多彩な用途のある「土間」で暮らしの楽しみが広がる住まい

土足で入れる便利さから、日本家屋でよく利用されてきた「土間」。
かつての「暗い」「寒い」というイメージは、今はもうなく、
内と外の空間をつなぎ、暮らし方の幅を広げるスペースとして注目されています。
薪ストーブを置いたり、自転車をディスプレイしたりと、使い方は無限。
そんな、多彩な用途をもつ機能性と、空間にゆとりを与えてくれる
「土間」のある暮らしにこだわった住まいをご紹介します。

おうちでキャンプ気分。 土間を楽しむスキップフロアの家

埼玉県川口市 / T邸

完成したT邸で最も個性的かつ魅力的なスペースは、1階の土間だろう。ご夫妻とお子さま1人という3人家族のTさまは、キャンプなどのアウトドアが大好きなご一家。そのため、事前の会話の中で「アウトドアグッズを収納できる土間があったらいいよね」といった話が出てきたのだ。

土間づくりはコーデザインスタジオが得意とすることの1つで、小嶋さんはこれまでにも、施主の暮らしに合わせたさまざまなタイプの土間を提案してきた。そんな小嶋さんがT邸につくった土間は、「アウトドアができる土間」。いったい、どんなスペースなのだろうか?

暮らしが広がる土間、吹き抜けリビング…。 こだわり溢れる「住まい手オリジナルの家」

東京都 / S邸

「この人なら、自分の希望をしっかりと叶えてくれる気がする」。そう思い、幸地さんに家づくりを依頼したというSさん。設計時点でまず要望したのは、子どもの遊び場や接客スペースも兼ねた広いエントランスとセカンドリビングと、空を眺めることができる南向きのリビング。そして、敷地の不整形部分も最大限に生かした外観という3点だった。

この要望を叶えるべく、いくつかプランを考えた幸地さん。最終的に決まったのが、1階に広々とした土間とセカンドリビングが一体化した開放的なスペース、2階に吹き抜けのLDKと水回り、そして3階に夫婦の寝室と子どもスペースを設けるという案である。

狭い「路地状敷地」で実現した 2世帯が緩やかにつながる家

東京都世田谷区 / I邸

そして、懸案事項でもあり、日比生さんの腕の見せどころでもある縦長の竿部分は、1階をロードバイクが置ける土間ギャラリー、2階を細長い居室、そして3階をルーフバルコニーにすることに決めた。こうして駐車場にとしてしか使えないといわれていたスペースは、みごとに豊かな住空間に生まれ変わったのである。

具体的な間取りを見ると、1階に土間ギャラリーと、お母様の居室+水回り。2階に吹き抜けのあるLDKと個室、奥様のパウダールーム兼ご主人の書斎。そして3階には、夫婦の寝室が配されている。ちなみに、2階の個室は幅約1ⅿ、長さが約7ⅿとかなり縦長ではあるが、いまはIさんにお子さんが生まれ、ここが子ども部屋として使われているのだそう。狭い敷地ながら、家族全員のスペースをしっかり確保できているところは実に見事である。

公園の延長のような住まい。 桜と共に過ごす大空間リビング

東京都町田市 / S邸

Sさん邸の扉を開くと眼前にリビングが広がる。玄関は独立したスペースではなく、ソファー部分まで続く土間のようなしつらえになっている。これは、公園の景色が家の中まで続いているかのような雰囲気を出す、インナーテラスという考え方だ。
一歩足を踏み入れると、奥様のリクエストだという壁一面の本棚に目を奪われる。高い天井まであるその本棚は、インナーテラスと相まって、ヨーロッパの古書店を思い起こさせる。

そしてその本棚には大きく開けられた窓があり、眼前の公園の景色が取り込まれているかのようだ。春にはここから公園の桜が見え、あたかも本棚に桜の絵が飾られたような様相を呈する。そして夏には月を秋には落葉をそして冬には雪をと、四季折々の景色を楽しめるのだ。

家とともに人生を歩む。 日ごとに愛着が増す、ゆとりある家

東京都練馬区 / O邸

敷地面積が約100㎡と決してスペースが贅沢にあるわけでなく、加えて風致地区にあり制限も多い中で建てられた小山田邸。できるだけ無駄を省くことを考え、廊下を無くし、部屋と部屋を壁面で区切るシンプルな間取りになった。

小さな家だからこそ、間取りの工夫に加えて空間の抑揚を大切にしたという小山田さん。玄関から土間を入ってすぐのところにあるダイニングキッチンは、天井高をあえて低くした。約2m20cmと一般的な建売住宅のそれよりも若干低いくらいにしたという。一方でそこから繋がるリビングはダイニングよりも階段3段分床が下がり、天井も高い。きゅっと絞られた印象のダイニングから、上下にも視界が開けるリビングへ入るととても開放的に感じられる。