イメージはラグジュアリー・ビーチリゾート
心身ともに癒やされる、セカンドハウス

川村 浩二
かわむら こうじ
株式会社カワムラアーキテクツ一級建築士事務所
千葉県 千葉市
住宅の設計はクライアントとの信頼関係を大切にし、暮らしに深く関わるプロセスを通じて、共に築いていくことが何よりも重要です。デザインにおいては機能性だけではなく、居心地の良さや美しさを追及し、住宅が人生の中で特別な存在となるように心がけています。
大好きな高級ホテルをイメージした
ビーチリゾートのようなセカンドハウス
お施主様が持つイメージは、かなり明確なものだった。
・ビーチリゾートのヴィラのようなイメージ
・寒い時期でも楽しめるように、ファイヤーピットや薪ストーブなどを設置したい
・プール代わりになるような、庭に面したホテルライクで気持ちの良い浴室が欲しい
こうしたイメージの根本にあるのは、お施主様がとても気に入っているアジアン・ラグジュアリーホテルだったそうだ。
川村さんは、このようなイメージをじっくりと会話をすることで具体化させていった。そのプランを見ていこう。
特にLDKは大開口の窓でインナーテラスに面しており、天井材はどちらもレッドシダーの板張りが贅沢に使用されている。この天井材が連続していることで、都心では味わえない開放感のある空間となっているのだ。
また、インナーテラスも非常にゆとりがあるサイズとなっている。幅が2m以上もあり、さらに1m近い軒をその先に設けている。このため、雨の日でもくつろぐことができ、夏は日差しをさえぎる効果もある。
もちろん、薪ストーブや庭で焚き火などをするファイヤーピットなど、お施主様の要望はすべて叶えている。浴室はまるで露天風呂のような開放感で、窓ではなく全面開放できる扉がついている。まさにビーチリゾートにある浴室のようだ。
その他にも、様々な工夫が各所に取り入れられている。ぜひ、写真の説明文もご参照いただきたい。
景観になじみ、圧迫感がなく、品のある外観
外壁の素材や屋根の勾配に隠された工夫
特に川村さんが気を配ったのが、外観だ。この土地は田畑に面しており、もともとは空き地だった。そこにインパクトがあるデザインの建物が建つと、どうしても違和感が出てしまう。
そこで外壁の素材や、屋根の向きや傾きを工夫することで、景観になじみ、圧迫感を与えない、品のある作品を作り上げた。
外壁材は経年とともに風合いが出る外壁材を採用した。無垢の黒いセメント板と、レッドシダーの壁を使用することで、落ち着きながらビーチリゾート感も漂う外観が実現できた。
屋根は片流れ形状として平屋に近い見え方にし、周囲に対する圧迫感を軽減している。屋根の向きにも工夫をこらし、西側にある道路側を低くすることでボリューム感を抑えている。
この作品はセカンドハウスとして使われるため、不在時の防犯対策にも留意した。LDKの窓はほぼ全面に配置されているため、普通の雨戸ではカバーすることが難しく、デザイン性も劣る。そこで空港や施設の店舗でシャッターとして使用されている、ステンレスカーテンを採用した。これにより、モダンなデザインと防犯対策を両立することができたのだ。
川村さんの提案は、外構にも及ぶ。広いインナーテラスに接する前庭には、焚き火などができるファイヤーピットを設けた。しかし基礎の高さがあるため、そのままではインナーテラスから、階段などで庭に降りる必要がある。そこで造園会社と協働し、前庭を高くすることで高低差をなくして外と中の連続性を確保した。
川村さんは、周囲の自然や環境と一体となった、調和した建物の中での暮らしが好きだという。そのため今回の作品のように、外構や造園の専門家と協働するケースがとても多いそうだ。
当初は週末利用の予定だったセカンドハウス
快適さのあまり、平日も利用することに
「当初は週末に過ごす予定でしたが、快適なので今はかなりの時間をここで過ごしています」
「友人が来た時、ファイヤーピットにキャンドルを飾り、お酒を飲む時間が最高です」
「薪ストーブは想像以上に効果があり、1台で家全体が暖かくなります」
「キッチンはダイニングテーブルが一緒になっていて、とても便利です」
いかがだろう。ビーチリゾートのヴィラのようなイメージが形になっただけでなく、さまざまな提案によって、より快適な生活が実現し、とても満足されている様子が目に浮かぶ。
さいごに、川村さんがこだわっていることをご紹介しよう。
「大前提として、お施主様の要望は100%実現することを目指しています。そのうえで、より快適で良くなりそうなアイデアをどんどん提案することを心がけています。それが、建築家に依頼するメリットだと思うからです」。
「お施主様にとって、満足できる家を生み出すことを重視しています。そのために大切にしているのが、お施主様との対話です。どのような趣味や嗜好なのかを理解し、一緒に作り上げていくことが大切ですね」。
実際、この作品では多くの場所の素材にこだわっている。たとえば玄関の取手や外部のシンクを製作してもらうために、鎌倉の工房をお施主様と訪れたそうだ。お施主様もその工程を楽しみながら、家を一緒に作るという貴重な経験ができたのではないだろうか。
興味を持たれた方は、いちどコンタクトしてみてはいかがだろう。
基本データ
| 作品名 | 一宮のセカンドハウス |
|---|---|
| 所在地 | 千葉県長生郡一宮町 |
| 敷地面積 | 189㎡ |
| 延床面積 | 118㎡ |
| 家族構成 | 夫婦 |
| 予算 | 6000万円台 |
撮影:ナカサアンドパートナーズ
設計者情報
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