
建てる前から考えておきたい住まいの維持費 家は建てたあとにもお金がかかる メンテナンス費用と備え方
家づくりの資金計画では、土地代や建物代、諸費用についてはていねいに検討します。
一方で、意外と見落としやすいのが、住み始めてから必要になるメンテナンス費用です。
外壁や屋根、給湯器、シロアリ対策など、住まいは年月とともに点検や補修、設備の交換が必要になります。まとまった出費が必要になってから慌てないためにも、建てる前から将来の維持費まで考えておくことが大切です。
この記事では、住まいの主なメンテナンス時期や10年保証の範囲、将来の修繕費に備える方法をわかりやすく紹介します。

住み始めてから、どんな手入れが必要?
部位・設備ごとのメンテナンスと優先順位を知る
新築したばかりの頃は、大きな不具合もなく快適に暮らせることがほとんどです。
そのため、メンテナンス費用を意識しないまま年月が過ぎ、点検や設備の故障をきっかけに、初めてまとまった費用が必要になることもあります。
そうなる前に、家のどこに、いつ頃どんな手入れが必要になるのかを知っておきましょう
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まず確認しておきたいのが、外壁と屋根です。
外壁は素材や塗料、立地環境などによって異なりますが、一般的なサイディングでは10~15年程度が塗装を検討するひとつの目安です。
屋根についても、素材や状態によってメンテナンスの時期はさまざま。塗装や部分補修が必要かどうか、定期的に確認しておきましょう。
また、外壁と屋根の工事では足場が必要になることも多いため、同じタイミングでメンテナンスすれば、足場を組む回数を減らし、費用を抑えられる場合もあります。

あわせて気を配りたいのが、シーリングやベランダ・バルコニーの防水です。
外壁の目地などに使われるシーリング材は、紫外線や雨風の影響を受け、少しずつ劣化していきます。ひび割れや剥がれなどを放置すると、雨水が入り込む原因になることも。
ベランダやバルコニーも同様に、防水層の状態を定期的に確認し、必要に応じて補修することが大切です。
こうした建物の外側だけでなく、住宅設備にも目を向けておきましょう。
給湯器やエアコン、食洗機、レンジフードなどは、長く使ううちに故障や不具合が起こりやすくなります。
特に、新築時にまとめて設置した設備は、交換時期が重なる可能性もあるため、将来的な出費として考えておくとよいでしょう。
さらに、木造住宅ではシロアリ対策も欠かせません。
防蟻処理の効果が続く期間は、使用する薬剤や工法などによって異なるため、施工時に点検や再施工が必要になる時期を確認しておくことが大切です。
こうして並べると、「こんなに手入れが必要なの?」と不安になるかもしれません。
でも、すべてを同じタイミングでメンテナンスする必要はありません。
そこで意識したいのが、メンテナンスの優先順位です。
特に屋根や外壁、シーリング、防水など、雨水の浸入に関わる部分は、劣化を放置すると建物内部まで傷めてしまう可能性があります。
一方、クロスや床などの内装は、状態や暮らし方に合わせて補修のタイミングを判断することもできます。
まずは「家そのものを守るために必要な工事はどれか」という視点で考えることが、無理のないメンテナンス計画を立てる第一歩になります。

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保証で守られる範囲と、自分で備える範囲
将来の修繕費まで見据えた資金計画を
「10年保証があるから大丈夫」という言葉を、家づくりの過程で耳にした方も多いかもしれません。
ただし、住まいに起こる不具合や劣化のすべてが、10年間保証されるわけではありません。
法律で10年間の責任が定められているのは、基礎や柱、梁など建物を支える部分と、屋根や外壁など雨水の浸入を防ぐための部分です。
たとえば、施工上の問題によって建物の構造に重大な不具合が生じたり、雨漏りが起きたりした場合などが対象になります。
一方、設備の故障やクロス・床の傷み、年月の経過による外壁の色あせなどは、この10年間の保証とは別に考える必要があります。
設備にはメーカー保証が付いているものもありますが、期間や対象となる内容は製品によって異なります。
また、住宅会社によっては独自の保証制度を設け、定期点検や指定されたメンテナンスなどを条件に、保証期間を延長できる場合もあります。
「何が、いつまで保証されるのか」「保証を延長するには何が必要なのか」は、引き渡し前に確認しておきましょう。
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戸建てにも「修繕積立」の発想を
保証とあわせて考えておきたいのが、将来の修繕費への備えです。
住まいのメンテナンス費用は毎月一定額がかかるわけではなく、修繕や設備交換のタイミングで、まとまった支出になることがあります。
分譲マンションでは修繕積立金を毎月支払うのが一般的ですが、戸建て住宅にはそのような仕組みがありません。
そのため、自分たちで将来の修繕費を準備しておく必要があります。
そこで、住宅ローンとは別に、住まいのメンテナンスに使うお金を少しずつ積み立てておくのもひとつの方法です。
まずは、外壁や屋根などのメンテナンス時期とおおよその費用を住宅会社に確認し、将来必要になりそうな金額から毎月の積立額を考えてみましょう。

たとえば、10年後までに必要になりそうな修繕費を想定し、その金額を120か月で割れば、ひと月あたりの積立額の目安を出すことができます。
大切なのは、将来必要になる金額を正確に当てることではありません。
「建てたあとにも、住まいを維持するためのお金が必要になる」と考え、最初から資金計画に入れておくことです。
住宅ローンの返済額を考えるときも、毎月の返済だけでなく、将来のメンテナンス費用まで見据えて検討しておくとよいでしょう。
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建てるときから
将来のメンテナンスを考えよう
将来の負担を抑えるためにできることは、積み立てだけではありません。
家を建てるときに、メンテナンスまで考えて素材や設備を選ぶことも大切です。
たとえば、耐久性やメンテナンス周期を考えて外壁材や屋根材を選ぶことで、将来の補修回数や費用が変わる場合があります。
初期費用だけで比較するのではなく、「この素材は何年後に、どんな手入れが必要になるのか」まで確認しておくと、長い目で見た費用を比較しやすくなります。
また、点検や補修がしやすい設計になっているかどうかも、長く住み続けるうえでは大切な視点です。
建築家や住宅会社との打ち合わせでは、間取りやデザインとあわせて、将来必要になるメンテナンスや費用についても相談してみましょう。
そして、住み始めてからは、日頃から家の状態に目を向けることも忘れずに。
外壁のひび割れやシーリングの傷み、雨樋の詰まり、水まわりのわずかな水漏れなど、小さな変化に早めに気づくことで、大きな修繕になる前に対応できることもあります。
間取りやデザイン、住宅ローンだけでなく、「この家に長く住むために、これからどんな手入れや費用が必要になるのか」まで、家を建てる前から考えておきましょう。
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