空き家となっていた奥さまの実家を建て替えることにしたIさまご夫妻。違う場所にお住まいのお母さまがときどき来られたときのことを考え、バリアフリーの家をつくることにしたという。とはいえ、基本的にはお二人で住まわれる家。絶妙な空間のつくり方により、ご夫妻とお母さま、皆にとって住みやすい家になった
この建築家にリビングから和室、キッチンを見る。和室の奥の扉は浴室に続き、さらに奥にはご主人の趣味室がある。I邸の扉は全て引き戸、また床面はフラットなバリアフリーとした。玄関からリビングに続く廊下やキッチンの通路も、車いすでの移動が楽になるようゆったりとした幅をとった
玄関側からキッチンを見る。撮影点のすぐ後ろにご主人の趣味室があり、わざわざリビングへ行くことなくキッチンにアクセスできるようにした。通路側には大容量の収納を設け、LDK全体の使い勝手を向上させた
杉材を贅沢に使用した囲いが印象的な外観。その下の石垣は以前の家を建てた当時と法律が変わり、撤去の可能性もあったが「こんないい雰囲気の石垣を壊すのはもったいない」と稲田さんが市と相談、無事に残すことができた。写真左の大きなモミジもギリギリの掘削で残したという
主寝室。窓の先には縁側があり、ここからも庭に出られる。窓から見えるのは、建て替え前の家から残したモミジの木
リビング、南側から北側の中庭方向を見る。右の和室の床柱は以前の家のもの。和室からも、障子を開けて中庭を楽しむことができる。リビングに面した掃き出し窓の上部に換気のための窓を設けた
リビングから奥さまの趣味室までを見る。この後、趣味室にはグランドピアノが設置された。趣味室の右の扉は寝室の前室につながる。リビングで過ごす音や光が、先に眠った人の妨げにならないよう、リビングからは前室を通って主寝室に向かうようにした
深い軒の梁はそのまま室内へと続いていく。梁の先端を斜めにカットするのはプレカットではできないため、職人による手作業で行われた。画像奥、リビングの窓の外には雨戸を設けている。雨戸は風を通すアルミ製のものだが、景観を考え普段は木製のパネルに収納できるようにした
リビングから和室、キッチンを見る。和室の奥の扉は浴室に続き、さらに奥にはご主人の趣味室がある。N邸の扉は全て引き戸、また床面はフラットなバリアフリーとした。玄関からリビングに続く廊下やキッチンの通路も、車いすでの移動が楽になるようゆったりとした幅をとった
玄関。右側の引き戸を開けるとリビングへと続く。床面はナラ材、天井は杉材、玄関は洗い出しと自然素材がふんだんに使われている。お母さまがここで屋内用と屋外用の車いすを乗り換えるため、乗り換えた後の置き場所のことも考えゆったりとしたつくりにした
杉材を贅沢に使用した囲いが印象的な外観。その下の石垣は以前の家を建てた当時と法律が変わり、撤去の可能性もあったが「こんないい雰囲気の石垣を壊すのはもったいない」と稲田さんが市と相談、無事に残すことができた。写真左の大きなモミジもギリギリの掘削で残したという