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建売住宅と注文住宅の”良いとこどり”、第三の家づくりとは!?

家を建てるときに、たいていの人はハウスメーカーや工務店に依頼をします。こだわりの注文住宅であっても、デベロッパーができる範囲で対応したり、工務店の営業マンや社長と話しをしながらプランを立てていく人が多いものです。ですが、あなたのこだわりを建築家が受け取り、直接反映する家づくりができるとしたら、それが最高ですよね。設計のプロ、建築家大川さんの新たな取り組みを紹介します。

「THE 3rd HOUSE PROJECT」とは

 一級建築士の大川さんが迎えてくれたのは、町田にある建売住宅の販売現場でした。注文住宅の設計で活躍している建築士の大川さんが、なぜ建売住宅を見せてくれるのか、興味深く2棟が建っている現場に行きました。

 そこは都内でありながら緑が豊かな環境で、個性の違う2棟を紹介してもらうことになりました。「THE 3rd HOUSE PROJECT」と名付けられた家は、建売住宅と注文住宅の良いところを持ったまさに第三の家づくりを目指したものということで、デベロッパーであるアクロスの新たな取り組みでもあるのです。
注文住宅ほど気負うことなく、建売住宅を超えた自由度を持った家。そんな新たな理想住宅とも呼べる家づくりに挑戦したのが、建築士の大川さんなのです。

昭和レトロを効果的に取り入れた設計

 この2棟の家はまったく違う設計ですが、中に入ると居心地の良さという点で共通しています。土間のある家は、土間の部分の床が基礎の底盤の高さということで、普通の家よりも40㎝程度低くなっています。そこから二階への階段に続くので、一般的な家よりも高さ方向の開放感があるのです。また、吹抜けのある家は、その吹抜けによる大きな空気感のあるスペースが特徴です。どちらも、この空間の作り方が居心地の良さをもたらしていると感じられます。

 そして、照明にZライトを使ったり、スイッチが業務用風のトグルスイッチになっていたりと、どこか懐かしい昭和レトロな感覚が、大川さんによる設計の新しさを演出しています。ただ単に「古いものがカッコいいから」と言って使うのとは異なり、その設計思想や本質部分を見極めて、“永く使う”という思いと、“使い方の新しさ”をうまくバランスさせているところに、大川さんならではの着眼点が活きています。

 芹ケ谷公園に隣接している敷地ということもあって、新緑の薫る玄関先には、大川さんならではの植栽があり目を引きます。造園のプロと協調しながら作り上げた庭ということで、引き渡しのタイミングから、3年後、5年後の様子を思い描いてデザインされています。

自宅の庭で採れる果物でオーガニックな生活を始められるというのは、なんと贅沢なことでしょうか。ともすれば後回しにしがちな外構部分が将来を見越してすでに設計されていることで、「THE 3rd HOUSE PROJECT」ならではの家づくりの真骨頂を見た思いがしました。

オオカワ建築設計室ならではの家づくりとは

 家づくりをする上でこれは譲れないということは? という問いに対して、すぐに返ってきた大川さんの答えは「価値観の押しつけをしない」という明確な姿勢でした。お客様の話をよく聞いて、住まう人のお手伝いをさせていただく、という優しさが表れている言葉と感じました。日本橋にあるオオカワ建築設計室の事務所は、築80年の木造路面店を利用したもので、地域の人が気軽に立ち寄れるオープンな雰囲気が特徴です。大川さんが手がけた家は土間がある家が多い、というのはこうしたコミュニケーションを大切にする姿勢が形になったものでしょう。


 町田の緑豊かな周辺環境の土地に建つ2棟の家。一棟は「土間の家」、もう一棟は「吹抜けの家」というキャッチフレーズが付けられ、それぞれ個性的な家になっています。

 「土間の家」は、その名のとおり、玄関を入ると広い土間があり、そこから個室や水回りに上がれるようになっています。二階へと上がる階段は大きなガラス窓に面していて、この北側の開口部が天気の良し悪しに関わらず家の中を一定の明るさに保ってくれます。二階に上がると、リビングダイニングとキッチン、そしてプライバシーが守れる部屋に分かれています。落ち着いた色合いのフローリングと明るいオーダーキッチンとのコントラストは、一階の土間と全く違う印象ながら、不思議とこの家に統一感を持たせています。

 また、隣の「吹抜けの家」は、約50平米という建築面積の家に大胆な吹抜けをレイアウトしています。この開放感は、一度味わうと無くてはならないものになりそうな価値を持っています。吹抜けを持つ明るいフローリングのリビングダイニングと、落ち着いた色合いのキッチンは、この家の中心であり住む人の毎日を生き生きと演出してくれるでしょう。

 2棟に共通しているのは、「ここにコンセントがあったら」とか、「ここに大きな窓があったら」というような、生活者が欲しいと思うところに欲しいと思うものが的確に配置されている、ということです。また、部屋は壁を増設すればさらに個別の部屋に分けることができ、子どもが増えた場合などでも柔軟に部屋割りを変えることができるようになっています。そうした作り込みの自然さは、特定の個人のために作られた注文住宅を思わせるほどです。この家で生活することになる人は、ここに来た瞬間に、自分の描いていたものが形になっていると直感する人でしょう。その出会いを待つ「土間」と「吹抜け」の2つの個性。設計した大川さんのこだわりを感じに行ってみませんか?

撮影:michiho

間取り図

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