
house ymg –はじまりの空っぽ–
設計者情報
「必要になれば、作り足せばいい。」これは、そんな暮らし方を選んだ家族のための住宅です。 敷地は東から南にかけて森が広がる旗竿地、冬は陽射しが期待できない手ごわい環境でした。が、バイタリティあふれる彼らは、住む力を全開にして家づくりを始めます。 まず話し合ったのは、ローコストなつくり方について。その方法は、構造や外装、住宅設備等まではプロの手を借り、何もない空っぽな状態を完成させる。その先は自分達で作りながら生活することになりました。 設計が始まると、彼らはいきなりダイニングベンチを作ってきて私たちを驚かせました。しかも2脚、クオリティもなかなか高い。万事この調子で率先して工事にも参加しました。床壁天井となる合板の塗装は週末行事となり、家族総出でペンキ塗り。終わる頃には床下収納を2台と脱衣室収納棚、クローゼットの間仕切り布が完成。こうやって少しずつ、空っぽが住宅になってゆきました。 そして引渡しの日、「ここがはじまりなんです!」と、ご主人が力強く話されました。その言葉通り、彼らは今も作り足しながら暮らしています。
基本データ
- 所在地
- 福岡県筑紫野市
設計者情報
この建築家が建てた家
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HOUSE-N
この住宅には、2つの課題があった。1つ目は「コスト」である。土地・建物を合わせて2900万と予算に大きな制限があった為、敷地選定の段階から全体のコストバランスを見極め、計画を進めていく必要があった。敷地は、ロケーションを売りにしている高台に面した新興住宅分譲地だが、冷静に見るとそのロケーションがそれ程魅力的ではない。それならば、敢えて高台に面していない価格を低く設定している区画の中で、日照条件や法的条件が有利な敷地を選択した。 2つ目の課題は「距離感」である。クライアントは、家族同士の距離感を大切にしており、非常にオープンな家庭環境であった。単純に個室がそれぞれ用意されているのでは閉じ過ぎている。だからといって全てをオープンなワンルームのようにしてしまうのも乱暴過ぎる。この家族にとって心地良い距離感を保つ為には、どのような空間構成が望ましいのかを思案するべきだと考えた。 土地を1100万で購入した為、1800万で建物の計画を進める必要があった。そこで、まず、設計の初期段階にコストの観点から建坪を25坪以下と制限を掛けた。やや狭小寄りになったこの住宅に広がりを持たせる為、7枚の床レベルをランダムにスキップさせた2階建のワンルームのような構成としている。また、天井を貼らないことにより、天井材及び下地材が省略され、コストを抑えつつ、敢えて足音が響きやすい設計とした。そのように構成された空間は一定の距離感を保った様々な〝場〟の設えにもなっている。家族それぞれが好きな時間に、好きな場所を見つけ、好きなことをして過ごす。視線は、床レベル差で遮られるが、気配や音で他の家族がどこで何をしているのかを何となく感じとれる空間とした。 一見、複雑な構造に見えるが、事前に加工業者と打合せをし、経済的かつ効率的に構造が組めるよう調整を図り、特殊加工を施さないスタンダートな構造に抑えた。また、工種を少なくする為、外壁や内壁を木貼りとし、外壁業者や内装業者の手間を大工手間1つにまとめる等して、コストコントロールを図っている。 構造が露出し、内壁が木貼りとなっているこの住宅は、絵を掛けたいと思えば自由に飾れ、棚が必要だと思えば自由に追加し、ハンモックを掛けたいと思えば自由に設置でき、間仕切りが欲しいと思えば容易に増設ができる。設計時点で全てを決め切らず、生活しながら住まい手のアイディア次第で、自由に成長できる「可変性」に富み、「余白」の準備された空間構成にもなっている。 「コスト」と「距離感」という2つの課題に「可変性」と「余白」という新たな要素を加え、全てを同時並行で融合させて考えることにより、心地良い住空間の提供を目指した。

折板屋根の家
都内にある眺めのよい敷地に計画された住居+テナントのプロジェクト。B1F~2Fがテナント、3F~5Fが住居で構成されている。 抜群の眺望を得ることのできる敷地の特性を活かして、大きな開口部と広いテラスを設け、街に対して表情をつくることのできるような住居のあり方を目指した。限られた敷地の中で、最大限に面積を確保するため建ぺい率はギリギリまで使わざるを得ない。すると通常は敷地と道路の関係から、斜線の矢が突き刺さってくる。前面道路の幅員が広く角地であるこの敷地では、斜線制限こそ厳しくないが、建物の高さがあるため、日影規制がかかる。クライアントから求められたヴォリュームを単純に積層していくと、5階が日影の許容範囲をオーバーしてしまう。5階の高さを抑えて天井を下げると、今度は居室の天井高さの最低限度を満たせない。この2つのパラメーターの中で、屋根の形状を模索した。単純に日影の許容範囲を満たすヴォリュームを作るだけでは、やはり屋根は窮屈になってしまい、最上階の豊かな眺望を堪能できる空間としてはふさわしくない。そこで、屋根スラブを折板構造とし、床からキャンチレバー状に跳ね出す形状で、風景へ向かって伸びやかに延長する屋根を考えた。屋根の形状は、前述の2つのパラメーターを両方とも満たすことが出来るよう、シミュレーションを繰り返して決定している。 4階の大きな開口部は全開放できるスチールの引き戸としている。シンプルな構成の中に使い方に応じて仕上げの素材を変えながら、豊かな空間をつくることを意図した。

House in Owari 尾張の住宅
<3つのテラスを持つ住宅> 敷地は、南面に接道を持つ南北に長い陽当たり良好な平坦地です。 プライバシーを確保しながら(やや離れた西側近隣のマンションからの視線を避け)、 外部を感じることができるテラスのある暮らしを実現することが1つのテーマとなりました。 第1のテラス 3階建ての建築全体ヴォリューム調整のなか、ダイニングとリビングは2F東側の外部空間を介して広がり・ つながりを持たせ、南東の日照を心地よく確保出来る中央テラスを計画します。 第2のテラス 居室へのプライバシーと日射の影響を考慮し、西面は壁面の多い構成としながら、微風でも自然通風を得やすい大きな開口部を壁面中央に穿つことに。この2層に渡る凹みを第2の多目的テラスとし、通風(ウインドキャッチ)・眺望・中央テラスへの明るさなどを確保します。 第3のテラス 最上階には、眺望の良い南東に第3のテラスを配置します。 テラス際の居室で朝陽を気持よく感じられること、下階の中央テラスへの日照配慮などから建築ヴォリュームを定めます。 そのほか、リニアな内部階段動線に沿った収納効率の良いストレージを各階に配置すること。 愛犬への動線・換気の配慮。空気環境としては各室・階段を個々に区分け可能とすること。クライアントお好みのインテリアテイストを建築に盛込み、また建築全体の外観イメージとしても、シンプルな素材選定としながら近隣建物とは異なる存在感を与えること・・等々スタディを行ないました。 そして意匠・構造・設備、機能とコストを総合的に整理した結果、低層部には梁型を室内に見せないRC造、上層2層は断熱・気密を意識した木造というフレーム構成としています。 外観上は大きく開放的な窓を多く設けずプライバシーを確保し、性格の異なる3つのテラス、中央の内部階段などを介して(大きな吹抜けを空間を持たずとも)住宅の内外に開放感と奥行き感、外部の自然光や風の変化を提供したい・・ 建築全体としてフロア構成を複雑にしないまま、緩やかに人の気配を感じられる、立体的な程良い距離感を備えた住宅となることを「尾張の住宅」では考えました。

立川の家
膨大な書籍を納める書庫を計画している。また農を中心に据えた地に足の付いた暮らしをしたいという御希望で、野菜や果樹を作る庭から台所に直接入れる計画とし、バスルームやワークスペースもその延長線上に置いた。この家は4つの箱を少しずつずらしながら積み上げる構成をとっている。4つの箱には下から床下収納、バスルーム、台所、そして寝室が入る。この家の特色は、積み上げられた箱の隙間が家中つながる事。膨大な書物はこの隙間空間にオープンに収蔵され、そこは家族皆の図書コーナーにもなる。この箱を更に登ると、最後は「雨の降ってくるお部屋」と息子さんが命名したルーフテラスに到達する。

本井手の家
敷地は熊本県荒尾市の郊外に位置し、北側には福岡との県境にまたがる大きな山の緑が広がる。 周囲は住宅地であるものの、田畑が広がるのどかな地域である。 建て主(妻)の実家がすぐそばにある土地に、豪雨で住む場所を失った夫の母との2世帯住宅を計画した。 2世帯の距離感に配慮し、水廻りは完全分離とし、玄関も別途設け、それぞれの世帯での生活のリズムを尊重することとした。 北側の山の風景と馴染ませるように、建物近傍に植栽を施し、その周囲は多用途に使える芝庭とした。 性格の違う庭の緑がグラデーションを描くように、北側の山の風景へと繋がる。 内部空間は、大きな家型の断面空間をタテヨコに利用し、様々な用途を持つ居場所を散りばめた。 天井が高いところもあれば、天井が低いところもあり、視線が抜けるところもあれば、籠れるところもある。 1段下がったピットリビングからは出隅部に設けた開口部から外との繋がりを感じると共に、デッキとのレベル差を利用し、そこに腰かけることで、室内側との繋がりも確保した。 ウッドデッキは2室から利用可能であり、木漏れ日の中で鳥の囀りを聞きながら寛ぐ時間は格別で、アウトドア好き家族の活動の中心となっている。 新築後、第二子も産まれ、「本井手の家」は賑やかさを増し、幸せな暮らしの舞台としての役割を存分に果たしている。

HOUSE-KT
HOUSE-KT(加藤小屋)は〝低予算〟で〝居住期間限定〟の〝仮住まいの自邸〟を設計するプロジェクトである。 将来、妻の実家の敷地に住まうことは確定しているものの、まだ新居を建てる状況ではない。それならば、敷地の一角に必要最低限の予算で、子供が大きくなる迄の一定期間を過ごす為の仮住まいを建築し、居住期間終了後は、他用途(設計事務所・ピアノ教室・ヨガ教室・店舗等)として転用してみてはどうか。と考えはじめたことがプロジェクト発足のきっかけであった。 多くの調整事項や検討事項ある中で3つのコンセプトを念頭に置いて設計を行った。 1.必要最低限を再試行する 振り切った予算の中で、1家族が生活をする必要最低限の面積、ヴォリューム、機能は、一体何なのか。当たり前を疑いながら再試行していく必要があると考えた。寝室でも廊下でも玄関でも1から考え直してみることによって最少最適寸法が見つかるかもしれない。 我が家は、夫婦+男児2人という4人家族だが、結果として約9坪の平屋というかたちに納まった。必要最低限の玄関・LDK・寝室・水回り・ワークスペースというシンプルな構成だ。多くの可動棚を設け、ある程度の収納量は、確保したが、それでもやはり不足していると考え、隣接している妻の実家や祖母の家に季節ものや使用頻度が低いもの、私の仕事の資料等を間借りして収納している。〝仮住まい〟しながら〝借住まい〟している感覚だ。 2.〝ダサかっこいい〟魅せ方 予算からみて、高級材料や設備を使用することは到底できない。安価な材料や設備等をどのように魅せるかが重要になる。そこでテーマとしたのは〝ダサかっこいい〟だ。チープだが良いデザイン・チープだからこそかっこいいもの。世の中には多く存在する。造り方や素材選び、設備選びを工夫し〝ダサかっこいい〟の集合体を〝かっこいい〟と魅せれるよう思案した。 内装は、床、壁、天井、棚、キッチンカウンター等、全て構造用合板とした。これまで設計した住宅でも使用してきたが、木目の強さや色味等の要素が多い為か、何を置いても何となく絵になり、生活感が出ることや部屋が乱雑になっても、あまり気にならない。外装は、ガルバリウム鋼板のGL生地とした。多少安価になることと〝経年変化により酸化し色がくすんでいく鉄板〟という特徴が面白いと思い、採用を決定した。 3.可変性のある構成 限られたスペースの中で何かを固定すれば固定する程、窮屈なる。絶対的に固定しなければならないものは何なのか、また、移動可能なものは何なのか。既成概念を疑いながら、それらの振り分けをしていく必要があると考えた。テレビもクローゼットも寝室も場所を予め決定しなくてもよいかもしれない。 可変性については、建物自体のテーマでもあった。居住期間限定の住宅の為、期間終了後、他用途(設計事務所・ピアノ教室・ヨガ教室・店舗等)に転用できるよう、可変性に富んだ構成にする必要がある。少し手を加えれば建物の用途が変わる。そんな建築を目指した。 固定されているものと言えば水回りくらいだろうか。寝室として小部屋を設けたが、ガランドウの部屋なので他の用途に転用可能だ。LDKには可動棚を多く設け、収納等に利用している。それら可動させることによりレイアウトの変更が可能だ。現在は、クローゼットや子供の机も可動棚を転用している。 〝絶対決めなければいけないこと以外は決定しない〟という簡易な実験も試みた。全て構造用合板の為、様々なものが後付けで設置可能だ。居住後に「ここに何かほしい」と思えばフックや棚等を取り付けていき、カスタマイズしながら生活をしている。 基本的に仮住まい終了後は、N.A.Oの事務所として転用することを考えているのだが、それ以外の用途にも転用が可能なよう、構造を全て外壁側で成り立たせ、内部には柱を建てない構成とした。内壁は全て取り壊しても構造上支障がないため、大幅なレイアウトの変更が可能である。

T字路の家
建設地は世田谷千歳船橋駅からアプローチするT字路の正面に位置している。北側に7階建て集合住宅、西側3階建住宅、東側2階建住宅に囲まれた、間口7m・面積23坪の台形状敷地。 T字路正面にあたるファサードを、ダークグレイ外壁面、サーモウッド縦格子、レッドシダーパネリング軒天井、門型フレームを使ったコンポジションによってバランスを整える設計とした。ダークグレイ色は街に馴染みつつ個性的となるように施主と慎重に検討を重ねて選定した。縦格子やレッドシダーが経年変化しても背景となる色になったと思う。 ポーチから続く、玄関そして洗面室までを通り土間のような設えとして、バイクルームを含む1階のアクティビティに対応した。また地窓を多く設けて半屋外的な空間となるように意図した。明るく開放感のあるリビングダイニング空間の確保という課題に対して、3階にLDKをプランニングし天井高を3.4m確保することで実現することとした。1階フロアレベルを道路レベルに近づけるとともに階高を抑えることで3階リビングまでの距離感を縮め、ディスポーザーを設置しゴミ出し回数を削減するなど3階LDKのデメリットを最小化するように努めた。 リビングダイニングの天井に軒天井と同じレッドシダーを貼り、視線が自然と外へと向かうことを意図した。窓外に展開する逆T字に延びる街の景色と夕陽に染まる美しい空を眺め時の流れや自然を感じながら暮らせる家になればと願う。

窓から差し込む光りで明るく暖かな邸宅
こだわったポイントは「リビング」です。 ・ご家族でドイツ転勤から戻ってきた事もあり、気密面を気にされていました。 ・リビングの窓をハイサッシにし、壁を少なく出来るだけ開放感を設けました。 ・軒裏と室内の天井(一部)に無垢材を使い一体感を持たせました ・アイランドキッチンやストリップ階段を設け、窓の配置や照明に拘りがあります。 お客様には、リビング、デッキ、庭の開放感を気に入っていただきました。

高田西の家
家で仕事をする時間が増えたご夫婦が、自然が感じられる場所で、お互いプライバシーを保ちながら、仕事に集中できる環境をつくるための家として 設計した住宅です。 印象的なアールの壁や、ダイナミックな吹き抜け空間、高低差のある天井など、シンプルな間取りの中にも、光と空間の変化が随所に感じられるように 造られています。 2階のダイニングは天井が高い吹抜けになっており、上から降り注ぐトップライトの光へと視線が抜け、吹抜上部に渡る3階のブリッジは この解放的な空間を楽しむことができる装置となっています。 リビングへ移動すると 視線は外部へと誘われます。窓からは のどかな景色を一望でき、外部とのつながりが、より広がりを感じさせます。 またインテリアに調和するよう造付けのソファも備え、 外の風景を眺めながら リラックスできる空間になっています。 3階は、勾配天井の高低差により、場所によって開放感と、こもり感の 両方の空間が味わえるプライベート空間となっています。 場所ごとに変わる雰囲気の中で、自然の景色を楽しみながら、家族がそれぞれ お気に入りの場所をみつけて自分の時間を思い思いに過ごせる空間が造られています。





