「スキップフロア」特集_VOL.3

オシャレでカッコいい「スキップフロア特集」の第3弾! 2階建てなのに、4~5層の床面がある間取りを実現できる「スキップフロア」。 ファミリースペース、書斎、お子さんの遊び場としてなど、 ムダのない巧みな空間設計で、狭小地でもゆとりある生活空間づくりを可能にします。 そんな「スキップフロア」を、最大限に活かした建築実例をご紹介します。 ぜひ、みなさまの自分らしい家づくりの参考にどうぞ。 限られた空間をかしこく有効活用するために用いられる「スキップフロア」。 床の段差を変え1,5階2,5階を設けることで、狭小住宅でもムダのない巧みな空間構成で、広々とした開放感を実現可能にします。 また、床の高さに差をつけることで各フロアが緩やかにつながり、想像以上の採光と通風をも生み出します。 ここでは、そんな「スキップフロア」を最大限に活かした、住まいを紹介します。 ぜひみなさまの自分らしい住まいづくりの参考にしてください。
家族を繋ぐリビング、元気に遊べる庭。 スキップフロアが叶えた安心で快適な暮らし

設計にあたり予算内に収めることはもちろん、Iさまが一坪一坪にお金をかけて土地を購入したということを意識しないといけないと思った、と語る池田さん。広い庭を確保しつつ、住みやすい家をつくるためには敷地を無駄なく使い、かつコンパクトな建物で広々とした住空間を確保することが必要と考え、スキップフロアを用いた2階建てを提案した。この提案を奥さまは驚かれたそうだが、常にファーストプランで施主の想像を一歩超える提案をする池田さんの仕事ぶりに接しているご主人は「そう来たか」とお喜びになり、すぐに納得されたという。 スキップフロアのほかにも、限られたスペースを有効活用する工夫が至る所にされている。中でも玄関のすぐ隣に大きな玄関収納を設けたことは好例のひとつ。中に入ると沓脱があり、LDKへウォークスルーで繋いでいる。Iさま一家が実質的な玄関としている玄関収納は、大容量の収納棚のほかにもアウターをかけるフックを付けたり、さらには手を洗う洗面まで設置しており機能的だ。家族が生活するうえで必要な収納と通路を一体化させたほかにも、玄関はあくまでお客様をお迎えする場としていつでも美しく整えられるという利点もある。ほかにも2階の廊下には手すり代わりに一面に棚を設けるなど、「ただ通るだけ」というスペースを極力なくし、省スペースを実現している。
コンパクト、不整形、高低差ある敷地でも スキップフロアで広々明るい空間を実現

家族3人で暮らす家の間取りの希望は、LDKと和室、個室、水回りとシンプルなもの。2階建てにするプランも検討したが、それだとそれぞれの居室が閉じてしまうと感じたという。そこで提案したのがスキップフロアだ。 まず家を要素ごとに3つのブロックに分け、LDKを真ん中に置いて和室と個室であるベッドコーナーを直列に並べた。ベッドコーナーは敷地の高低差を生かして2層に重ねたスキップフロア。夫婦の寝室へはリビングから階段を上がり、子どもの寝室はリビングから階段を下がるように計画した。 また、3つのブロックそれぞれに勾配屋根を配置し、屋根を外から見るとノコギリのような形にデザイン。ブロックが切り替わり、垂直に立ち上がる壁面のスペースを利用して開閉可能なハイサイドライトを2か所設けた。窓からだけでなく家の上部からも、しかも中心に近い位置から光が射すため、室内が満遍なく明るいうえ、風も抜ける。
14のスペースを9つのレイヤーでつなぐ スキップフロアによって、すべてを実現

結論からお伝えすると、”刀根山の家”は14のスペースを9つのレイヤーでつなぐスキップフロアで構成されている。 最大の課題である天井高を確保するため、通常は地盤面から40cm立ち上げる建物の基礎を10cmに抑えた。 さらに、スキップフロアとすることで気積を最大限に活用した。リビングの下には8畳もある床下収納を確保。収納高も1.1mあり、洗面室からアクセスできるため使い勝手も良い。押入れやクローゼット等も各所に設けられており、十分な収納容量だ。 また、階段室や廊下のない構成とすることで、コンパクトでありながらも住宅として必要な床面積を確保しつつ、開放的な空間を実現している。
スキップフロアで眺望を確保。 柱や壁のない、シンプルで開放的な空間に

「高台からの眺望を生かし、開放感がある室内空間」「自然を感じられる住宅」との要望を受け、1階に寝室や子ども室、水回りを配置。2階は確実に眺望を確保するため、プランニング前に現地に赴き、美しく山並みが見える床の高さを確認。そのうえでスキップフロアを採用し、リビング、和室、キッチン、ダイニングがらせん状に繋がる計画とした。 玄関を入りダイニングまで進む間、伸びる視線の先々に窓を設け開放感を演出。木々が生い茂る様子や一面に広がる空など、魅力の異なる景観が楽しめる。とりわけ、リビングとダイニングに面した南側の大開口には、外部の光や空気を丸ごと家の中に取り込むような魅力がある。
明暗と空間にメリハリを 店舗のような落ち着きのある黒い家

階段を上った先はスキップフロアのフリースペースを設けた。現在はお子様の遊び場として使われているが、将来的にはスタディースペースとなるという。もちろん、子供部屋はあるものの、ここで勉強することにより、LDKに居ながら子供の様子が伺えるという仕掛けだ。このスキップフロアには、道路側に大きな窓を設けた。この窓はスキップフロアや玄関に光を導くとともに、外の景色を感じられる役割も果たす。向かいの家の庭の木々が、四季の移ろいを感じさせてくれる。 2階には、吹き抜けを取り囲むように子供部屋、洗面浴室、夫婦の寝室というゾーニングとした。
室内の一部はスキップフロアに。 眺望、使い勝手、居心地すべてを叶える

室内も片流れ屋根の勾配を生かし、居室の一部をスキップフロアで構成した。高さの基準としたのは主寝室。家は南の道路側から北の畑側に向かって伸びる。先述の通り道路側の壁面は上部が大きく開口しており、そのすぐ内側に位置する主寝室は窓からの景色を楽しむことと同時に、外からの視線を避けるためにも床レベルを持ち上げる必要があったからだ。 床レベルを上げただけでなく、さらに窓と主寝室の間に腰の高さほどの壁を設け、完全に外からの視線を遮った。こうすることで、窓にカーテンが必要なくなるからだという。「傾斜に合わせてカーテンを付けることもできますが、せっかくの大開口ですから」と比嘉さん。見晴らしがよく風が通り、光も優しく入ってくるうえに、勾配天井のおかげで床が上がっていてもしっかりと天井までの高さがある。朝を迎えるのが楽しみになりそうな、居心地のよい主寝室ができた。
困難を克服し施主の要望を柔軟に叶えた スキップフロアというアイデア

そんな荒谷さんが、思いついたのが、家の中心に薪ストーブを据え、その周りを階段で取り囲み、部屋を配置するスキップフロアの家。これであれば、建物のボリュームが減った分予算内に収まるし、その分庭も広く取れる。また「地面に近い書斎」も半階分下ることで作ることができるのだ。 さらには、家全体が1つの空間となることで、家族が適度につながるほどよい距離感となる。視線が変化することで高さを感じたり、明るさや開放感も感じられる空間となる。また、冬場は薪ストーブの熱が家全体に行き渡り、夏は重力換気により、窓を開けることで家の中を風が抜けていくのだ。