
野辺山の広大な自然に
調和する伝統工法の佇まい
夜空には数えきれないほどの星、四季の彩を感じる伸びやかな住空
「特にこれというリクエストはありませんでした。ただ“居るだけで気持ちがいい空間に住みたい”と言われ、自分が住む人の気持ちになって設計を心掛けました」と建築家の中村光次(なかむら・こうじ)さん。
実際に中村さんが手がけた家を見るなかで「玄関を一歩入った瞬間に感じる落ち着きや優しさが気に入り中村先生にお任せしました…。」と奥様。実際にご夫婦で家を訪問し、どの住まいにも共通した心地よさを感じ中村さんに依頼をしたとのこと。
「その人が何を求めているのかを読み取れば、おのずと答えは出る」と中村さん。実際、中村さんが手がける住まいは、全て住む人の気持ちになって考え、提案をしているとのこと。また、中村さん自身が山梨市内から移住して20年間、小淵沢で生活をしていることもあり、そのエリアのことは自分が毎日の生活で体験済なので施主からは「中村さんの一言ひとことに確信がある」といわれることが多いのだそう。
そんな中村さんの事例の特徴として、どの家にも必ず一本は力強い大黒柱が施されている。その太い大黒柱があることで、住まい全体に安定感が生まれるのだとか。さらに、施主にも簡単な作業を体験してもらうとのことで、住まい造りに大切なスタッフ間のコミュニケーションが図れると共に、何よりも我が家に愛着が生まれるということだ。
中村さんの家へのこだわりはできるだけ各室を仕切らず、住まい全体につながりを持たせることだ。リビング、ダイニングの開口部を大きくすることで、家のどこにいても野辺山の大自然が住まい全体を包んでいるような心地よさ、四季の香り、光の色彩、風の音色…。それらが自然と豊かな暮らしを演出してくれる。
解放感溢れる吹き抜けのリビング、建材を有効利用した作り付けテーブルが鎮座するダイニング、また、それぞれの天井高には違いがあり別空間のようであるにもかかわらず、ディテールの統一により空間を見事に調和させている。
家全体に無垢材を使用しているため、時を経るごとに住空間に味わいが生まれる。吹き抜け上部の黒塗りの梁は住まいのアクセントに。釘などの金物を一切使用しない伝統工法で組まれている住まいは、細やかな職人の技だけで建てられたものだ。そのため家全体に落ち着きと品格を感じさせるのであろう。
新しい家族が増えても、住む人の心地よさは変わらない家
広大な野辺山のふもとに佇む、伝統工法で建てられたコンパクトな家は、ライフスタイルの変化や、四季の移ろいとともに、家族に幸福感を与えてくれるだろう。
基本データ
| 所在地 | 長野県南佐久郡 |
|---|---|
| 家族構成 | 夫婦 |
| 施主 | N邸 |
設計者情報
この実例を見た人はこちらも読んでいます

出入り自由、誰もが使える通り土間。 美しい田園風景になじむ、切妻屋根の家
建築家の林田さんが自邸を建てるため選んだ土地は、一面に田んぼが広がる農村地帯にある。田んぼを眺めつつ生活できる平屋は、切妻屋根も美しくしっくりと風景になじんでいる。それだけではない。出入り自由、誰もが使えるパブリックスペースとして通り土間を設けるなど、本当の意味で地域に根付いているのだ。

黒い箱の中にはこんな豊かな空間が! 白・黒・シルバーで統一された家
建築家にとっての喜びの1つに「引渡しから数年を経ても、施主家族が入居当時の状況を維持してくれている」というのがあるという。それは、施主がその家の出来栄えに満足し、そこでの暮らしを楽しみ続けているからに他ならない。「ha」の保坂裕信さんも、その喜びを味わった人の1人。保坂さんの家づくりに迫る。

抜群の景色を愉しみ、手を入れながら暮らす 日本人の心に馴染む現代の古民家
憧れていた建築家と奇跡的な出会いをした施主のYさんご夫妻。建築家の礒さんは、その期待に応え、土地のもつ抜群の眺望、施主自らが手を入れられる余白と、長く愛される普遍性をもつ、現代の古民家を実現した。

網戸から透けて見える中庭。 豊かに暮らす住まい手の魅力がにじみ出る家
区画整理によって生まれた、新しい住宅地。周辺に家がない状況で、要望を叶えつつ、将来どんなふうに近隣の家が建っても住環境に影響を受けないプランを考えなくてはならなかった。建築家の箕輪さんが出した答えは「中庭」。外からは想像できない、明るく開放的な庭が中心にある、豊かに暮らせる家ができた。

適度な距離感を保ちつつ、行き来は自由に 家族が共生するための二世帯住宅
お母さまと娘さま夫妻、3人ともに忙しく働くご家族のための二世帯住宅。建築家の木村さんが「共に暮らせる家」という要望を受け提案したのはL字型の家だ。室内だけでなく、外部からも中庭からも気軽な行き来を可能にする一方で、プライバシーも確保する。メリハリがあるからこそ共生しやすい家ができた。

自然豊かな環境を、さらに魅力的に。 明るく開放感抜群の、丘に埋もれた山小屋
恵まれた自然環境を生かし、明るく開放的に暮らしたいとお考えだったお施主さま。建築家の上原さんは要望に応えるため、なんと建物を半分地中に埋めてしまった。完成した生活空間は地下。しかし、自然光で明るく、風が抜け、空も見えて気持ちがいい。さらに、家ができたことで自然の魅力も増したという。

木のぬくもりが感じられる家で、のびのびと暮らす
家族それぞれの考えや生活に合わせて、じっくりとつくった家。その設計に関わった建築家は、我が家を最もよく知る「おうちのお医者さん」でもありました。

土地の声を聞き、敷地の課題をクリアする。 風景に馴染み、奥行き感ある平屋
畑の土地を宅地に変更、家を新築するご依頼を受けた建築家の森屋さん。敷地には様々な課題があったが、環境を見極めクリアした。同時にその工夫は内部空間にも生かせるように計算されており、お施主様が望むコンパクトながら奥行き感がある平屋ができた。一帯の風景をより魅力的にしているこの家の秘密を探る。

目指したのは、会話が増える生活空間 家族がリビングに集い、つながりが強まる家
高知県南国市の田園地帯に、独創的な邸宅が誕生した。周囲を畑に囲まれた敷地に建つその外観は、洗練されてはいるが特異なものではない。この作品の最大の特徴は、“家族のコミュニケーションが増える”ことを目的としている点だ。その考えに至った背景や子供の教育への好影響について、作品を通じてご紹介しよう。
