
広いウッドデッキと室内が一体化
開放感溢れる店舗併用二世帯住宅
建物を雁行に配置することで
ひし形の土地を有効的に使用
Oさんの希望は、ご夫婦で営む床屋と一体となった、親世帯とストレスなく暮らすことができる2世帯住宅。予算が膨らむことを避けるため、LDKとキッチン、寝室のみを分けるというスタイルの家をお望みだったという。
さっそくOさんと共に土地探しを始めた清さん。建築会社の紹介で見つけたのが、今O邸が建つ、ひし形の土地だった。
「店舗併用住宅で、かつ独立性の高い子ども部屋を要望されていたこともあり、大きくなる1階のボリュームを、うまくひし形の土地に収める必要がありました」。
と振り返る清さん。
土地の形を活かしながら有効に使うべく、建物を雁行に配置。また、建物を中央に配置せず奥に寄せることで、要望があった客用3台分と、自家用車3台分(+東側に予備として縦列1台分)の駐車場スペースも確保することに成功した。
また、「店舗は店舗、住宅部分は住宅部分と認識しやすいよう、店舗部分は平屋建ての下屋として独立性を持たせ、住居部分は親世帯を1階に、子世帯を2階に配置する2階建の計画を基本としました」。と語る清さん。こうして、現在のO邸の形がある程度定まってくることとなる。
35㎝高さを下げることで
独立性の高いリビングを実現
そして、ホールを挟んで奥にあるのが、祖父母世代の寝室とリビング、キッチン、水回りである。生活リズムの違いによるストレスを感じにくいよう、ホールを緩衝空間として使用。80代と高齢のご両親のことを考え、リビングから寝室にすぐアクセスできるよう工夫されているのだという。
このリビングの特徴といえるのが、フルオープンできる木製サッシを用いた広い開口部だ。窓の外にはウッドデッキがあり、サッシを開くとリビングと一体化して広々と使えるようになっている。
ウッドデッキの向こうは駐車スペースとなっているため、車の排気ガスが入らないようRCの擁壁を設置。このおかげで、フルオープンにしても外の視線が気にならず、プライバシーを確保しながら広い空間を楽しめるのだという。
そして、2階に設けられたのが、Oさんご夫婦が使う6畳のウォークインクローゼット付きの寝室と、8畳のリビングである。Oさんの要望でリビング部分は35㎝ほど下がった位置に作られており、独立感のある落ち着いたスペースに仕上がった。
また、1階と同じく、2階にもフルオープンする木製サッシを採用。フルオープンすることで、広いウッドデッキとリビングを一体化して使えるようになっている。
清さんいわく、「建物に部分的に引き込んで陰影を付けることで見上げられる視線をカットしつつ、影を落とすことで光を反射して中が見えにくくなるよう、ウッドデッキを広く取っています」とのこと。
こうして隅々まで住みやすさを追求したO邸に、大満足というOさんご一家。最初に模型で完成形を確認できたことで、イメージ通りの住まいができたととても喜んでいらっしゃるそう。
「一番こだわっていらしたフルオープンできるサッシは風がよく抜けるし、冬は暖かいし、とても気に入っていると言ってくださいました」。と、清さんも嬉しそうに語る。
土地探しはもちろん、リビングに合うソファもOさんと一緒に探して歩いたという清さん。住む人の気持ちに寄り添う家づくりは、清さんの信条だ。
「心地よく住みたいというご要望の方には、しっかりお答えできると思います。奇抜なデザインよりも、お客様の暮らし方を考えながら心地よく過ごせる空間を作った結果、他とは違う個性もある住まいになる。というのが理想ですね」。と清さん。
コロナ禍で在宅ワークが増え、家の過ごしやすさにも注目が集まっている今、清さんがつくる「心地よい住まいは」人気を集めていくことだろう。
間取り図
基本データ
| 作品名 | かみてつのいえ |
|---|---|
| 所在地 | 福島県福島市 |
| 敷地面積 | 375.49㎡ |
| 延床面積 | 170.59㎡ |
| 家族構成 | 夫婦+子ども2人+両親 |
| 予算 | 5000万円台 |
| 施主 | O邸 |
撮影:佐久間正人写真事務所
設計者情報
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