両親から受け継いだ家に住んでいた施主のMさん家族。キッチンなどに手を入れたものの、自分達が思い描くような暮らしが送れていなかったという。「建て替え」か「リノベーション」か迷う中で相談をしたのが、仕事で知り合いその手腕を高く評価していた建築家、アリアナ建築設計事務所の三野さん。対話を通じて導き出されたのは、「そのまま残す」「再活用する」を取り入れた、リノベーションでした。
この建築家に明るく開放的なリビング。視線の先には、一段低くなったリビング土間が。庭と内土間、リビング土間、リビングと断続的に「外」と「内」が連なる。
元の和室の要素を残したリビング土間は、第二のリビングとして寛ぎの場に。床の間は趣味の雑貨を飾る棚としても活用。丸みを帯びた木の構造物は、Mさんご家族にも好評な個人ロッカーのスペース。デザインと実用性を兼ね備えた三野さんのアイデア。
リビング土間は、庭とシームレスに繋がるユーティリティー空間。上部を吹き抜けとすることで、縦方向にも空間の広がりを感じさせるほか、二階の窓からの光を1階に導く。
LDKの奥には、元の家から移設したアイランドキッチンを設置。写真左手方向に洗面浴室・WIC、個人ロッカー室が並ぶ回遊動線としたことで、懸案だった動線問題も解決した。
撮影:エスエス大阪 土出将也