広大な敷地に建つK邸は大きな平屋の二世帯住宅。中庭をぐるりと囲む建物は曲がりくねった独特のラインを描き、民家とは思えないほど洗練されたアーティスティックなデザインが特徴だ。だが設計した清正 崇さんによると、この形は二世帯だからこそ頭に浮かんだものだそう。 “長く、心地よく暮らせる二世帯住宅”は、なぜこの形になったのだろう。
この建築家に中庭/写真右が親世帯、写真左の蔵の先が子世帯。親世帯はダークブラン、子世帯は白を基調とし、世帯ごとに色味を変えて個性を出した。建物上部の手すりは両世帯をつなぐ屋上テラスのもの。テラスの美しい曲線に沿ってハイサイドの窓が連なり、空や木々の眺めとともにやわらかな光を邸内に届ける
親世帯 リビング/中庭と反対側の南西を大きく開口。家屋の外側の庭が窓いっぱいに広がり、抜群の開放感
親世帯 主寝室/テレビ台や書棚、カウンターを造り付け、使い勝手のよいすっきりとした空間となっている
子世帯 ダイニング/写真左がキッチン、写真奥左手は子世帯の専用玄関。家事をしているときも家族が帰ってきたらすぐわかる。写真奥右手は数段の短い階段があり、この階段を下りたところに主寝室、書斎、子ども部屋を配置。写真右の壁の向こうは子ども部屋で、木枠の窓から子どもたちの気配を感じることができる