愛知県西尾市に、独創的な邸宅が誕生した。敷地は遠方に茶臼山を望み、河川の堤防に面する、自然豊かな環境に恵まれた立地だ。古い集落の入口に位置し、近隣住民の多くがこの景色や環境に慣れ親しんできた。周辺環境を壊さず、近隣に溶け込みながらも、モダンで熱効率に優れた作品のヒミツをご紹介しよう。
この建築家に
夕景外観。26mの長さを持つ片流れの屋根形状がよくわかる。屋根が高い部分のみ、一部2階建て。手前の広い庭には広大なテラスで、仲間と集まりBBQなどを楽しむための場所だ。手前が川で人通りもないため、カーテンなどを閉めずに、常にこの状態で景色を楽しんでいるそうだ
ダイニングから見たリビング方向。正面奥は一部2階となっており、フリースペースと個室が配置されている。大きな窓とハイサイドライトの効果で、室内はとても明るい
リビングから見たダイニング・キッチン方向。生活感を出さないように、パントリーや納戸をキッチン裏に配置した。冷蔵庫もパントリーに設置。一方でおしゃれな家電は見せる収納を意識した
リビング。LDKは吹き抜けのため、屋根が高い側には巨大な壁が出現することとなる。その圧迫感を減らすために、壁の角(写真右)を曲線とすることで柔らかな印象を与える工夫がなされている。正面の壁は季節や時刻によって色が変わる。外の緑や太陽光の反射が美しい
2階に配されたフリールーム。この窓から見える山々が、お施主様の奥様が幼い頃に見ていた景色だ。大のお気に入りで、趣味のピアノを弾いたり、窓からの景色を楽しんでいるという。この家唯一のエアコン(左上)で、家全体の空調が可能だ
フリールームから見たLDK方向。正面奥のキッチン裏に納戸とパントリー。そのまま駐車場へと続く扉もあり、雨の日に買い物をしても、濡れることなく食品を収納できる。とても便利な動線が好評だそうだ
片流れ屋根のもっとも低い部分。屋根付き駐車場や作業などのフリースペースとして使われている。車を2台停められる、広大なエリアだ。長い張り出しなので、鉄製の支柱で強度を確保した
片流れ屋根による、圧迫感の少なさがわかる写真。屋根の勾配をかなり緩くすることで、屋根の面が見えず、圧迫感が少なくなる計算だ
集落の入口となる道路から見た光景。片流れの低い屋根の効果で、その先に山などの景色を見ることができる
集落に入り、さらに進むとこの光景となる。周辺の住人もこの風景を見て帰宅するので、景観を邪魔しないように。片流れの奥に壁を設けず、山が見えるように配慮した。建物を敷地内で斜めにすることで、視線をずらして圧迫感を減少させる意図もある
玄関から駐車場へ続く通路。右は収納スペース、左に玄関扉。近隣の風景を切り取るフレーミングを意図した
玄関アプローチ、玄関、室内。玄関アプローチの天井高を抑え、吹き抜けの室内の開放感との対比を強調した
外壁はガルバリウム。若く活動的な夫婦の明るさと合う、白色系の淡い色を採用した。建物が大きく、濃い色だと周囲に圧迫感を与える。これを避け、周辺との調和を図る目的もあった
集落側から見た外壁。基礎の丸い穴が、エアサイクルの通気口だ。庭の木の影がガルバリウムの外壁に柔らかに映る
浴室(正面奥)へつながる脱衣所は、ランドリースペースと家事コーナー、衣類の収納スペースを兼ねている。ハイサイドライトの効果で明るい空間だ。左手前のドアは寝室につながっており、効率的な動線が考えられている
洗面。お客様も使うため、リゾート感あふれる、開放的な空間とした。脱衣スペースと洗面をゾーニングで分けることで、大きな窓を使用することが可能となった








