
意外と後悔が多い「音」問題 足音や話し声が気にならない家へ 生活音を考えた間取りの工夫
家づくりでは、間取りやデザイン、収納などに目が向きがちですが、意外と見落としやすいのが「音」の問題です。
実際に暮らし始めてから、トイレの水を流す音や2階の足音、隣室の話し声などが気になることも。生活リズムが異なる家族がいたり、在宅ワークをしたりする家庭では、毎日の小さなストレスにつながる場合もあります。
こうした音の伝わり方は、部屋の配置や床・壁のつくり、設備の位置などによって変わります。完成してから対策するのが難しいものもあるため、設計段階から考えておくことが大切です。
この記事では、住まいの中で気になりやすい音の種類と、生活音に配慮した家づくりの考え方を分かりやすく紹介します。

どこから、どう伝わる?
まず知っておきたい住まいの「音」
ひとくちに「音が気になる」といっても、その原因はさまざまです。
対策を考える前に、まずは家の中でどんな音が問題になりやすいのかを整理しておきましょう。音の出どころが分かれば、どこに対策が必要なのかも見えてきます。
家の中で気になりやすい音は、大きく3つに分けて考えることができます。
1つ目は「外から入ってくる音」です。
道路を走る車や電車、工事、近隣の話し声などがこれにあたります。交通量の多い道路や線路などが近い土地では、特に気になりやすい音です。
2つ目は「家の中で発生する生活音」です。
トイレを流す音やシャワー、洗濯機、テレビ、家族の話し声などがこれにあたります。家族の生活リズムが異なる場合は、こうした音が気になることもあります。
3つ目は「上下階に伝わる音」です。

2階の足音や物を落とした音、椅子を引く音などが、下の階に「ドン」「ガタガタ」と響くタイプの音です。
ここで知っておきたいのが、音の伝わり方には「空気を伝わる音(空気音)」と「建物を伝わる音(固体音)」の2種類があるということです。
話し声やテレビの音などは「空気音」で、空気中を伝わるため、窓や壁、ドアなどの遮音性能が関係します。
一方、足音や設備の振動などは「固体音」。床や壁など建物そのものに振動が伝わるため、床の構造や防振対策などが重要になります。
同じ「音が気になる」という悩みでも、音の種類や伝わり方によって、必要な対策は異なります。
まずは家族の暮らしをイメージしながら、「どこで、どんな音が気になりそうか」を考えてみましょう。

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音が気になりにくい家にするには?
間取り・仕様・設備配置から考えよう
音への対策は、完成後にできることもありますが、間取りや壁・床のつくりなど、建ててからでは簡単に変えられない部分もあります。
注文住宅だからこそ、設計段階から家族の暮らし方を想像し、「どこを静かにしたいか」「どこで音が発生しそうか」を考えておくことが大切です。
ここでは、「間取り」「仕様」「設備配置」の3つの視点から、音が気になりにくい住まいづくりの工夫を見ていきましょう。
まずは、「間取り(ゾーニング)」の工夫です。
音が発生しやすい部屋と、静かに過ごしたい部屋を、あらかじめ離して配置しておくのが基本です。
たとえば、トイレや浴室といった水回りを寝室や書斎のすぐ隣に配置すると、水を流す音が気になりやすくなります。また、寝室の真上に子ども部屋やリビングがあると、足音や物音が下に響くこともあります。
逆に、クローゼットや収納を音の“緩衝地帯”として部屋と部屋の間に挟むと、音の伝わりを和らげることができます。
図面を見るときは、「この部屋の隣には何がある?」「真上や真下は?」と、上下階も含めて確認してみましょう。
次に、「仕様(性能)」の工夫です。

外からの音が気になりそうな土地では、窓の位置や大きさだけでなく、サッシやガラスなどの遮音性能も確認しておきましょう。
室内の音についても、壁の内部に吸音材を入れたり、遮音性に配慮したドアや床の仕様を選んだりすることで、音の伝わりを抑える方法があります。
特に、在宅ワーク用の書斎や楽器を演奏する部屋、映画や音楽を楽しむスペースなど、音への配慮が必要な場所をつくる場合は、早い段階で「防音に配慮したい」と建築家に伝えておくとよいでしょう。
3つ目は、「設備配置」の工夫です。
洗濯機やエアコンの室外機、給湯器などは、作動音や振動の発生源になることがあります。
たとえば、夜間に洗濯機を使うことが多い家庭なら寝室から離して配置する、室外機や給湯器は寝室や隣家の窓との位置関係に配慮するなど、暮らし方まで考えながら設置場所を検討しましょう。
また、24時間換気などの設備も、設置場所によっては運転音や風の音が気になる場合があります。寝室など静かに過ごしたい場所では、設備や給排気口の位置についても確認しておくとよいでしょう。
ただし、家じゅうを同じように静かにする必要はありません。
音を遮ることだけを重視すると、家族の気配まで感じにくくなってしまうこともあります。
寝室や書斎は静かに、家族が集まるリビングやダイニングは多少の生活音を許容するなど、暮らし方に合わせてメリハリをつけて考えることも大切です。
すべての場所に同じ対策をするのではなく、「どこを静かにしたいのか」「どんな音が気になりそうか」を整理し、必要な場所に必要な対策を取り入れていきましょう。
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音は目に見えないため、図面だけでは気づきにくいものです。
だからこそ、設計の早い段階で「音が気になりそうな場所はどこか」を家族で話し合い、建築家に相談しておくことが、心地よい住まいづくりへの第一歩になります。