築を依頼したのは、新築の戸建てを始め、リノベーションや古民家の再生など、幅広い分野でデザイン性と住みやすさを兼ね備えた「心地よい家づくり」をしている牧野嶋さん。

一般的な別荘区画3つ分もある広大な土地は、実は5mほどの高低差のあるものだったそう。牧野嶋さんはこの高低差を逆手にとり、2階をメインとする横長のフォルムを採用した。
「階段状の建物や、棟をいくつかに分けるパターンなど、いくつかプランを考えたのですが、どの部屋からも富士山の景色が見られるよう、横長の3階構造の建物にしました」と牧野嶋さん。

実はこの建物、Yさん家族が休日をのんびりと過ごすための別荘というのは、1つの役割に過ぎない。愛知県で会社を経営されているYさんはこの八ヶ岳南麓の別荘に、社員がリフレッシュしたりミーティングを行う保養所・研修所的な役割や、取引先や友人をお招きする迎賓館的な役割も持たせたかったのだという。さらには、緑豊かな環境の中で1人静かに仕事に没頭できる場であることも求め、書斎も希望されていたのだとか。

この意を汲んだ牧野嶋さんは、富士山の景色もおもてなしの1つと捉え、どこにいても抜群の眺望が叶うようにと地上レベルを少し上げ、中に浮いたような2階部分をメインフロアとし、広いLDKやアウトドアリビング、主寝室を配し、1階をゲストの寝室、3階をYさんの書斎とバスルームとしたのだった。
  • 直線的なフォルムが美しいYさん邸。現在では前庭も整えられ、BBQやテントも張れるスペースとなっているという

    直線的なフォルムが美しいYさん邸。現在では前庭も整えられ、BBQやテントも張れるスペースとなっているという

  • 夜になれば、照明の灯りが建物を浮かび上がらせる

    夜になれば、照明の灯りが建物を浮かび上がらせる

  • LDK脇のアウトドアリビング。八ヶ岳山麓の清涼な風を感じながら食事も可能。脇にはシンクも設置し、BBQなどにも対応

    LDK脇のアウトドアリビング。八ヶ岳山麓の清涼な風を感じながら食事も可能。脇にはシンクも設置し、BBQなどにも対応

上質な空間の中にも、随所に見られる使い勝手の良さ

この別荘には入り口が2つある。1つがプライベート用、もう1つがゲスト用。Yさんやご家族は建物の端に設けられたガレージスペースの扉から、クロークを経由して室内に入る。一方でゲストは、駐車スペースから木格子のアプローチを進みエントランスへ向かう。ダイレクトに入り口に向かうのではなく、あえて廊下のような場所を一歩一歩進ませることで、特別な場所に来たようなワクワク感が生じる。高級な料亭やレストランで用いられる手法だ。

エントランスに入ると、眼前のガラス越しにアウトドアリビングが広がる。晴れていれば富士山がお出迎えという演出。ゲストはここで「おおー」「わー」と感嘆の声を上げるに違いない。

右には大容量のクローク。家族や訪れたゲストが荷物を置いておける。着るものが多くなる冬にはコートなどをかけられるよう、ハンガーラックも設けられている。

扉を開けLDKに入ると、目の前には大パノラマが広がる。高さ3mもあるという大きなガラス窓が並び開放感抜群。人の目を気にせず景色を独り占めできる。室内は、Yさんご家族と牧野嶋さんが共に選んだ高級感あふれる家具やインテリアで彩られ、落ち着いた雰囲気だ。ふと天井に目をやると、何やら横長のBOXが張り付いている。これは、プロジェクター用のスクリーン。社員の研修などで使うことも想定し取り付けたのだという。

キッチンはアイランド型。調理をしながらも、会話に加われるという配慮だ。この別荘は、牧野嶋さんが施したいくつもの細やかな気配りスポットが存在する。キッチン裏にパントリーを設けたのもその1つ。人も多く訪れるこの別荘は、できるだけ生活感は出したくないが、かといって家族利用の際の利便性も失いたくない。その解決方法がパントリーだ。
パントリー以外にも、この別荘には収納をたくさん設けた。階段下を有効利用した納戸には、大人数が来たときのための椅子やテーブルが収納できる。1階には、バーベキューグッズなど屋外で使用するものなどを入れる外部収納も設けた。アウトドアリビング横には、シンクもつけた。

牧野嶋さんの気配りは、収納面だけではない。例えば暖房。この地は冬には雪も積もる寒冷地。広いリビング、しかも一面の大窓とあれば冬場の寒さは覚悟せねばと思うかもしれないが、そこも抜かりはない。各部屋には床暖を入れるとともに、断熱に確かな技術をもつ工務店に依頼し、高気密・高断熱の施工を施したという。そして、リビングには薪ストーブを導入した。薪ストーブは、エアコンとは違い、本体からの輻射熱が室内の空気を滞留させて、やんわりと体や部屋を温めてくれるという特徴がある。また薪ストーブは、暖房として体を温めるだけではない。薪が燃える時の炎のゆらめき、爆ぜる音、香りによって人々の心を温めてくれるのだ。
  • 訪れたゲストは、木格子のアプローチを進みエントランスへ。一歩ずつ近づいていくことで、非日常へのワクワク感も高まる演出

    訪れたゲストは、木格子のアプローチを進みエントランスへ。一歩ずつ近づいていくことで、非日常へのワクワク感も高まる演出

  • 広々としたエントランスの眼前には、アウトドアリビングが。晴れた日には、富士山が出迎えてくれる

    広々としたエントランスの眼前には、アウトドアリビングが。晴れた日には、富士山が出迎えてくれる

  • 天井高3mもある開放感抜群のLDKは、高級感のある家具やインテリアで彩られた。床暖、薪ストーブ、高断熱仕様のサッシで冬の寒さ対策も万全

    天井高3mもある開放感抜群のLDKは、高級感のある家具やインテリアで彩られた。床暖、薪ストーブ、高断熱仕様のサッシで冬の寒さ対策も万全

  • ショールームに同行して選んだキッチン。裏側にはパントリーを設け、生活感を出さずに利便性をもたせるという、女性目線での工夫も

    ショールームに同行して選んだキッチン。裏側にはパントリーを設け、生活感を出さずに利便性をもたせるという、女性目線での工夫も

  • 3階に設けられた、洗面・浴室。湯に浸かりながら昼には富士山、夜には星空が楽しめるのだとか

    3階に設けられた、洗面・浴室。湯に浸かりながら昼には富士山、夜には星空が楽しめるのだとか

施主に寄り添い、満足度の高い家に仕上げる

一般に別荘というと、年に数回訪れるという場所になってしまいがち。しかしYさんは違った。ときには家族で、時には社員と共に、時には1人でといった具合で、毎週末のように名古屋から3時間かけて、この別荘を訪れているのだという。

それは牧野嶋さんが、家族がのんびりと心休まる時間を過ごせる居心地の良さと、ゲストが非日常を感じられるような高級感を、見事に両立させてみせたからに他ならない。

Yさんもこの別荘と牧野嶋さんの手腕に大満足のようで、自宅の新築を牧野嶋さんに依頼をすることになったのだという。

牧野嶋さんが顧客から信頼され「この人にお願いしたい」と思わせる理由には、「機能面とデザイン性」を兼ね備える確かな手腕があるから、だけではない。顧客に寄り添い、じっくり丁寧に仕事をするということも大きい。

「他の建築士さんよりも打ち合わせの回数や時間も多いかもしれません」と牧野嶋さん。打ち合わせでは、「お客様が叶えたいことは?」「重視していることは?」を意識しながら、顧客の好みを探り、建築に取り入れていくのだという。実際にYさんが「このホテルが好き」ということを聞いて、そのホテルを見に行ったというから驚きだ。

この他にも、キッチンや照明といった設備やインテリアを選ぶ際にはショールームに同行すること、企画提案の際は、最低でも2-3パターンつくりバリエーション感をだすこと、模型を作って立体的なイメージをもってもらうことなどを当たり前のこととして行っているのだという。

これだけの手間をかけていては、非効率のような気もするが、牧野嶋さんは意に介さない。「お客様と一緒に伴走する気持ちでやっています」と牧野嶋さん。
手間暇をおしまず、じっくりと顧客に寄り添う姿勢があるからこそ、満足度の高い家に仕上がる。

牧野嶋さんに家を依頼した人は「牧野嶋さんに家を建ててもらった」ではなく「牧野嶋さんと一緒に家をつくった」と思っているに違いない。
  • ブラックウォルナットの床材で落ち着いた雰囲気をもつ寝室からも、富士山の景色が楽しめる。ベッドは牧野嶋さんが手掛けたオリジナル

    ブラックウォルナットの床材で落ち着いた雰囲気をもつ寝室からも、富士山の景色が楽しめる。ベッドは牧野嶋さんが手掛けたオリジナル

  • 3階は、階段脇のトップライトから降り注ぐ陽光が反射し、明るく照らされる

    3階は、階段脇のトップライトから降り注ぐ陽光が反射し、明るく照らされる

  • 1人静かに仕事に没頭できる書斎。窓の先にはプライベートデッキも

    1人静かに仕事に没頭できる書斎。窓の先にはプライベートデッキも

撮影:水埜公喜

間取り図

  • 間取図 1F & 3F

  • 間取図 2F

基本データ

作品名
富士山の見えるセカンドハウス
施主
Y邸
所在地
山梨県北杜市
家族構成
夫婦+子供2人
敷地面積
1,642.00㎡
延床面積
319.67㎡
予 算
5000万円台
牧野嶋彩子

牧野嶋 彩子 まきのしまあやこ

ヒトコミデザイン(株式会社 人と古民家) 千葉県 千葉市稲毛区

自分や家族に寄り添ってくれるような家が作れたら。そんな思いで、独立してから18年が経ちました。 100軒を超える家づくりをさせて頂き、その家族全てに違う暮らし方がありました。家を暮らしに合わせて作る。そして快適に過ごしてもらいたい。 今でもお引き渡ししたお客様から快適に暮らしているよとお声を頂くととても嬉しく思います。 私自身、家事をこなし、子育てをしながら仕事をしてきました。その生活の中で、掃除や洗濯、料理などの家事のストレスを少しでも軽減できないか?と考えるようになりました。 また、子育てにおいても、プランの工夫で楽しく楽になる事もわかってきました。そして、男性は家に夢を求める事も。 この夢の部分が家の魅力につながり、女性が求める機能性と男性が求める夢がちょうどよく共存する家を作りたいと思うようになりました。家をプランを提案してもらったけど納得できない方やこれから家を考えていく方、ぜひ一度事務所にいらして下さい。 あなたの望む家は必ず実現します。そのお手伝いをさせて頂けたらと思います。

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