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妻の趣味と夫の仕事を両立し、快適な暮らしも叶えた建築家の自邸

偶然に紹介された土地が運命の出会いとなり、設計事務所兼自邸を建てたいという気持ちがふつふつとわき上がったアトリエ住之舎の角野さん。ところが、奥様は土地に縛られるのがイヤで、持ち家にはかなり否定的だった。諦めきれない角野さんが、奥様を納得させ、ついに念願の一軒を完成させるまでの経緯を伺いました。

ペットと快適性と趣味を満たす住まいの計画

角野さんの設計事務所兼自邸が立つのは、名古屋市名東区の丘陵地に広がる静かな住宅地。大通りに面してはいるが、交通量はさほど多くない。「設計事務所としては大通り沿いで目に付きやすい方が良く、それでいて住まうのにうるさい場所は困る。そう考えた時、ここは非常に理にかなった土地だったんです」。土地に運命を感じた角野さんは具体的なプランや予算計画を立て、持ち家に否定的だった奥様の説得をじっくり試みた。すると、大きく3つのミッション(=奥様の要望)が与えられることとなる。

1つ目は愛犬のコーギー・エリカが快適に過ごせること。角野さんはまず、滑りにくく比較的やわらかなパインの無垢材を床に用いて犬の足の負担を少なくし、LDKと客間、バスルーム・洗面所からなる2階の住居スペースを引き戸ですべてつながる間取りとした。今では新しく家族となった愛猫・ルナも加わり、俊敏に走り回っているとか。回遊性を高めてペットが動きやすい動線を確保することは、人の使いやすさにも通じるところだ。

2つ目は日当たりと風通し。土地を購入する段階で、すでに南側に住宅が建つことはわかっていた。だから「南側を除外した三方向から、いかに光と風を取り込むか。朝は日差しを浴びて目を覚まし、明るい光のなかで朝食を味わいたいと思い、寝室とキッチンは東側に配置しています。一般的に南側に置くリビングも、今回は街路樹が並ぶ北側に持ってくることで窓に緑の景色を取り込みました」と角野さん。リビングの勾配天井に設けた開閉式のトップライトからは、北側とは思えないほど明るい光が射し込み、風が抜け空気が循環する気持ちのよい空間を実現した。

そして、3つ目は奥様の趣味であるバイクガレージ。2階部分を屋根代わりとした玄関横にガレージスペースを作り、玄関を入ってすぐ右手にバイクのブーツやツナギ、ヘルメットなどが仕舞える土間収納を設け、そこからウォークインクローゼットを連続して配置している。「帰宅したらバイクを停めて、ブーツやツナギを脱ぎ、そのまま普段着にすぐ着替えられるよう、一連の流れをつなぎました。ここは完全に妻の生活スタイルに合わせています」と角野さんはにこり。

こうして、3つのミッションに対する回答プランを計画。奥様が納得する唯一無二の一軒に仕上がった。
  • LDKは約15畳と決して広くはないが、対角線を長くとって奥に和室を配置することで、奥行きや広がりを感じるように

  • リモコンで開閉するリビングのトップライト。光がしっかりと射し込み、北側とは思えないほど明るい。風の抜けも良好

  • 2階バルコニーの下、玄関横がバイクガレージ。2台分を置けるスペースを確保。玄関から出てすぐバイクに跨り出発できる

  • 玄関内。入って右手がバイク用品などを置ける土間収納。その奥にある扉がウォークインクローゼットだ。正面には飾り棚

使い勝手や断熱性能で暮らしの満足度を高める

外観はシンプルな切妻屋根。1階の外壁はモルタルの上にトップコートで、2階をベルアート塗料で仕上げ、上下階で異なる色と素材を用いながらすっきりとした印象に作り上げた。邸内には奥様の要望だけでなく、より住みよくなるよう角野さんのアイデアや工夫も随所に見られる。

「夫婦共働きのため、洗濯物が干しっぱなしでも大丈夫なように屋根のあるインナーバルコニーにしています。また、2階が居住スペースのため、ゴミを仮置きしたり、小さなイスやテーブルを置いてコーヒーを飲めるようキッチン・リビングのすぐそばにバルコニーを配置しました」と角野さん。

また、各部屋ごとに天井高を変えているのも角野さんのこだわりだ。1階の設計事務所は、来客との打ち合わせスペースを少し高めの天井でゆとりのある空間に。作業デスクなどがある自身の仕事場は床を上げ、天井は下げて少しこもった秘密基地のように仕上げている。2階は基本の天井高を2.3mとし、リビングは最高3.2mに至る勾配天井で、伸びやかで開放的な印象とした。一方で客間は座して過ごすことを前提に、天井高を2.15mに抑えてより落ち着きのある和室としている。

さらに、2016年4月よりスタートした建造物の省エネルギー性能を公的に評価する制度『BELS(ベルス)』で、最高ランクの5つ星も獲得している。「BELSの評価はエネルギーロスで判断されます。だから断熱性能を特に重視し、建物全体が魔法瓶に包まれているようなイメージでプランニングしました。基本的な断熱材や窓・サッシだけでなく、例えば厚さ20㎜と厚めの無垢材を床に用いてより断熱性を高めたり、リビングの勾配天井に木を張り込んで断熱と調湿性能を持たせたりしています」と角野さん。法令で省エネ基準への適合が段階的に義務化されていくこれからは、特に無視できないポイントとなってくるだろう。

住宅はわかりやすい間取りやデザインについ目が行きがちだが、根本的な暮らしやすさを追求した住宅こそが、より高い満足度となり、充実した生活の土台となるのだろう。新居で実際に暮らし始めてから、奥様は角野さんにこう言ったという。「家を建てて本当によかった」。
  • スペースを有効に使うためキッチンは壁付けでL字型に配置。LDKからすぐ出入りできる場所にインナーバルコニーが

  • リビングは切妻屋根を活かした勾配天井。和室と比較してもわかる通り天井高があり、開放的で伸びやかなスペースに

  • 建物の内装はホワイトが基調。リビングの勾配天井に張り込んだ板は、木目を上に向けることで高さを強調している

お家のデータ

所在地
愛知県名古屋市
家族構成
夫婦
予 算
2000万円台
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