「娘の家の設計をお願いできないか」──かつての仕事の先輩からの依頼を受けた
建築家・森田久雄さん。しかし取り掛かると次々と難問が立ちはだかる。検査済証のない地下室。それをクリアしたかと思えば、伸びやかな空間を阻む法規制が立ちはだかった。多様な物件を手掛けてきた経験と諦めない情熱で、森田さんは施主の期待を超える光あふれる住まいを実現した。
(共同設計者 SUGI architects 杉 拓磨)
広々とした玄関ホールは、タイル張りの床と白い壁が織りなす洗練された空間。1階は水回りを集約。扉は取っ手のない仕様で壁と一体化。空間の美しさを損なわないよう配慮した。
スケルトンの鉄骨階段は光を遮らないよう吊り構造で。オブジェのような美しさを放っている。窓の先には木々が植えられ、この家と共に成長し、やがて心地よい木陰を生み出すことだろう。
4方向に設けられた窓により明るく開放的なLDK。オーク材のフローリングと木製建具が温もりある柔らかな表情を見せる。
北側の窓際には子供の勉強スペースとなるカウンターデスクを設置。リビング西側には、要望のあった「地べたに座るスペース」を確保。床暖房を設置し、夏は涼しく冬は暖かく、四季を通じて快適に過ごせる。
システムキッチンを採用するも、部屋全体のテイストとマッチするパネルを森田さんも一緒に選んだという。スイッチ類は棚の中納めスッキリさせた。








