四季が感じられる「庭」がある住まい特集

家に居ながらにして四季の変化や、窓からの景色を楽しめる住まいを建てたいとお考えの方も多いのではないでしょうか。ここでは、その土地の気候風土を最大限に活かした、自然の移り変わりを感じられる、「庭」がある住まいづくりをご紹介します。ぜひみなさまの家づくりの参考にしてください。

川のせせらぎも、もはや我が家! 自然と一体の家づくりの極み

/ Q邸

 夏になると、川はカヌー下りや釣りをする人や、川遊びをする子ども達で賑わう。鮎も上がってくるという。そんな楽しげな川がリビングよりもっと近くで楽しめるのは、広々としたデッキだ。窓を開けるとリビングとフラットにつながり、部屋の延長のようだが、より山の空気を肌で感じられる。

 デッキには、川を楽しむ仕掛けも施した。デッキの一角には、川に向かって張り出した細長いスペースがある。足元の一部はエキスパンドメタルという金網でつくられており、下を流れる川が透けて見える。スリリングな突き出しデッキの反対側には、弓なりにのびている太鼓橋をつくった。優雅に景色を眺めながら降りていくと、川原に着く。橋の下には芝をはり、ちょっとした広場にした。

ウッドデッキが叶えた 優しい間隔と眺望

このウッドデッキ、実に素晴らしい役割を果たしている。
リビングからフラットに続くウッドデッキは、木製の扉を開け放つと、リビングと一体となった開放的な大空間となる。夜も、障子から溢れる灯りで、お互いの存在を確認できる。
デッキ中央に植えられた桂の木はお母さんの名前にちなんだもの。互いの部屋が丸見えになるのを優しく隔てるとともに、四季の移ろいを感じさせてくれる。そして将来、お母さんが亡くなられた後も、その存在を毎日のように思い出させてくれるものにもなるのだ。

そしてもう1つ、このウッドデッキのありがたみを大きく感じられる季節が春だ。向かいの洗足流れの先に咲く、桜がとても良く見えるのだ。実はこの家は、道路より90センチほど嵩上げされた上に建てられている。「洗足流れ」の万一の氾濫に備えてのものだが、その分ウッドデッキも高さが出た。これが塀に邪魔されることなく、真正面に桜をとらえることを可能とした。桜が散るころには、風に舞う花びらがウッドデッキまで舞ってくるという、風流この上ない景色が楽しめるのだ。

家に居ながらにして四季の変化や外部の景色を常に感じられる住まい

埼玉県吉川市 / Y邸

「Yさんご夫婦にとって、ここが終の棲家となります。今はお元気で、遊びや旅行に出掛けることも多いようですが、リタイア後は家の中で過ごす時間が長くなるのは避けられません。そのとき快適であることはもちろんのこと家の中に居ながらにして日々の変化が感じられる楽しい住まいにしたいと考えました。Yさんご夫婦が、日長テレビを観て過ごすような住まいにはしたくありませんでした。そこで、家の中と外が密接に繋がり、自然と庭の景色を眺め、四季の変化や窓からの刻々と変わる光を感じられるようなデザインにしました」

いつも自然を感じて、オープンでいられる家

埼玉県所沢市 / H邸

 ご主人はサーフィンが好きで、千葉の海沿いに暮らしていた頃は頻繁に海に出かけていた。埼玉に引っ越すと海からは離れてしまうけれども、この家なら波の代わりに光や風を常に感じていられる。「風向きや日当りなど、自然のエネルギーを最大限に活かすことは常に考えています」という佐藤さんの提案はHさんの心を掴んだ。最初の提案からこの家に住みたいと思えたので、ほぼ変更することもなかったという。

晴耕雨読 〜自然の循環と共にある生活の器〜

茨城県土浦市 / F邸

Fさんが思い描く暮らしは、まさに「晴耕雨読」。晴れた日には畑を耕し、雨の日には大好きな読書を楽しむという生活である。「Fさんは希望する生活がとても明確だったので、それに沿って家のイメージを膨らませていきました」と語る岩瀬さん。そこで考えたのが、土地の北側にある畑を生かすこと。そして、内と外を隔絶しない空間をつくることだった。畑の日照を確保するため、建物は平屋建てに決定。また、南北に下がる切妻屋根を採用し、庭側に天水桶、畑側に雨水タンクを配することで、雨水をうまく利用できるよう工夫した。さらに、畑がある北と庭に面する南には全開放できる開口部を設置。晴れた日に大きく開け放てば、外と中とで一体感を感じられる…。そんな「晴耕雨読」の暮らしにふさわしい空間は、こうして完成した。

急斜面を逆手に絶好の借景! 目を落とせば室内にも本気の庭

埼玉県所沢市 / S邸

玄関先にはインナーテラスを設けた。何段ものぼってきた分、見晴らしは抜群に良い。斜面の上にあって、すっと外に出られないという意味でも、この家にはインナーテラスが適していた。インナーテラスは、屋根があり、窓や壁で囲まれた完全なる室内にある。隣接するリビングとの境には壁がなく、リビングの一角にテラス席があるような印象だ。室内ではあるものの、使い勝手は外の庭と同じ。土足であがれて、愛犬も駆け回れる。テラスをふちどるように作られた庭には、好きな植物を植えることもできる。もちろん、窓の外は最高の景色だ。