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設計者情報
敷地は大分市中心部、近くに都市公園があり、新旧の世代が入り交じる穏やかな地域コミュニティが感じられる場所で、建主の夫婦は幼い子供2人と暮らす現在の家を、昔から馴染みのあるこの地で建て替えることにした。昔ながらの生活スタイルを好む夫婦は、自然環境を享受し、子供たちが成長する中で発見や気づきがある家を求めていた。 以前建っていた家は、かつて近くの川の氾濫による浸水被害が多発していたため、擁壁が設けられ、全面道路や周囲の地盤面よりも高い位置に建てられていた。それらの既存物(擁壁や木塀)を残すことで、コストを抑えながら、土地の履歴を出来るだけ引き継ぐことにした。 空間構成は、将来1階だけで生活したいとの要望から、必然的に多くなる1階の部屋数と面積的な制限を考慮し、廊下を介さず真ん中のホールから直接各個室にアクセスできる田の字形式とした。中心には南北に伸びる気持ちの良い吹き抜けを配しトップライトやハイサイドを設け、光と風を内部に取り入れる。その大空間に寄り添うように各階に大小様々な個室を散りばめた。 また、食生活にこだわりのある施主にとって、キッチンは特別な場所だった。そこは趣味部屋でもあり、創作を通した子供の教育の場でもあり、将来、家族だけでなく友人知人とのコミュニケーションの場としても機能することをぼんやりとイメージしていた。そこで、キッチンは一つの居場所として捉え直し、つまり個室として扱うことに決め、玄関を通らず外部と直接つなげ、引き違いの掃き出し窓を設けた。それらの操作はキッチンの自律性を高め、外土間と一体となって、少しだけ住宅の枠から外れた使われ方を導くだろう。 それぞれの個室には、周囲の余白に呼応させるように窓を適宜設け、どの場所からも視線が外へと抜けていく。 移りゆく季節の中で、通り抜ける風や降り注ぐ光の変化を感じながら、子供たちがのびのびと育って欲しい。そんな家になればと願っている。
基本データ
- 所在地
- 大分県大分市
- 敷地面積
- 228.25㎡
- 延床面積
- 109.43㎡
撮影:矢野紀行
設計者情報
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