
『暮らしと遊び』の両立。
クライミングウォールのある家。
設計を担当されたのは都内を中心に設計を行う建築設計事務所、株式会社サオビの島崎衛さん。お施主様とともにお家のストーリーをお聞きした。
吹抜けが作り出す開放感あふれる室内
しかしお子様も小学校に入学し、学年も上がってきたということで、この2戸を1戸にするというリノベーションを決意され、サオビの島崎衛さんにリノベーションの設計を依頼したそうだ。
建物の東側には大きな病院があり、土地全体が道路沿いと比べて1段下がっている。そのため、東側の隣家が3階建てだとしても、2階建ての高さしかないように見える立地だ。そうした土地の形状が幸いし、東側も開けているのが特徴でもある。
ところがリノベーションを行う前は、この東側はすべて奥の賃貸物件に行くための廊下になっており、東側の眺望は活かされていなかった。
そこに着目した島崎さんは、この東側の窓をダイニングの窓とするためキッチンをレイアウトし、また、天井を取り除いたことで、建物の最上階でありながら吹抜け調の開放感あふれる室内にする事に成功した。
お施主様のこだわりと建築家の設計から生まれるライフスタイル
キッチンはオーダーメイドのステンレス天板で、通常のキッチンよりも高く設計されている。頭上には使い勝手が良いようにとパイプが配置されて、そこに調理道具を掛けられるため、料理がより楽しめるように配慮されている。
また、電気のスイッチ類はアメリカの住宅で使われているタイプで、輸入雑貨店から探して入手した。照明類もどこか懐かしい雰囲気で、手に触れる部分、目にする部分の年代設定がこのリノベーション物件の性格づけに大きく影響している。
北と西の両側にバルコニーがあり、それぞれ窓を開放すると、北、東、西の三面が開き気持ちのよい風の通り道になっている。キッチンの先を左に折れるとそこはリビングとして機能するスペース。壁沿いの階段は、頭上のロフトに通じている。ロフト下の中央部分にはバスが配置されている。ここに2戸を1戸にした名残りを感じるが、水回りを大きく動かすコストを考慮すると同時に、レイアウトの制限をポジティブにとらえ、その上をロフトとして活用しているところに島崎さんのアイデアが伺える。
また、このバスの西側の壁はボルダリングウォールになっていて、子どもも大人も登ることができるようになっている。随所にはハンモックやブランコのようなアイテムがあり、お子様にとって居心地が良いことと同時に遊べる家になっているのが特徴だ。
ダイニングから西側に行く導線部分にベッドルームがレイアウトされ、そこの収納は床上数十センチに上げられているため、狭いのではとお施主様が心配していた寝室も部屋の幅いっぱいに敷布団を広げられるようになっている。こうしたちょっとした工夫によって、実に暮らしやすいとお施主さまも絶賛している。
機能 実用 遊びが両立する空間
もともと2戸だった住戸を1戸にまとめながら、キッチンスペース、ベッドルーム、ロフト、ボルダリングウォールなど、複数の要素をスマートにまとめる設計力は、一朝一夕には得られないものだ。またイメージが頭に浮かんでも施主にうまく伝えられるかどうかも重要なポイントになる。
その点、島崎さんの事務所では3Dソフトを使い、設計図面をパソコンで立体視することにより、バーチャルの画面の中で歩き回りながら完成事例を見るようなイメージを持ってもらえるようプレゼンテーションを行っている。これが建築家と施主のイメージをすり合わせる重要な役割を持っている。今回の素晴らしい事例もITが発達した今だからこそ出来た、施主と建築家のイメージのギャップの少ない事例であるとの印象を受けた。
間取り図
基本データ
| 家族構成 | 夫婦 |
|---|---|
| 施主 | X邸 |
設計者情報
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