イマドキの「別荘」特集_VOL.3

「長期の余暇を過ごす」だけではない。
「ワーケーションの場として」「週末や日常を楽しむ空間として」
「シェアするツール」に進歩しつつある
かつては、都心部に居住しながら、長期の余暇を過ごすための存在だった「別荘」が、昨今、その利用方法や目的が大きく変化しつつあります。
むしろ、今や、ワーケーション(リゾートテレワーク)の場となり、日常生活を彩る場となりつつあります。
場所にも時間にも縛られない自由な生活を求める方々にとって、「別荘」は新しい時代の暮らしに相応しい空間になりつつあります。
この特集では、様々な用途に応えてくれる「別荘」をご紹介します。
ぜひ皆様の住まいづくりの参考にしてください。

イメージはラグジュアリー・ビーチリゾート 心身ともに癒やされる、セカンドハウス

千葉県長生郡一宮町 / 一宮のセカンドハウス

千葉県一宮町は九十九里浜の南端に位置し、サーファーの聖地と呼ばれている。この地に特徴あふれるセカンドハウスが誕生した。落ち着いた外観が周辺の景色に溶け込み、まるで高級ビーチリゾートのヴィラのようだ。室内も同様に洗練された内装で包まれている。都心の喧騒から離れ、心身ともに癒やされる空間を目指したこの作品をご紹介しよう。

難しい敷地条件を生かし居心地のよさを向上 美しい海を眺めながら暮らす、週末住宅

和歌山県西牟婁郡白浜町 / 白浜町の家

小さな建物が点在する状態から、夫婦で住まう1棟の週末住宅への建て替えを決意されたお施主さま。敷地は高低差があるなど、難しい条件だったという。岸本姫野建築設計事務所の岸本さんと姫野さんはその敷地にできるだけ手を加えず、むしろ生かし切って居心地のいい家をつくりあげた。

“視線をコントロールする壁”が創り出す すべての場所で違う景色を楽しめる空間

大分県由布市 / 湯布高原のVILLA

湯布高原の別荘地に誕生した、豪勢な保養所。建物から飛び出している、多くの巨大な壁が印象に残る。実はこの大きな壁が、この物件の最大の特徴だ。室内から外を見た時、場所によって景色の見え方が異なるように配置されているのだ。最大限に景色を楽しめる、この物件に込められた工夫の数々をご紹介しよう。

東京・軽井沢の2拠点生活を満喫。緑に包まれたアウトドアリビングのある別荘

長野県 / 南原の家

軽井沢に別荘を建て、東京との2拠点生活を計画していたAさま一家。設計を担当した奥野公章さんは、環境を読み解き快適な住まいをプランニング。高原リゾートの非日常感と、テレワークをしながらの日常生活、2つのライフスタイルを包み込む家が完成した。

緑豊かな八ヶ岳の自然の中に佇む 家族が集うファミリーハウス

山梨県北杜市 / Villa八ヶ岳

高知県に暮らす施主のIさんご夫妻。ずっと憧れていた山の暮らしを実現すべく、設計を依頼したのは、施主とじっくり対話し、自然環境とマッチした家をつくることに定評のある建築設計SOOの服部さん。土地探しから関わり、つくりあげた八ヶ岳のファミリーハウスに迫る。

キーワードはリゾートを想起させる“楽園” 仕事や料理を満喫できる、非日常空間

RAKUEN (都心の週末住宅) / 東京都江東区

この作品を設計したのは、東京を中心に活動している“ユキアーキテクト1級建築士事務所”の建築家、三村由起江さん。

“その場所で、自分らしく住まうこと”にこだわったデザインで、心地よい空間づくりを目指している。2児の子育て中でもあり、女性ならではのきめ細やかな設計が好評を得ているそうだ。

今回の作品は、独立前に勤務していた設計事務所でスタッフとして担当したお施主様からの依頼だった。当時関わったお施主様が自宅にとても満足し、今回の依頼につながったという。

円形シアターを思わせる、緑の庭と住空間。 経年で魅力を増す森林の別荘

長野県 / 追分の山荘(円形の庭のある家)

住宅でも商業施設でも、建築家は図面を引く前に「土地を読む」というプロセスを踏む。これからつくる建築がランドスケープにどのように受け入れられ、数十年にわたりどのように共生し、使う人にどんな豊かさをもたらすか。この点で伊藤寛アトリエ代表の伊藤寛さんは、土地の読み方が非常に深い建築家だと思う。

それは、伊藤さんが軽井沢で手がけた『追分の山荘』を見てもよくわかる。ここは老舗企業の経営者一家の別荘で、ご夫妻と、独立した3人のお子さまそれぞれのご家族が、夏の休暇を過ごすために計画されたものである。