以前の家のクラシカルな雰囲気を望む親世帯、テラス付きの開放空間を望む子世帯。建築家の角倉剛さんは異なる要望に応え、大満足の住まいを実現。二世帯、建て替え、都市部の家づくりなど、さまざまなヒントが詰まった『代々木の二世帯住宅』の魅力を追う。
この建築家に1階親世帯の玄関からの眺め。奥を左に行くとLDK、右の窓から庭に出られる
1階親世帯。ステンドグラスや照明、奥のスイングドアなどは旧I邸から引き継いだもの。ドイツ製の漆喰壁や寄木状のフローリングなど、本物志向の上質な内装で、時間を重ねたアイテムに負けない空間をつくり上げた。木の色のまま、幅広で仕上げた巾木や窓枠も時代感を演出
1階親世帯。庭に出る奥の窓の近辺の床は、日焼けしやすいフローリングを避け、庭の軒下に敷いたタイルと同じ素材で仕上げている。天井も庭の軒裏と同じ素材でひと続きにすることで、内と外のつながりを表現。屋外との心地よい一体感が生まれている
1階親世帯の個室。こちらの照明も旧I邸にあったもの。さらに、以前の家の市松模様の天井もトレースし、お母さまが慣れ親しんだ住まいの面影を残した
撮影:吉田 誠