
暮らしが広がる土間、吹き抜けリビング…。
こだわり溢れる「住まい手オリジナルの家」

幸地 俊一
こうち しゅんいち
Lods一級建築士事務所
東京都 品川区
クライアントそれぞれの価値観に寄り添い、そこに住む「人」と「土地」に合った、より美しく、より心地よく、より新しい「家」を探求します。
一枚の壁が外観の個性と
居住空間の安心感をみごとに演出
この要望を叶えるべく、いくつかプランを考えた幸地さん。最終的に決まったのが、1階に広々とした土間とセカンドリビングが一体化した開放的なスペース、2階に吹き抜けのLDKと水回り、そして3階に夫婦の寝室と子どもスペースを設けるという案である。
また、<敷地の不整形部分を活かした外観>という要望に対しては、敷地境界に沿って一枚の壁を設け、空の見えるアプローチ空間を設ける形で応えた幸地さん。この袖壁は内部と前面道路との距離を保ちつつ、奥まった場所にいる安心感を演出する役割も果たしており、開放感は保ちながらプライバシーを確保したつくりとなっている。
季節や時間ごとの光を計算!
空を眺めて過ごす、ゆとりのLDK
家族が集うこの空間でSさんと幸地さんがもっともこだわったのが、南向きに設けられた大きな開口部だ。「窓からどの程度光が入るのか、季節や時間などを考慮して計算し、窓の高さと軒の出幅を決めました」と話す幸地さん。この日差しの入り方にもSさんのこだわりがあり、それにこたえる形で何度もシミュレーションを繰り返したのだという。「3階に行く階段から見る空の景色がすごく好きなんです。本当にずっと見ていられます」と嬉しそうに奥様が話してくれた。
その眺めの良い階段を上った先にあるのが、子どもスペースと、ご夫婦の寝室である。この子どもスペースは、将来2つに仕切り、子ども2人の個室になるように考えられている。吹き抜けで空間がつながっているため、いつでも子どもの気配を感じることができるのだそう。取材したこの日も、LDKには3階にいる子どもたちの楽しそうな笑い声が響いていた。
「気に入らない場所が1つもない」
理想の家の住み心地は?
Sさんに実際この家に住み始めた感想を聞いてみると「気に入らない場所が1つもないんです」という答えが返ってきた。奥様も「主人が本当にこの家を気に入っているので、前よりも掃除や料理をまめにしてくれるようになりました」。とのこと。家族みんなも、大満足といったようすである。
ご自身で選んだ素材、自ら塗った壁、高さにとことんこだわった開口部…。何1つ妥協しなかったこと、そして、幸地さんがすべての要望に真摯に応え、希望を形にしてくれたことで完成した住まい。「大好きな物に囲まれて家族と共に暮らす毎日は、何にも変えがたいと思っています」そうSさんは話してくれた。
基本データ
| 所在地 | 東京都 |
|---|---|
| 家族構成 | ファミリー |
| 施主 | S邸 |
撮影:成田佑弥(スタジオデンデン)
設計者情報
この建築家が建てた家
この実例を見た人はこちらも読んでいます

この家だけにある「空間×風景」の絶景 武蔵野の自然と調和する上質な住まい
東京・深大寺周辺の住宅街で自邸を建てることにした施主さまは、デザイン性の高いアーティスティックな家を希望。与えられた条件下で自然とつながる上質空間を完成させた、desus(デサス)建築設計事務所の設計ストーリーを紹介する。

家とともに人生を歩む。 日ごとに愛着が増す、ゆとりある家
小山田剛さんが自宅兼事務所として建てたのは、温もりあるシンプルな家。建築家としてだけでなく、夫、そして父親としての目線からも考えられた住まいは、大らかに家族を包み込んでいる。小山田さんが家の中に散りばめた「小さな豊かさ」をひも解くと、家と暮らしにおいて本当に必要なことは何かが見えてくる。

設計の力で、変形敷地をメリットに。 リビング感覚で憩えるウッドデッキのある家
建築家の古川真治さんが設計した自邸は、屋外の開放感と室内のくつろぎを楽しめるリビングのようなウッドデッキが大きな特徴。変形敷地の個性を最大限に生かし、理想的な住環境をつくり出している点にも注目だ。

築40年の日本家屋の梁や構造材を活用し 古民家然とした和モダンな家にリフォーム
「新築にはない魅力を引き出すこと」それが建築家・森さんのリフォームへのこだわり。今回紹介するN様邸はリフォームコンクールの受賞作品で、そんな森さんの設計思想を体現した実例。もともと使われていた構造材を活用し、N様の快適な暮らしに適した減築や改修を施して、和モダンな平屋に生まれ変わらせている。

二世帯住宅で家族が集まる。30人!?でも幸せな空間とは?
かつて母家と倉庫のあったところに二世帯住宅を建てることに決めたQさんご家族。同じ家に住む家族でも以前の家との関わりも違えば、普段の生活スタイルも違います。誰もが住みやすく、楽しく暮らせる家をつくるため、家族はたくさん家の話をしました。

旗竿地を強みに。RC造で叶えた住みやすさ 住居と仕事場を併設する家
自宅を新築するため、購入したのは住宅街の中の旗竿地。かねてからRC造で建てることを決めていたお施主さまは、RC造の経験豊富でデザインにも妥協なく家づくりをする建築家の鈴木さんに設計を依頼した。自宅に仕事場を備えた、新しいライフスタイルの住宅は、旗竿地を強みに変え、暮らしやすく整えられている。

広さ、使いやすさ、快適性 リフォームで手に入れた理想の住み心地
幼い頃を過ごし、一時期は賃貸活用していたというマンションに戻り家族と暮らすことに決めたnote architectsの鎌松亮さん。自分たち家族の生活スタイルに合った空間にすべく、リフォームを実施。ただ間取りを変えたのだけではなく、家族誰もが暮らしやすい空間が生まれた秘密は3つのテーマにあった。

建てる前に知っておきたい!「本当に快適な家」のつくり方
家を建てるなら、こんな間取りでこんな床。窓はこうして照明は…。多くの場合、インテリアの延長で家への夢を描きがちだが、長く快適に住むには機能性も大事。天井高約5mの開放的なリビングのある住まいを建てたC様ご一家は、建築家・関太一さんとの出会いで「あること」への意識が高まり、想像をはるかに超える住み心地の良さを実現。プロのアドバイスがなければなかなか気づかない、その「あること」とは?

築90年の生家を新たな住まいに! 建築家が自ら設計した「理想の二世帯住宅」
結婚を機にご両親と住む二世帯住宅を建てることになった、スタウトキャッスル一級建築士事務所の松隈 守城さん。完成したのは築90年の生家で使われていた建材やもともとあった蔵をそのまま生かしたモダンな住まいだった。周囲に溶け込むデザインが評価され、みごと福岡市都市景観賞も受賞したという松隈邸。その詳細をご紹介しよう。

