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安心感・重厚感を感じさせる「大屋根」のある家特集

「大屋根」とは屋根形状のひとつで、1階と2階の屋根を2枚の屋根面で覆うなど、一つの屋根を複数の階にかけた形状を指します。1枚ごとの屋根面積が大きいためにこのように呼ばれ、ダイナミックな印象の外観をつくることができます。ここでは、そんな「大屋根」を最大限に活かした、個性的な住まいを紹介します。ぜひみなさまの自分らしい住まいづくりの参考にしてください。

里山の風情に包まれた立地に馴染む、大屋根の家を構想

土地が広いため、平屋で伸び伸びとした暮らしをと提案すると、T様から「階段のある暮らしがしたい」と要望があった。T様は小さい頃から平屋暮らしだったため、家の中に階段のある暮らしが、ある種、憧れでもあった。加えて、代々住まわれている家柄ということと、周辺環境に馴染みのある建物にしたいと考え、大屋根の格式ある形と平屋をリンクさせて、外見からは平屋に見える2階建ての家を構想。2階は広い小屋裏のような空間とすることで、平屋のような高さ関係を取った。

屋根裏部屋風の2階は総畳敷き。庭と建物の境界を感じさせない「繋がる家」

外観においても、杉板に柿渋と松煙の入った塗料で外壁を黒く塗装して、ノスタルジックな風合いに仕上げている。庇の長さや開口部の位置を細かく検討することで、可能な限り雨掛かりを防ぐ。雨樋はあえて作らず、大屋根にはガルバリウム鋼板の波板で葺いているため、屋根を伝って雨が落ちてくるが、深い庇は1mも出ているため、雨水は庇の先から真下の地面まで一直線に落ち、建物自体にはかからないという。「家の中から見ていると、まるで滝のような雨水のカーテンが、実はすごくキレイなんです。特にどしゃぶりの雨の日はいいですよ」と奥様。日常生活において、多くの人が億劫に感じる「雨」さえ、暮らしのアクセントの一つとして楽しんでいる。休日のみならず、Y様は庭仕事にいそしんだり、照明やちょっとした棚を手作りしたり。Y様邸は、毎日の生活自体に多彩な楽しみがあふれている住まいなのだ。

施主の想いを理想的な形にした、自然とともに暮らす家

敷地の東側に位置するエントランスから入ると、まず端正な石積み屏が目を惹く。施主の希望は外壁に木と石を使いたいとのことだったが「外壁材として石を貼ってしまうとどうしても安っぽいハリボテのような感じになってしまいます。ですので建物から切り離して、貼るのではなく積んで、石積み屏としました」。石は郡上で採取される和良石。自然の石を加工せずにそのまま積み上げる野面積みだ。隣家からの目隠しとなると同時に、力強いアクセントをこの家に与えている。

ファサードの軒先は「正面から見て『どうだ!』という構えた外観にはしたくなかったので低く抑えました」。加えて、片流れの大屋根が視線を空へと自然に誘ってくれる。駐車場スペースは、大屋根と石積の壁により、自生するミツバツツジを切り取った景色とすることで、訪問者をもてなし、住人には我が家に帰ってきたという安心感と喜びをもたらしてくれる空間とした。

大屋根の下にさまざまな居場所がある終の棲家

ガルバリウム鋼板の横葺で仕上げた寄棟屋根が印象的な木造平屋建ては、子育てを終えた施主Sさん夫妻の終の棲家。もともとは総2階の大きな輸入住宅で、計画当初も以前とほとんど変わらない総2階のプランニングからスタートしたという。これを夫婦二人の暮らしに合わせた住まいのスペースに縮小した。「大きな家から小さな家に。場所が減れば、これまでできたことができなくなる。狭い=不便で、全てがマイナスという印象だったようです」と窪江さん。