「こんなプラン、ハウスメーカーからは絶対に出てこない」。施主Tさんをそう言わしめたのは、建築家・木村さんが提示した20を超えるプランだった。手間暇惜しまず、施主に寄り添い、納得するまで可能性を探り続けるのが木村さんの流儀。その結果生まれたT邸は、4台分のガレージと高断熱・蓄熱性能で青森の冬も快適に。親子二世帯が、プライバシーを守りながら絶妙な距離感で暮らす家が生まれた。
この建築家に
白と黒のモノトーンの外壁とシャープなラインが存在感を放つ外観。四角いボリュームと片流れ屋根のボリュームがくっつくL時の構造。
大人1人1台、計4台分のビルトインガレージをもつT邸。夜になり灯がつくとモダンさに拍車がかかる。
中央にある共有のエントランスは、天井が吹き抜けとなっていて、光が降り注ぐ。親世帯・子世帯で独立した玄関をもつ、完全分離型二世帯だ。
エントランス左は親世帯の玄関。ガレージに面して窓もあり明るく清潔感のある場となった。
廊下と吹き抜けの窓部分を有効活用し、カウンターを設けた。家事や仕事、勉強のスペースとして重宝する存在。
子世帯の玄関には、大容量のシューズクロークが。将来、ベビーカーなどを置くのにも重宝する空間。外へ出ず直接親世帯のキッチンと繋がる扉もあり、両世帯の程よい距離感の構築に一役買っている。
親世帯は約30畳の大空間。白壁とフローリング、杉の天井によって温もりを感じられる空間。広さだけでなく、吹き抜けの天井がより空間に広がりを感じさせている。
南側には、縁側のような土間が。デッキと合わせリビングの延長にもなるという。トリプルガラスの大窓と薪ストーブによって、土間が蓄熱され、冬の光熱費も驚くほど下がったとか。
キッチンは、リビングが見渡せて回遊しやすいアイランド型を採用。背面やサイドに大きな収納を設け、食器や食材もたくさん納められる。
LDKの隣に、琉球畳に網代の天井をもつ和室。大きな仏壇は、来客時には目隠しできるよう扉もつけた。
1階の寝室の奥にある大容量のウォークインクローゼットは夫婦それぞれの分があり、数百着の服も余裕で納められるほどの広さ。
階段を上った先にある、客間やワーキングスペースとしても使える多目的室。ここから子世帯と共有のバルコニーにも出られる仕組み。








