静かな住宅街の一角に自邸を建てることになった建築家の芝田知巳さん。引っ越し前の住まいは昼間でも照明が必要な状況だったことから、隅々まで明るい家をつくりたいと考えた。敷地条件などが厳しい中、芝田さんはどのように家中に光を届けたのだろうか。光だけでなく風も季節も感じられるS邸の秘密に迫る。
この建築家に1階LDK。生活の中心の場は、南側の庭に続く窓、中庭の窓、さらにトップライトと複数の方向から光が入り明るい。また自然の風や音などの心地よさも思う存分感じられる、いつまでもここにいたくなるような空間となった。画像奥の収納棚も芝田さんの設計によるもの
上部の2階からロフトへの階段はポリカーボネート板の蹴上から光が抜けるように計画。1階までを明るくする
1階、玄関ホールから中庭、LDKへの扉を見る。中庭には季節ごとの楽しみがあるモミジを植えた。「玄関ホールは仕事の打ち合わせにも使用しますが、昔の家によくあった、玄関脇の応接間のようなイメージでつくりました」と芝田さん
1階洗面室。水がかかる可能性がある奥の壁面には大理石のタイルを使用。ハイセンスな高級感がある