お家を垂直方向に支える「柱」、水平方向に支える「梁」など
構造材をあえて露出する、そんなデザインが今、話題に。
柱や梁を露出することで、天井高が上がり、より開放的な空間に。
また、ハイサイドライトが取り込め、より明るい空間に仕上げることも可能。
さらには、インテリアデザインの幅も広がり、日々の暮らしにより一層、
彩(いろどり)をもたらしてくれます。
今回は、そんな多様性に富んだ「現(あらわ)しのある家」をご紹介いたします。
ぜひみなさまの住まいづくりの参考にしてください。
熊本県熊本市 / 切妻と土間の家
なんとこの天井、金具を使用していないのだ。切妻屋根のフォルムや木材の美しさをそのまま見せようと、一般的な梁や金具を使って固定する方法ではなく、両側からくる垂木を削り、組み合わせて固定する方法を採用した。垂木の本数が多い理由は、そのうえでがっちりとした構造を実現するために、屋根を強くする必要があったからだという。おかげで、整然と垂木が並んだ姿が壮観な、木の雰囲気が存分に感じられる天井ができた。佐賀県鳥栖市 / 萱方の住宅
大らかに囲う天井は、仕上げ材を省き木の構造材を現しにした。「普段は日の目を見ることが少ない梁などの構造材ですが、美しく並べれば魅力的に見せることができます」と山口さん。要望に応えるために新たに素材をプラスするのではなく、必要な素材を活用することでコストダウンも実現した。長野県松本市 / 松本岡田の家 − 切妻六.五間堂 −
目時さんの工夫は、切妻屋根をはじめとする基本プランにとどまらない。室内空間にも、島根県出雲市 / 里方の家
リビングにあえて扉を設けることで、来客にリビングを見せずに和室へといざなうことができる。普段は扉を開け放つことで庭の景色も楽しめる。扉1枚あることで「パブリック」と「プライベート」の切り分けを見事に成し遂げた。東京都大田区 / 大田区の家
この家は切妻屋根だが、片山さんは屋根の一部(道路からは見えない)を90度回転させて、LDKの天井に起伏の変化をつけた。LDKは現し天井なので、異なる方向から垂木が延びて合わさる複雑な美しさが生まれ、LDK全体がアートのよう。屋根の回転による隙間を利用した三角形のハイサイドライトなど、外部の視線が入らない窓も多数あり、道路側以外の3面は隣家があるにもかかわらず採光は抜群。、東西南北全てからの光が届き、時間帯ごとに日差しや空の変化を感じる気持ちの良い住まいとなっている。熊本県菊池郡 / 武蔵丘の家
LDKは、先述の通り庭に向かう大きな窓が南側にある。小さいボリュームの玄関が向かいにあるため直射日光は入らないが、庭が明るいおかげで柔らかな光を得られる。また、隣家の庭を挟むおかげで視線が届きにくい東側にも大きく開口し、さらに隣家が迫る北側にも、すりガラスの羽目殺しの窓を設けた。このように、間接的に光を入れられる場所はきっちりと開けて陽だまりのような空間を実現した。沖縄県与那原町 / 与那原の家
それでは邸内を見ていこう。まずは親世帯から。玄関を入り歩を進めると見えてくるのが広々としたLDKだ。コンクリートの壁でありながらも、床や家具、現しの天井の垂木が木の温もりを感じさせてくれる。これぞ混構造の生むほっこり空間。大開口の先に広がる庭からの開放感、三角屋根高さ方向の広がりをもたらしている。屋根下には窓が設けられ、光を室内に導くほか、風の通り道にもなるという。赤瓦屋根にいくつもの役割を持たせてしまうことには驚かされる。愛知県豊田市 / 緑豊かな中庭のある平屋の住まい(豊田市の平屋)
林邸は、リビングとダイニングキッチンはあえてゾーンを分けている。庭にせり出すように箱(棟)を配置することで、角が数多くできる。その角にも窓をつけることで、景色の広がりや風の通り道を作り出した。兵庫県伊丹市 / 野間の家
落ち着いた雰囲気を実現したのは間接照明だ。キッチンの収納棚の上に照明を入れ、壁面を照らしたり、ポイントポイントで天井に光を当てたりすることで好みの雰囲気をつくりあげた。