こちらは、山並みを思わせるユニークな外観が目を引く東京・世田谷の一軒家。魅力はなんといっても、旗竿地とは思えないのびやかな住空間。プライバシーを守りつつ明るさや開放感をかなえ、さらには愛着の湧く個性もプラスしたプランニングの魅力を探る。
写真左の1階がLDK。写真中央の手前は駐車場スペース、奥がウッドデッキを敷いた中庭。不規則なアップダウンのある屋根や周囲の建物の凹凸は、山地の稜線のよう。都市の建物が形成する「山」「谷」を思わせる
ナチュラルなグリーンの外壁は光の当たり方で微妙にニュアンスが変化。中庭の植栽が育つと、外壁の緑と樹木の緑がひとまとまりに見えるように計画されている。街路樹が多いエリアのせいか、「大きな緑色の家」も街の景色に違和感なく馴染む
坂田さんたちはあえて角度をつけるなどして、屋根の不規則なアップダウンを強調。高低差のある周囲の建物と共に、ユニークな「都市の山並み」をつくり出している。人目を気にせず家族でくつろげる「谷の家」は、都市の山間の谷に出現した楽しいプライベート空間だ
LDKの天井高は最大約4mで、ハイサイドライトからたっぷりの光が入る。床は中庭のウッドデッキと続いており、窓を開けると屋内外が一体化して抜群の開放感。それでいて周囲の家はほぼ視界に入らず、ここには自分たち家族だけしかいないようなプライベート感を味わえる