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《ビルの事例》光るらせん!吉祥寺のランドマークはどう出来た?

東京・吉祥寺に住むNさんは、地域活性化に向けた一つのミッションとして、テナントビル経営に着手。駅前の一等地に土地を購入し、3階建て鉄骨造ビルの建設を企画。建築家の金田崇さんに設計を依頼したことで、期待以上のビルが完成しました。

天井を高くする工法と外観のデザインがシンボルに

 生まれも育ちも東京・吉祥寺という会社員Nさん。「愛する故郷に少しでも貢献したい」という思いが強く、また、仕事柄、不動産業に精通していることもあり、自らオーナーとしてテナントビル経営を行うことに決めた。

 まず、JR吉祥寺駅北口徒歩5分という繁華街の一等地に約15坪の敷地を購入。「せっかく新築ビルを建てるのだから、自分の希望をしっかりと具現化してくれる建築士にデザインをお願いしたい」とCollisionDesign一級建築士事務所の代表、金田崇さんに依頼した。


 Nさんの希望は、鉄骨造3階建て。「できるだけ内観をシンプルに、かつ、外観をひときわ目立たせるよう工夫してほしい」というリクエストがあった。ご期待に応えるべくプランニングを開始した金田さんにとって、最初の悩みどころは工法をどうするか。というのも、小規模の鉄骨造だとどうしても梁の継ぎ手が多くなり、構造体がすっきりしなくなる場合が多いからだ。そこで、鉄骨梁の継ぎ手を極力なくした躯体を構築するため、ダイヤフラムジョイント工法(梁の継ぎ手をなくした梁と柱を直接接合する工法)を採用。高度な溶接技術により、継ぎ手の処理を誤差なく行うことができることから、内装は、各フロアの天井を仕上げず、継ぎ手のないすっきりとした梁を意匠的に見せることを可能とした。また、天井を仕上げないことで天井高が増し、より伸びやかな雰囲気が実現した。

 一方、「目立つ外装」というご要望に応えたのが、屋外に設けた「光る螺旋階段」だ。夜間、階段から発せられる幻想的な緑のLEDライトが、多くの人たちで賑わうストリートのランドマークとして、ビル全体の存在感をさりげなく誇示。いまでは吉祥寺で「光る螺旋階段」といえば多くの人たちの間で通じるほど、シンボリックな存在となっている。
  • 1階から見上げる「光る螺旋階段」。見た目に心地よい緑色で、発する光量も絶妙

  • 1階のテナント。床・壁の白を基調に、柱・梁の赤、サッシの黒、天井のシルバーがシンプルかつ美しく調和

細部まで計算し尽されたから目立つ「光るらせん階段」

ビルの象徴となっている「光る螺旋階段」。構造は、段板に高強度のノンスリップガラスを採用し、その内部に屋外で使用可能なLED照明をセットしている。夜間ライティングしたとき、遠目からよく目立つようにしているだけでなく、実際に昇り降りする人たちが快適に使えるよう、カラー(緑)や光量に十分気を使っているという。

「屋外で光る階段を設置している事例は、おそらく少ないのでは」と話す金田さんの自信作だ。また、「段板に照明を入れることで段板が厚くなり“ごっつい”印象にならないよう、照明の職人さんと綿密に相談し、できるだけ段板を薄くするよう工夫しました」と細部まで妥協を許さない。これらすべての気配りが、高評価の理由と言えそうだ。

【金田 崇さん コメント】
「光る螺旋階段」は、Nさんに気に入っていただいたのはもちろん、街の人々にも親しんでいただいているのなら、うれしい限りです。デザイン面もかなり気を使いましたが、一方で、雨に濡れても照明がショートしないようにするなど安全面にも細心の注意を払いました。

撮影:佐藤俊治(コード・ラボ フォトグラフィック オフィス)

お家のデータ

家族構成
夫婦
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