「セカンドライフ」を楽しく過ごす 快適な住まい特集_VOL.3

子育てを終えて、夫婦二人の生活を楽しく快適に過ごしたいという方も多いのではないでしょうか。
息子・娘・孫たちの来訪はあるが、基本は夫婦二人の暮らし、リタイア後は家の中で過ごす時間が長くなるのは避けられません。
ここでは、そんなセカンドライフを楽しく快適に暮らすために、建てられた住宅をご紹介いたします。
ぜひみなさまの自分らしい住まいづくりの参考にしてください。

和と洋の融合で自然と調和 人生の最終章を豊かにする夫婦の住まい

福岡県筑紫野市 / I邸

福岡県筑紫野市、博多の奥座敷ともよばれるこの地域にIさん邸がある。眼前には水田が広がり、背後には宮地岳の山並みを望む、のどかな風景の中に溶け込む和風建築。大きな窓と縁側が広がり、まるで高級料亭や旅館の離れに来たかのようだ。門扉からエントランスまでのアプローチには、白い玉砂利と大谷石の飛び石。左に庭の木々や築山を眺めながら、飛び石を1歩1歩進んでいくことも、特別な場所に来たような感覚にさせているのかもしれない。

施主のIさんは、もともと家族でこの地に長く住まわれていたが、子どもたちが独立。夫婦2人だけの生活となり「老後の余生を2人にとって最適な暮らしができる家で暮らしたい」と考えるようになったという。いわば「終の棲家」への建て替えだ。

自然に囲まれ、便利に暮らす!妥協できない矛盾に答えた素材使い

/ Y邸

名門校が立ち並ぶ、都内でも有数の文教エリアを抜けた閑静な住宅地に建つ、イエローの外壁が印象的な家。屋根部分や手すりには黒の塗装が施され、温かさの中にもメリハリの効いた趣きが家主のこだわりを感じさせる。

 この家を建てる前も、近隣の注文住宅に住んでいたというYさんご夫妻。お互い近い将来に定年を迎える。仕事をやめた後の生活をふたりで考えた末、思いきってなじみのある同じエリア内に土地を買い替え、家を新築することに。

趣味の釣りを満喫! 船上デッキから海を望む家

兵庫県淡路市 / 船上デッキからの景色が望める家

Y邸が建つのは、大阪湾を望む山の山頂付近。Yさんはその眺望の良さに惹かれ、この土地を購入。セカンドハウスを建てることを決めたのだという。もし住み心地が良い家ができれば、ゆくゆくは移住することも視野に入れていたというYさん。「どうせ建てるなら建築家に設計を依頼したい」。そう考えて、知人に相談。そこで紹介を受けたのが、木下さんだった。

Yさんが思い描いていたのは、2階からの素晴らしい眺望を活かした家。広いデッキで海を見ながらバーベキューをしたり、お風呂の中から海を眺めたり…。日々のなかに、いつも海がある。そんな暮らしだった。

夫婦2人暮らしにうれしい工夫が満載。 豊かな居心地を楽しめる田園の平屋

福島県郡山市 / 逢瀬町の平屋

福島県郡山市にある『逢瀬町の平屋』は、仙台市に住む施主さま夫妻がご主人のご実家を建て替えたものだ。施主さま夫妻には2人のお子さまがいるが遠方で暮らしており、築80年を経た郡山のご実家は、数年前から空き家になっていたという。

建て替えの主目的は、永く住める家を新たにつくって次世代に引き継ぐこと。建て替えが済んだら当面はセカンドハウスとして使用し、ゆくゆくは終の住処にしたいと考え、『谷山建築設計室』の谷山武志さん・裕子さん夫妻に設計を依頼した。

セカンドライフは地元民が集う珈琲店 庭の景色や風を愉しむ店舗併用住宅

埼玉県羽生市 / コミュニケーションカフェのある家

定年を迎え、生まれ育った地元で第二の人生を送ろうとしていたUさんご夫妻がチャレンジしようとしたのはカフェの経営。その店舗併用住宅の設計を依頼したのは、土地のもつ自然環境を巧みに利用し上質で快適な空間を創り上げることに定評のあるベテラン建築家、ア・シード建築設計の並木秀浩さんでした。